「鎌倉殿の13人」の、あの最終回からこちらに来るというのはハードル高いですよね。自分は鎌倉を守るためにこれだけ苦労したのに、義時の最期は哀しいものだった。そのすぐ(でもないけれど)にご陽気な家康で視聴者のご機嫌をうかがわなくてはならない脚本の古沢良太さんの苦労もうかがえる。
でも、やったるでという戦略は理解できる。鎌倉殿の13人の最終回に松本潤が吾妻鏡を読んでいる徳川家康を登場させたように、この第1回では、武者姿の家康に
「源頼朝公が天から降りてきたような」
などというサービスまで。
三谷幸喜と古沢良太といえば、観客にサービスしようという……もっとはっきり言えば客を手玉にとってやろうという脚本家の双璧。期待できます。
タイトルバックの相違からして驚かされる。重厚で、悲愴なお話だった鎌倉殿の13人と違うということを十分に意識したのであろう明るい演出。スタッフが、鎌倉殿の13人のタイトルバックを見て、これとは真逆に行こうぜと決意したのがうかがえる。
そしてストーリーも、まだ十代だった家康を強調するためか、背広にリュック姿の刑事弁護士以上の松潤のテンションの高さ。だいじょうぶか……
でもわたしたちは知っている。ラブコメでいっしょになった有村架純とその子の運命がその後どうだったか。桶狭間を第1回で終わらせちゃうの?
さあ、この1年、わたしたちは誰もが知っている人物の誰もが知っている人生につきあうことになる。どう古沢さんが裏切ってくれるか。今年もこの大河を見続けることにします。あ、今年も「どうする家康」を「ど」で単語登録しました。
第2回「兎と狼」につづく。
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