事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

Mr.インクレディブル The Incredibles

2008-03-23 | アニメ・コミック・ゲーム

Incredibles  わたしはディズニーのいい観客ではない。「ファンタジア」や「ピノキオ」などの全盛期を知らず、昔の遺産を食いつぶすだけだった低迷期にこども時代を過ごしたため、ディズニーとはすなわち温厚そうな口ひげのじいさんが出てくるテレビ番組「ディズニーランド」(日本テレビ)が思い出されるだけ。あの番組にしたって、ミッキーマウスやドナルドダックの短篇アニメはともかく、実写のドキュメンタリーだったりするとがっかりしたなあ。

 わたしはピクサーのいい観客でもない。「トイストーリー」には確かにどぎもを抜かれたし、CGでは困難と言われた水の世界を「ファインディング・ニモ」で精緻に描いた技術力にも驚かされたが「どうしてCGでなければならないのか」に、たとえば「モンスターズ・インク」は答えていなかったような気もして。

 この二社が仲たがいをし、提携解消にいたった経緯はよくわからない。でもこの「Mr.インクレディブル」を見るかぎり、どう考えても今回の騒動はディズニーにとっての不幸だろう。この作品ぐらいのレベルの映画がこれからもピクサーから生み出されるのだとしたら(なにしろ打率10割だからなあ)、失ったディズニーの痛手ははかりしれない。断言する。それほど、最高の娯楽映画だった。60年代の「ナポレオン・ソロ」や初期の007、そして「電撃フリントGO!GO!作戦」などのテイストをたっぷりふりまき、しかもCGでなければ創造し得ないアクションシーン満載。長男ダッシュと悪役のチェイスなど、「ジェダイの復讐」でジョージ・ルーカスがめざし、そして失敗していたレベルを軽々とクリアしている。“あまりの激しさのために観客は笑うしか選択肢が無くなってしまう”ほどのすさまじさ。いやー笑った。

P1  日本版の配役もすばらしい。特に主役の吹き替えは、わたしが秘かに日本一うまい役者と思っている男優がやっているので、そのうまさをぜひ味わってください。百恵ちゃんはいい男と結婚したなあ。

※その後ピクサーはディズニーとの関係を修復し……というかディズニーのアニメ部門はピクサーの連中が牛耳ることとなった。さもありなん。

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新札

2008-03-23 | うんちく・小ネタ

Shinnsatsu 2004年11月は、身の回りのさまざまなことが切り替わった時期だった。若い頃ならそのことに敏感でいただろうが……
すでに思いきりジジむさくなっていた中年男の、当時の雑感です。

11月から世間では色々な動きがあったようだが、わたしはそれに追いつけずにいる。
車を走行中に携帯を操作しているだけでいきなり摘発されるのも初耳だったし、まさか新札がもう出回るとは思いもしなかった。

※まさかのちに携帯使用でホントに捕まるとも予想してなかった。おかげでゴールド免許もらえず。

おとといの外勤で郵便局に寄ると、「新札に取り替えて下さい!」と食い下がっているおばさんがいる。局員は「ウチで扱うのは明日になると思いますぅ」でもおばさんはなかなか引き下がらない。そんなに新札ってありがたいかなあ。
「ホリセンセー、お待たせしましたぁ」
「えーと、じゃあ俺も新札に取り替えてもらおうかな」
「いじわる言わないでくださいよー」

新札といっても目玉は五千円札の樋口一葉でしょう?野口英世の肖像はなんか下品だし、一万円札がそのまんま福沢諭吉ならあんまり関係のない話かな、なーんて金持ちっぽく(笑)考えていたら、昨日病院帰りにセブンイレブンでお金を下ろしたら、その一万円札がなんか変。なんだこりゃ。おいおい一万円もマイナーチェンジしてるのか?!

「お父さん、ほら、ここにピンクのラインが入ってるでしょ?これが偽造対策の目玉らしいよ。それにここにホログラムが……」しまった。息子の方がよほど事情通だ。

Bne10000 思えば二十年前、今のお札が出回ったときは「ちゃっちー」と思いませんでした?サイズの問題であると同時に、いかにそれまでの聖徳太子の一万円札がデザインとして優れていたかの証左では。それに、あのように謎だらけの人物をお札の肖像に封じ込めるというのもいい選択だったと思う。文化人路線はこれからも続くのだろうが、一種の狂気をはらんだ人物を、またお札に選んでくれないかなあ。たとえば平将門とか。無理か。それにしても新一万円札の鳳凰は、こりゃ版権は手塚プロ

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柳家小さん

2008-03-23 | インポート

Kosan 内海好江:で、その時にね、二二六でものすごい雪が降って、大変な雪だったって話を。
柳家小さん:そうそうそう。
好江 :そこへ師匠が行ったんですか?
小さん:うん。
好江 :雪かきに?
小さん:なに言ってんだよ。反乱軍になったんだよ、反乱軍。
好江 :反乱軍てえのは、なんか反乱を起こすわけ?
小さん:そうそう。
好江 :反乱起こす顔してませんよ。
小さん:俺が起こしたわけじゃないんだ。
好江 :ああそうですか。 
                                                                      (「柳家小さん芸談」より)

 テレビで落語をやっていればとりあえず見る。それが馴染みのない噺家であろうと、なかなかそんな機会はないから。唯一残ったメジャーな演芸番組は「笑点」だけど、あれは【落語番組】じゃないしね。

 志ん生文楽をリアルタイムで見ることがかなわなかった私のような世代にとって、名人と感じさせてくれる人は誰だろう。世評では談志志ん朝。でも二人ともケレンが過ぎてなあ。まあ晩年の志ん朝は聴いていないし、ひょっとしたらあの「オレはこんなにうまいんだ」ってとこは無くなってましたか?

 こうなるとあまりにメジャーすぎて忘れそうになるけれど、柳家小さんって存在はやはり大きかった。あのとぼけた味わいは、生きている頃はわからなかったのに、今はどうも懐かしい。のっそりと高座に出てくるたたずまいは、ありゃ貴重なものだったのだ。

 落語家という連中は、これがなかなか剣呑な方々のようで、造反だの脱退だのという騒ぎを常に起こしている。小さんは、そんななか落語協会のトップとして長く君臨していたことからもわかるように、ルックス通りなかなかのタヌキだったみたい。二二六事件に巻き込まれていたり、剣道の達人だったりとサイドストーリーにもことかかない。そのことも含めて、もう一度小さんの落語は聞き直してみたい。金を(永谷園から)たいそう稼ぎ、勲章ももらい(反乱軍だったのに)、家族にもめぐまれ、大往生で逝くことのできた男の、おあとのよろしい噺を。

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「誰も知らない」 Nobody Knows 是枝裕和監督作品

2008-03-22 | 邦画

Nobodyknows  結婚すれば婚姻届を出し、子どもができれば名前をつけて出生届を役所へ。予防接種を受けさせ、就学年齢がくれば学校に入れる。身仕度のために三角巾を作ってやったりする。税金を納め、家族が死ねば死亡届を出し、葬式を行い、相続や法事に頭を痛める……

 社会人なら誰でもやっていることだし、当然のことだ。当然のことではあるけれど、でもこれって大変なことなんじゃないか。「誰でもやっているから」仕方なくやっているのではないだろうか。第一、ほんとうにみんなこんなことをキチンとこなしているのか?

 母親が四人の子どもを残して失踪し、子どもたちは都会の真ん中で自分たちだけで生き続ける……泣かせが苦手なわたしとしては、むしろ敬遠したくなるタイプの映画。でも監督は「ワンダフルライフ」で冴えたところを見せた是枝裕和だし、「スウィングガールズ」を観たがる妻を説得してこちらを選択。

 モデルとなった実際の事件の方はもっと陰惨な話のようだが、この映画には一種の救いが見える。兄妹四人の生活は、確かに苦しくはあるだろう。でもそれなりに楽しかったのではないか、とする是枝の視点は正しいと思う。その証拠に、彼らの部屋に入り込む兄の友人や大家などは、観客にとってはっきりと“異物”に感じられるほどだから。

「あたし、カンヌ女優じゃん!」とさんまの番組でギャグ(事実そのとおりなのだが)をとばしたYOUが、無責任だが憎めない母親を演じて出色。社会人として欠格していることがそんなに悪いことなのか、とまで感じさせてくれる。

 見終わってからの方がしみ入る映画。あの兄妹は、今どうしているのだろうと劇場を出てからも頭から離れない。実話であること以上に、是枝が口伝えで子どもたちにセリフを言わせた(めちゃめちゃにフィルムを消費したろう)およそ劇的なるものと無縁な作りがそうさせたのかもしれない。帰ってから、いつもなら没入するであろう達者な某映画をDVDで観ようとしたが、どうしても“嘘”が感じられてギブアップ。大嘘なのは「誰も知らない」の方かも知れないのに。おそるべし是枝。そしておそるべし子役たち!

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「シンセミア」 阿部和重著 朝日文庫 

2008-03-22 | 本と雑誌

Abekazushige01 上下巻で800頁、400字詰原稿用紙1600枚の大作。リンチ、フィスト・ファック、盗撮、幼女偏愛、不倫、恐喝、薬物(シンセミア、とは麻薬の一種)、放火、暗殺、UFO、売春……なんでもあり。そのほとんどが村山弁で語られる。なにしろ、これは神の町を名のる、あの東根市神町(じんまち)の物語だ。日本版シティ・オブ・ゴッド。読みおえるまでに何度か挫折しそうになる。不道徳な展開に辟易したのではなく、阿部の、故郷である神町への愛憎の深さに、時間をおかないと冷静に読み進められなかったから。

「いいがらすっこんでろ糞野郎が!余計なごどいぢいぢぬかすなボゲ!お前が俺んち心配してどうするっつうんだこのカスが!馬鹿のくせに知ったかぶってつべこべほざぎやがって、絞め殺すぞこの腐れベッチョ野郎が!そもそもパン屋ど俺んちは無関係。うぢは何も関係ねえ。クソッタレ親父以外はな!」

「インディビジュアル・プロジェクション」など、実話をもとに語ることが多い阿部は、パン職人だった祖父の存在と、神町の歴史をシンクロさせて壮絶な惨劇を構築した。

 帝国海軍の航空基地が設けられていた関係から占領軍駐留地となり、そして自衛隊の駐屯地となった神町は、その陰で売春が横行。住民の生活も乱倫をきわめる。占領軍にうまく取り入ることが出来た人間が力を握ってきた歴史は、まさしく日本の戦後史そのものだ。なぜ日本人がパンを食べるようになったかを、学校給食とのかかわりで冒頭に提示するなど、縦糸にパン屋三代の物語をはめこんだ展開は象徴的。

刊行された03年は、さすがに地元東根の書店のベストセラーになっている。どう読まれたものやら。地元の人間にきいたら、確かに町の規模に比べて神町は飲食業が異常に多いそうだし、変な民族団体もいくつか存在するらしい。空港とフルーツの町、という穏やかなイメージは、意図的にその二つを惨劇の舞台とする阿部によってみごとにくつがえされる。何事も起こらない田舎の日常に苛立ちを隠せなかった若い頃に読んでいたら、ひょっとして吐いていたかもしれないほどの悲喜劇。ぜひ。

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出身はヤマガタ。

2008-03-22 | うんちく・小ネタ

Mail03f あのね。○○小の××△△さん(温海町→現鶴岡市出身)の同級生に本上まなみのお母さんがいるそうです。ということは彼女のお母さんは山形県庄内出身ということなのかな?

Aoki_yuko ……これ、ファンの間ではよく知られている事実らしい。本上が生まれたのはまぎれもなく庄内なんだそうだ。山形関連の有名人については、いままで武田祐子(フジテレビ)やTOKIOの国分、定番ミスチル桜井、そしてMy Little Loverの小林などでふれてきたけれど、他にも意外なメンツが同郷だったりする。

 メジャーどころでは日テレの石川牧子アナ、レスラーの井上京子、オリジナル「ゴジラ」の監督本多猪四郎、「幽遊白書」「HUNTER×HUNTER」の冨樫義博(奥さんは「セーラームーン」の武内直子。この超大金持ち二人が住民票を移してくれたのに財政難か新庄市)、元都知事の鈴木俊一、ルースターズのギタリスト下山淳、グラビアアイドルの青木裕子(今はシンガー)、電撃ネットワークの南部虎弾……えーと途中から全然メジャーじゃなくなってしまいましたが(笑)。
 
なんか県人会って存在はうざったくて、同郷だからどうしたんだと昔は突っぱってたけど、同じ気候に囲まれ、同じ風景を見ていた人間が著名になっていくのはやっぱりちょっとうれしい。このメールをくれた人の高校の同学年には映画監督の冨樫森(「非・バランス」「鉄人28号」)がいて、こういうのは素直に応援したいと思える。

ところが、同い年の同僚が「あたしの同級生の息子がバンドやってて、CMでガンガン流れてるのよ」ってのはなぁ。これ、サザーランドってバンドで、サラ金のCMでミスチルっぽい、というかミスチルそのまんまな(笑)曲でブレイク。それはめでたいのだけれど、“同級生の息子がバンドでデビュー”……うーん、もうそんな歳になってしまったかあ。

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内示

2008-03-22 | 公務員

Mickeymasami 2005年3月のネタです。
言いたいことは変わっていないのでアップしときます。

何度でも言う。
山形県職員の異動ってやっぱり変だ。何がって、“内示”が行われたその日に新聞発表されてしまうことが。これのどこが内示なんだ!

山形新聞は3月中旬に入ると一面で【山形新聞は、22日に行われる教職員異動内示の内容を詳しくお届けする予定です】なんて宣伝までうっている。異動内示が22日だという情報が正式に現場に下りてくる前に。おまけに【○○高の校長は××か△△に落ち着く模様】なんて憶測記事が、誰が誰に向かってコメントしてんのか知らないけど毎年恒例のように載っている。しかもこれが当たるんだ(笑)。

この、マスコミと“山形県”の蜜月はいったい何だろう。もう県民や県職員自身もそんなもんかなと慣らされてしまっているが、異動内容は異動日に報ぜられるのが当然じゃないか?少なくとも他の県はそうなっているし(調べてみたらそうでもなかった)、だいたい県職員の異動が大々的に特集されるなんてこりゃあ……田舎くせーぞやっぱり。

かつて高校の合格発表が詳細に特集されていたこともあった。ラジオやテレビでまで大々的にやられていた。それが“進学競争をあおっている”“プライバシーの侵害だ”などの理由で(か知らないけど)いつの間にかとりやめになっている。

同じことが異動にも言えないか。いくら読者ニーズが大きい(面白いわなやっぱり)からと言って、その後いろいろと変更もありうる異動内示を、ここまでデカデカと報ぜられたのでは「もう何を言っても虚しいだけ」という気分に。いくらミスがあっても訂正記事が出たという話も聞かないしなあ。

何度でも言う。記者クラブという存在がバックにあるのはこちらも重々承知しているが、そんな談合制度のなかで、こんな田舎臭いことがいつまでも続いているのははっきりと異常だ。こんな悪習、早く無くせよな!

……08年もまったく同じ経過となった。3月21日午前に内示があり、その日の夕刊にはもう発表になっている。山形新聞にいたっては、有料サイトでご覧いただけます、なんてことまで。商売のネタにすることに、もはや照れも何もないようだ。ったくもう。

画像は「新・土曜ワイド殺人事件」とり・みき+ゆうきまさみ
流浪の連載、やっとまとまる。ディープなネタは若年層にはちょっときついか。わたしにとってはストライクゾーンど真ん中なのだが。

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「新選組!」 第四話~新選組マラソン

2008-03-22 | テレビ番組

Shinsengumisp2 第三話はこちら。

第一集から第七集、プラス「新選組!!(びっくりマークが二つになってる)土方歳三最後の日」を加えてDVDが8枚。せっかく同僚の家族から借りたのだから観ざるをえない。08年の正月は「新選組!」マラソンだった。お餅を食べては一枚、昼から酒をかっくらっては一枚。

前半が「七人の侍」のようにメンバーが次第に集まっていく過程(このぐらいのひねりを盗作で騒がれた「武蔵」でもやらなければならなかったのだ)、池田屋事件をピークに、一転して今度はメンバーが消えていく過程を描く。

新選組とはしかし何だったのだろう。永倉新八などの覚え書きをもとに、時代小説家たちがそれぞれに思い入れをぶちこまなかったら、歴史の片隅にうもれる暴力集団にすぎなかったに違いない。あるいは土方歳三がオフィシャルな(という言い方も変だけど)反乱軍のお偉いさんではなかったら……

しかし薩長を中心とした明治政府への反感や、日本人の(江戸の、と言いかえてもいい)美風が消えていくことへの寂寥が、コピーとしてのサムライであるテロ集団を偶像化したとも。わたしが明治期の貧乏人だったら(特に元武士階級だったら)、剣一本でのし上がり、田舎者のくせに尊大な役人たちに一泡吹かせてくれた若者たちのことを、やはり懐かしく思うはずだ。ファンが絶えないこともうなずける。

三谷幸喜は、長大な物語を構築しなければならないことを逆手にとって、多様なキャラを自在にあやつり、視聴者に幕末がまるで現代であるかのように誤解させることに成功している。特にくせ者キャラ(オダギリジョー、桂吉弥など)が一転して熱情キャラに生まれ変わる瞬間を多用し、ひたすら泣かせる。鬼の副長だったはずの土方が、実はいちばん泣いていたことも再確認。養母役の野際陽子が、近藤勇の京都への出立時に「あなたは、わたしです」とはげまし、勇の斬首直前に「近藤勇、よくやりましたっ!」と声をかけるふたつのセリフが、実は無惨な近藤の人生に美しい縁取りをほどこしている。

Kobayashitakashi これだけ長い間見続けると、マラソンだけにもはやランニングハイ状態。ほんとうに夢に出てきたのにはわれながら笑った。合計40時間以上の至福。見始めれば、やめられるはずのない地獄でもあった。

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「新選組!」 第三話

2008-03-21 | テレビ番組

Nhkshinsengumi_2 第二話はこちら。

勘定方河合役の大倉(ピンポン)孝二と、武田観柳斎役の八嶋(トリビア)智人が、「新選組!」収録中にしみじみ語り合ったそうだ。

「考えられるか。NHKの大河ドラマで、俺たちのツーショットだぞ……」

 芹沢鴨役の佐藤浩市が斬られたあたりから、「新選組!」は次第にオールスターキャストの看板を自ら下ろし、小劇場出身者をあざとく前面にもってきた。きわめつけは勝海舟役の野田(夢の遊眠社)秀樹と、近藤勇を捕らえる薩摩藩士役の古田(オジー)新太だ。小劇場ファンは卒倒しそうになったのではないか。

 無責任な三谷幸喜ファンとして、三谷ファミリーによるオールスターキャストを考えてみた。

近藤勇(香取慎吾)→ 織田裕二(口でかいし)

土方歳三(山本耕史)→ 豊川悦司(「12人の優しい日本人」は適役)

勝海舟(野田秀樹)→ 田村正和(んもーぴったりだと思う)

滝本捨助(中村獅童)→ 西村雅彦(あて書きじゃないかと思うくらい)

近藤ふで(野際陽子)→ 室井滋(恩田三姉妹なら代替可)

清河八郎(白井晃)→ 真田広之(「オケピ!」の恩を返せ)

沖田総司(藤原竜也)→ 山口智子(三蔵法師を夏目雅子がやったんだし)

……アンサンブルめちゃくちゃですか(笑)。織田、西村、真田は、様々な理由から二度と三谷ドラマに起用されることはないだろうけれど。(※西村とは後に関係修復?)

“身分の差を超え、平等な世の中の嚆矢たらんとしたにもかかわらず、時すでに剣の時代ではなかった悲劇の存在”という三谷幸喜の新選組のコンセプトは、歴史的に見れば大嘘。でも、ひょっとしたらそうであったかもしれないという夢を一年間見続けさせてくれたことに感謝。

いやーそれにしても毎週大河を見たのって、「黄金の日日」(市川森一脚本!)以来かなあ。

※前任校の職員旅行で大阪に行ったとき、ひとりで古田新太のフランチャイズに行ってみた。さすがに変わったヤツしかいなかった。あの劇場も今はない……

なんと意外なことに第四話につづく。

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「新選組!」 第二話

2008-03-20 | テレビ番組

20041123hino01 第一話はこちら。

 歴史ドラマを書いていると、史実とフィクションの配合に気を使うことになる。固定客の多い大河ならなおさらのことだ。

 初回に坂本龍馬と近藤勇、そして土方歳三が連れだって黒船を見物に行くという大嘘を書いて批判された三谷は、だから少し筆が萎縮してしまったかもしれない。

 でも後半は違う。モデルが無名であるため、どう描いてもかまわない滝本捨助(中村獅童好演)を狂言回しにすえ、もう書き放題。捨助を鞍馬天狗の原型に見立て、おそらくは下手人が判然としない某事件にからませる算段か。

 こんな小細工をしないと、新選組の末路など悲惨で見ていられないのも確か。山南敬助(堺雅人はこの役で一気にメジャー)の粛清に始まった同志の離反劇は、原田左之助(山本太郎)や永倉新八(山口智充)、そして藤堂平助(中村勘太郎)に及び、終いにはほとんどの隊士が死んでいくのだし。

Gohatto ここで活きてくるのが実際の隊士たちと同世代の連中を起用したキャスティングだ。

 珍妙なルールに自縛され、新選組が粛清につぐ粛清だったのは、やはり未熟な若者たちの集団だったからだろう。同じテロ集団だった連合赤軍との相似もそこにある。

連合赤軍だって、あの“総括”は、水筒がどうしたのといった些細な感情の行き違いから始まり、若さゆえに誰も自身の暴走を止められなかったのではなかったか。

 結局のところ【時勢を読めなかった二流の存在たちの悲喜劇】に終わらせないために作家たちの苦労はあるのだろうし、それゆえに新選組をめぐる物語は面白くもある。

 三谷ドラマは総じて視聴率は悪く、しかし最終回近くに一気に駆け上るのが恒例になっている。驚きなのは9月の時点であの遅筆作家が脱稿していることだが、やはり最終回は近藤の処刑シーンになるんだろうか。

 個人的には、五稜郭の土方(いいぞ山本耕史!)の最期まで見届けたいものだ。だってさー、香取慎吾には悪いけれど、近藤勇ってどう考えてもただのぼんくらで、新選組はやっぱり土方のもんじゃないか?

第三話へ続く!

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