空港を出た男を、三人の男たちが追う。追跡されていることを察知した男は、ガムを取り出し、なかに何かを仕込んで口の中に放り込む。直後に彼は射殺される。追跡者たちは彼の荷物や身体を探るが、何も見つけることができない。
開巻からおよそ15分。まったくセリフなし。気合いが入ります。ガムの中に入っていたマイクロチップから、ある船の映像が導き出される。はたして何を意味するのか。
1985年に、環境保護団体グリーンピースの船「虹の戦士号」をフランスの工作員が爆破した実際の事件がもとになっている。この映画ではそのままでは描けないので、武器の密輸船ということに。
爆破を行う男女のスパイはヴァンサン・カッセルとモニカ・ベルッチ。撮影当時は本当の夫婦でした。その、実際の夫婦に夫婦を演じるスパイという設定を与えるあたりはうまい。
「(キスをするときに)舌を入れるのはやめてって言ってるでしょ」
なんてセリフもあって笑えます。2人が並んで夜の海を泳ぐシーンはとても美しい。その目的が爆破という暗いものであるからこそ。
作戦は成功するが、帰国するときにモニカ・ベルッチは誰かの策略によって逮捕されてしまう。ここから女子刑務所ものに変貌するんだけど、モニカは例によって巨乳をさらしてくれます。ありがたいありがたい。
事実に基づいているだけに、造りとしては地味かもしれない。しかしスパイがみんなジェームズ・ボンドのような派手な動きをするわけもなし。スパイ映画好きとして、十分に楽しめました。
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