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事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

明細書を見ろ!07年08月号~人勧特集

2007-08-20 | 明細書を見ろ!(事務だより)

Img_12さて、恒例のウチの職員への事務だよりを掲載。
今回は人勧特集。題して

「来年の明細書を予想する」

 おなじみの人事院勧告が出ました……といってもそれって何?と質問されるような気もするので(ものすごくそんな気がする)一応説明しておきます。

 人事院勧告とは、国家公務員の給与などについて人事院が「民間の方がこれだけもらっているんだから、もうちょっと月給あげた方がいいんじゃないの?」とか「採用制度はもうちょっとなんとかならないのか」という調子で国会や内閣に“アドバイス”をする制度。

 この忠告を「無い袖は振れない」と拒否する事例も過去にはありましたが、参院選の結果などをうけておそらくそのまんま賃上げになるのではないかと思います。

 しかし9年ぶりの賃上げとはいっても中味をよーく読むと、これがなかなか喜んでばかりもいられない実情がみてとれます。

Suik_set 問題点その①
 給料額が上がるといってもそれは若年層だけのこと。教育職の引き上げをチェックしてみると1級(講師など)はほぼ全域にわたって改定されますが、2級(教諭、養護教諭)の場合は30代前半のあたりまでしか賃上げはおよびません。右肩あがりのカーブがちょっとフラットになると考えてください。まあ、それ以上の層は現給保障中なので最初から関係ないといえばそのとおりなのですが。
 でもこれは実は大きな話なのです。若年の給料が上がることは、いずれ中高年にも波及する可能性を秘めているから。なぜなら、下位給よりも上位給が低いという逆転現象は絶対に起こりえないからで……ま、こむずかしい話はこのあたりにしておきます。

問題点その②
 ボーナスが0.05月増えるという話は文句なく朗報です。でも、前にもお伝えしたように、今回も期末手当の増額はなく、勤勉手当だけの増になっているのは、成績率連動型でImg_1「優秀な職員には数多く支払い、そうでもない職員の手当はおさえつける」方向への“のりしろ”を大きくしようという姿勢が見え見え。
  よく考えてみましょう。自分の評価と手当の月数が連動するということは、ボーナスの明細書を見れば、電卓一発で自分への評価を職員自身が知ることになるのです。こりゃー色々なドラマが生まれることになるでしょう。まあ、現実にはさまざまな細工をしかけることになるので話はそう簡単ではないのですが。

問題点その③
 これは来年の話ではありませんが、住居手当の持ち家の分について(山形県は3000円)、廃止する動きが出てきています。

問題点その④ 
 ここまで話をひっぱっておいて何ですが、これはすべて国家公務員のお話。山形県の人事委員会が、人事院の勧告をうけてどのような結論を出し、そして山形県議会や齋藤知事がどのように判断するのか……油断はできません。

6月ボーナス号はこちら。  9月号はこちら。

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池袋ウエストゲートパーク 第4回

2007-08-20 | テレビ番組

第3回はこちら

  にしても、犯人が○○○○(人名にあらず)だったのは、いくら流行りだからといってあまりにひねりが無さ過ぎないだろうか。これは原作の責任でもあるだろうが、途中で犯人役の演技が異様にハイテンションになっていることに気づいたものだから、最後にもういっちょドンデン返しがあるものと買い被ってしまった。

 それでも、青春ドラマとしては久々の会心作だし、セリフと間(ま)の可笑しさは一級品。たっぷり楽しませてもらったので文句は無い。ラストで本当に「傷だらけの天使」になったのも嬉しかったし(長瀬智也は警察を退職した渡辺謙にスカウトされ、探偵事務所の助手になることが暗示される)。

 で、例の喉女優。この人です。
名は小雪。ついこの間まで、初の学校事務職員主役モ200405260795_660548ノ「お前の諭吉が泣いている」に出演していたので事務職員には馴染み深いかもしれない。どちらのドラマでも愛人役なのが個性というものだろう。

 「わたし、愛人顔だから。」は「王様のレストラン」(三谷幸喜)における鈴木京香の名セリフだが、二代目愛人女優として十分やっていけるキャラとみた。「別に喉太くないじゃないか」と思われるかもしれないが、白く伸びた喉に、うっすらとにじむ皺のあたりが何とも……あわわ、本性が出てしまう。三木聖子との共通点は、その喉から放たれる線の太い声だ。加虐的にすら聴こえる、その声。

 去年買ったジョニ・ミッチェルのアルバムでは、三十数年ぶりに自作「青春の光と影」Both Sides Nowを彼女が歌いなおしている。ジャジーなアレンジが最高なのだが、一聴して歴然、キーが低くなっているのだ。女の人も声変わりするんだなぁ。小雪や三木聖子も、歳を重ねるごとに、その声に渋さをまとってゆくのだろうか。楽しみだ。

 ん?三木聖子はとっくに四十代になっているんだから、もう声変わりしているのかも。「あの人は今」的な番組に彼女が出ていたら、ぜひ情報をお寄せ下さい。唯一不安なのは、荒井由美のセルフカバーの「まちぶせ」は、すっかり野太くなったユーミンの声だと、単なるストーカーの歌にしか聞こえないってことなんだが……。

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急報「河童のクゥと夏休み」

2007-08-19 | アニメ・コミック・ゲーム

Aeon 今日シネコンに行ったら、とりあえず画像のようなことになっていました。

いいぞ三川イオンシネマ!

ちょっと不満かまそうと思っていたら(クゥだけじゃなくて番組編成に関して)いきなりこれか。

うれしいなあ。客が入るといいなあ。

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池袋ウエストゲートパーク 第3回

2007-08-19 | テレビ番組

第2回はこちら

300pxnagasetomoya  このドラマ、設定がいい。池袋という、渋谷や新宿と比べて昔からいまひとつあか抜けなかった街を舞台にすることで、登場人物の十代の少年少女を身近なものにしている。渋谷のチーマーたちに感情移入できるほどみんな“今時の若いもの”が好きなわけでもないし。

 主人公は、出身の工業高校時代に壮絶な不良として名を馳せていたのに、どこの組織にも属せず家業の果物屋を手伝っている少年マコト(TOKIOの長瀬智也)。“ブクロ”に起こるトラブルを「たりーなー」とか言いながら解決する、そう、往年の「傷だらけの天使」を思い起こさせる造形だ。

 めちゃめちゃなマザコンで、お袋(森下愛子)の作る焼そばばかり食べている。もうひとつ笑わせる設定は、この男《商売女にしか欲情しない》ことになっていて、つまりこのドラマの陰の基調である純愛ドラマを強引に成立させている。実際、自分の部屋でエッチをするために、お向かいのヘルスに飛び込んで、とりあえず勃たせてもらうとんでもないシーンまである。プラトニックな純愛を視聴者に納得させるには、いまやこんな無理をするしかないんだろうが、フェミニストからは非難ゴウゴウだろうなぁ。

 ところで、ジャニーズのアイドルとしては、バンドにこだわっている分、いまいちブレイクしないTOKIOだが、私はメンバーの一人に会ったことがある

 組合の仕事で山形から奥羽本線に乗り込んだ時のこと。ホームを数人の女子高生が私の乗っている車両に向かって嬌声を上げながら疾走してくる。

「お?遂に『私の時代』が来たか」

と思ったが、彼女たちのお目当ては同じ車両に乗り込んできた国分太一だったのだ。八峰テレビのスタッフと通路を歩く国分は、意外にも背が高く(そう見えただけかもしれない)、撮影しながら新庄で降りていった。酒田で降りた私が直行した飲み屋でその話をすると、カウンターの隣の客は結構芸能通で、国分の親の実家が新庄にあるらしいことを教えてくれた。「おじいちゃんの家を訪ねよう」とかいう企画だったのかもしれない。

 それはともかく、私は長瀬はもっと人気が出てもいいと常々思っている。ぎらつく目とその長身は(こっちは本物)、スターとしての貴重な要件だし、役に恵まれれば、もうワンランク上に行ける素材だ。

 今回、ハードかつコミカルな役はたいそう上手にこなせることはわかったし、「白線流し」でシリアス系もいけることは実証済みなのだから、あとはビッグな役さえ……「バガボンド」の宮本武蔵なんかどうかなあ。

 あ、今回も喉女優は出てこなかった<(_ _)>

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池袋ウエストゲートパーク 第2回

2007-08-18 | テレビ番組

Roehrrvaeu_1

第1回はこちら

 このドラマ、今までにも何度かふれたように、宮藤官九郎(くどうかんくろう)という、松尾スズキが主宰する大人計画なる劇団の、ほとんどヤンキーかと思うようなお兄ちゃん役者が脚本を書いています。

これも前に書きましたが、彼は「ロケットボーイ」やキムタクが深夜にやっている「TV‘s HIGH」もこなしています。現役の俳優がゴールデンアワーのドラマ書いているなんて今までに前例あったのだろうか。

ま、それはともかくこの略称IWGP(Ikebukuro West Gate Park)は……あ、この略称自体がギャグになっていることが主たる視聴者層の十代の連中には分らないんだろうな。P_kudo

IWGPといえばだなぁ、INTERNATIONAL WRESTLING GRAN-PRIXと呼ばれる新日本プロレスのタイトルのことで、えーと猪木がハルク・ホーガンに失神させられたのは……やめよう、年寄りなのがばれる。

そういえばスタン・ハンセンが引退したのはショックだったなぁ。思えば19年前の東京体育館での馬場との死闘は……えーい話が進まん。うわ、内容と肝心の喉女優にふれる前にこんなにスペースを。次号を待て

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池袋ウエストゲートパーク

2007-08-17 | テレビ番組

M2246120040217170237_1このブログは、2000年にスタートした「事務職員へのこの1冊」のバックナンバーを載せるのが当初の目的だったこともあり、古いネタも当時のまんま載せてしまうこともあります。ごめんなさいね。今回も2001年3月のネタをそのまま掲載します。

  ♪好きだぁったのよっ あっなたっ 胸のおっくでずぅっとぉー♪

……すいません、いきなり絶唱してしまいました。

 これは旧姓荒井由美が作り、私の高校時代に三木聖子が歌い、後に石川(プリンプリン物語……知らない人がいてもかまわねーや)ひとみがカバーした「まちぶせ」という曲です。

 実はわたくし、この三木聖子の熱狂的な、というほどでもあるファンだったのです。何でまたあんな地味な娘を、と四十を迎えた今は思うのですが、あの、♪とぉー♪と伸ばす時の、喉が太い感じ、がたまらなく好きで……変態、とまでは思わないでほしいのですが、どうやらその頃から、白く太い喉に対して、一種のフェティシズム、性的偏向があったように思われます。次のシングル「三枚の写真」がまた良くってさぁ……

Spt_key_big_1 なんでいきなり消え去った70年代のアイドルの話をしているかというと、21世紀を迎え、2児の父となった今でも、喉フェチは一向に治っていないと思われるからです。

去年の邦楽のベストは、私にとってはダントツに鬼束ちひろの「月光」で、山形との往復では例によってエンドレスに、♪こぉのぉ腐敗した~♪を聴いていたわけですが、今年になってテレビに出始めた彼女が、あんなに私好みの喉の持ち主だったとは……(あんなに手をヒラヒラさせて歌う人だとも思いませんでしたが)。ほんとに私は、好みが一貫している。我ながらエライと思う。

  昨年の秋にスタートし、視聴率的には目を見張るほどでもないものの、その面白さが口コミで伝わり、今やビデオ屋でも常に貸出中のドラマ「池袋ウエストゲートパーク」にも、久方ぶりに私の衝動(笑)を揺さぶるような女優が出ていました……以下次号

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オフコース~秋の気配

2007-08-17 | 音楽

1222go06  オフコースに関しては、もう一つ忘れられない思い出がある。

 高校生の頃、私は何を血迷ったか早朝にジョギングをかましていた時期があった。別に健康になりたかったわけでもないのに、何で走っていたかは不明。大方元気が余りまくっていたのであろう。

 その夏の朝、走り終えてシャワーを浴び、素っ裸で自分の部屋に戻る。ラジオからは「秋の気配」が流れている。テーブルにはなぜかアンメルツ(まだヨコヨコではなかった)が置いてあり、それを見て何ごとか考えた私は自分の“あの部分”の“先っぽ”に、アンメルツを塗ったのである。

 好奇心旺盛な童貞ほど始末におえないものはない。ご想像の通り、穏やかなオフコースのバラードが流れる部屋の中を、声にならない絶叫とともに、跳ねながら裸で走り回る大馬鹿野郎の姿がそこにはあったのである。

 オフコース聴いて、あの痛みを思い出しちゃ駄目だよなぁオレも。

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オフコース~生まれくる子供たちのために

2007-08-15 | 音楽

Oda_live01 「生まれ来る子供たちのために」
作詞 小田 和正

多くの過ちを僕もしたように
愛するこの国も戻れない もう戻れない
あのひとがそのたびに許してきたように
僕はこの国の明日をまた想う

ひろい空よ僕らは今どこにいる
頼るもの何もない
あの頃へ帰りたい

ひろい空よ僕らは今どこにいる
生まれ来る子供たちのために何を語ろう…
何を語ろう

君よ愛するひとを守り給え
大きく手を拡げて
子供たちを抱き給え
ひとりまたひとり 友は集まるだろう
ひとりまたひとり ひとりまたひとり

真白な帆を上げて
旅立つ船に乗り
力の続くかぎり
ふたりでも漕いでゆく
その力を与え給え
勇気を与え給え

1980.3.5リリース

M0000668_0 ……資本主義の極北マクドナルドでバイトしながらも、非武装中立論に傾倒していた左翼少年にとって、この“愛国歌”は許し難かった。

「あのひと」がそのまま天皇を表すととるほど意地悪な観方はしないが、「頼るもの何もない あの頃にかえりたい」が安保反対をシンボライズしているととるほどお人好しでもないのだ。

「愛を止めないで」や「さよなら」の直後にリリースされたにもかかわらず、この曲はヒットしなかったので誰も問題にもしなかったのだろうが、私はひとり不愉快な気持ちを捨てられずにいた。

 しかし今考えれば、劇団四季の浅利慶太の口車にのり、中曽根戦後最低宰相に擦り寄って行った、さだ(防人の詩)まさしや谷村(昴…あれが軍歌でなくてなんだ?)新司に比べれば、小田はまだマシとも言えるが。でも、昔は第一生命のCMソング(「僕の贈りもの」)をやっていたくせに、今は明治生命のために「言葉にできない」を絶唱する彼を見ていると、ま・何にも考えていないのかな、という気もする。以下次号

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オフコース~もう歌は作れない

2007-08-15 | 音楽

 事務職員の多くが組合の社対部員(地区によっては福対部、とか名称はいろいろだが)になっている。私も○○小学校では分会長兼社対部員だし、県教組事務職員部長は学校生活協同組合の理事(「まあ一般の会社の取締役ですね」と職員に言われてたまげた。お中元やお歳暮はありがたかったなあ)にもなる仕組みだったので、今でも他の人よりは学生協の販売促進に熱心だと思う。

 理事会では商売にはまるっきり素人であるにもかかわらず「アイキャッチャーの意味もあるんだし、もっとCDやパソコン関係に力を入れたらいいんじゃないかな」とか能天気な発言をかましたりしていた。その気持ちに変わりはないが、チラシの中にそれ系が増えてきたのをみるとちょっと悪いことをしたかな、という気になる。なにしろパソコン関係は利幅が小さくてかなわないらしいので。

Offcourse うちの学校の一番のお得意様は調理員たちだ。この人たちは3人ともほとんど同世代だし、まったく同学年のお姉さん(自分と同い年の人間は意地でもおばさんとは呼ばない。呼んだら殺されるだろうし)もいる。「サタデーナイト・フィーバー」の話をする人は今でも多いが、その続編「ステイン・アライブ」のビデオがどのレンタルビデオ屋にも見当たらない!と怒るあたりは同学年ならではだ。

 その彼女たちの今回のお買い物はCD。しかも一人は「オフコース1969-1989」、もう一人は「NSPシングルコレクション」いい加減にしろよなー。まあチラシにとりあげられるくらいなのだから、今の地方公務員にとってこいつは売れ線ということなんだろう。私たちにとってのナツメロとは、このラインなのだ。いい時代なんだかなぁ。

「でものー、車さMD付いでんなんでも、うぢさねさげー、ダビングしてよー」こてこての川南弁(同じ酒田でも最上川の北と南では文化圏がはっきりと分かれる)。
「……やります。」社対部員だし、チキンが給食に出るときはスペシャルメニューにしてもらってるし……(私は鶏肉が食えない)。

 で、今オフコースの全36曲をMDに落としているところだが、それこそ彼らの全盛期にあれほど毛嫌いしていたにもかかわらず、今聴くと、それほど悪くないのだ。「サウンド的にはジェネシスを目指している」というあの頃の小田の発言は今でも笑えるが、「眠れぬ夜」や「もう歌は作れない」等のフォーク丸出しの初期は、私も結構気に入って聴いていたのに、どうしてあんなに嫌ったのだろう。

 思い出した。
 この歌のせいなのだ。

 以下次号

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OL進化論

2007-08-14 | アニメ・コミック・ゲーム

Akizuki02 偏見かもしれないけれど、4コマまんがは、まずめったなことでは笑えない。コンビニや書店の4コマまんが雑誌のコーナーをのぞいてみるがいい。微温的で、いかにもほのぼのやってます、別に大笑いしてくれなくていいです、ちょっとクスッとでもしてくれれば、というような志の低ぅい漫画のオンパレードだ。

特に、名を挙げて失礼だが植田まさし(読売に毎朝載ってるアレね)系のちゃっかりサラリーマンものなど、「てめー世間をなめんじゃねーぞ!」とイラついてくる。椎名誠たちがフジ三太郎を蛇蠍のごとく嫌っていた気持ちに近いかもしれない。だったら読むなよ俺も。

この、日本独自の表現形式をそれでも革命的に変えた作家はいる。いうまでもなくいしいひさいちいがらしみきおだ。

いしいの「がんばれ!!タブチくん!!」(双葉社)の何が凄かったといって“別に悪口を言われる筋合いのものではない人(法政のプリンス田淵、管理野球広岡、頭脳派ピッチング安田、今ならナベツネ←こいつだけは悪く言わなきゃ)”を徹底的にこきおろすことで、あれだけの笑いがとれることを証明して見せたこと。いがらしの「ぼのぼの」(竹書房)の第一作は『ぼくのお遊び』のタイトルで、上流から流れてきたラッコが杭にぶつかって方向転換する、たったそれだけのことをオチにしていて、これはショックだった。極めつけは「BUGがでる」の灰皿VS灰皿の睨み合い……ってギャグの説明はうまくできないからやめておこう。

Tas03460  この偉大な二人の延長線上に西原理恵子(「まあじゃんほうろうき」)や喜国雅彦(「傷だらけの天使たち」)がいるわけなので、このラインがこれからは主流になってくれなくては。ぬるいサラリーマン漫画なんかじゃなくて。

 え?じゃあなんで秋月りすなのか、というと……えーと、それは私もぬるいサラリーマンだから(笑)。でもこのマンガ、バブルの絶頂期あたりから始まったのだが、秋月の(この福岡県出身漫画家にOL経験はない)会社、という組織への視線のクールさはちょっと比類がない。

 設定はある大会社の総務二課。おっちょこちょいのジュンとお人よしの美奈子、団塊丸出しの課長、ほぼこのレギュラーが語る最大の哲学は『こんな楽しい会社はどこにもない』だ。あんなに絵柄がかわいいのに、さめたタッチで描かれるほのぼのギャグの連発は、むしろこの会社のユートピア(どこにもない場所)性をあらわにする。多くのOLが、ため息をつきながら読む姿が目に浮かぶようだ。

Akizuki  それにしても、普通のOLって、普通の会社員って、会社で一体どんな仕事をしているんだろう。秋月もいまひとつ分かっていないようだけれど、公立小中学校事務職員にも、ちょっと想像つかないなぁ。ま、向こうもこっちが何をしてるかは全然分からないんだろうけれど。

 共同実施がはじまると、事務職員にも一種の上司と部下の関係が発生するかもしれない。でもあの総務二課みたいには、きっとならないだろうなあ。とにかくみんな、ひたすら癖が強いから…(嘆息)。

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