事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

極私的朝ドラ史PART28 梅ちゃん先生

2015-11-12 | テレビ番組

PART27「カーネーション」はこちら

朝ドラの好調はつづく。2012年前期は「梅ちゃん先生」。主演は堀北真希。脚本は尾崎将也。視聴率的にはのちの「あまちゃん」よりも上だった。

オーディションで選んだ女優よりも、この人!という感じでキャスティングされた方がどうしたってドラマとしては上になる。少なくとも演技力の保証はついているわけだから。「ALWAYS 三丁目の夕日」のロクちゃん役で見せた、青森県人よりもネイティブに聞こえる青森弁を駆使した堀北は、やはりただのタマではなかったことを証明した。

社会的地位の高い職業である医師と、下町の工員のラブストーリーを描くには、三浦友和と山口百恵の息子(三浦貴大)と区別のつかない(わたしにとっては、ですよ)妙に地味な青年が相手役というのは納得いかなかった。

でも妻は「この子はいいわあ」と絶賛状態。なるほど、ほどなくしてその新人俳優、松坂桃李はスターの座に昇りつめたのだった。

さすが「結婚できない男」の脚本家が書いただけあって、登場人物たちの恋愛はストレートに成就せず、第二候補第三候補と結ばれる展開が多い。実人生もそうかもしれないですね。視聴者たちも内心うなずいていたかも(不用意な発言)。

問題は次の「純と愛」だ。視聴率は急降下。「女王の教室」「家政婦のミタ」で大ブームをまき起こした脚本の遊川和彦は、従来の朝ドラとはまったく違うものを書いてもいいという条件付きでこのドラマを執筆。そのせいか多くの視聴者が離れて行ったし、実はわたしもそのひとりだった。

ホテルのお話なのに、客の前で主演の夏菜は大声で自己主張を始めるなど、どうにもドラマとして破綻しているようだったので。

それにしても、登場人物の多くがサイキックのような能力を持っている時点で客を裏切っている。さすが「予想は超えろ、期待は裏切るな」とする人ですね。

実はディープな朝ドラファンは「純と愛」をひたすら評価しているようで、なるほどよくわからない世界が朝には待っているのでした。吉田羊のブレイク作品でもある。

PART29「あまちゃん」につづく

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