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YouTube: ポケットミュージック/山下達郎
PART1はこちら。
さて、正規雇用されている人たちのなかには、新卒からそのまま山形県職員となっている人もいれば、(特に採用枠が小さかった若手に顕著なのですが)期限付きの経歴を持つ人も多いのが実情。後者の場合はその待遇の差を実感してきたはず。
ある研修会で、他県の臨時職員の実態を聞き、あまりの相似に驚いたことがあります。こんな調子でした。
◆3月末に任用の空白ができる。そのため
・夏のボーナスが満額出ない
・保険証が手もとにない期間が生じる
・年休が引き継がれない
◆年度末に人事のヒアリングがなされない
◆任用時に書面による勤務条件の明示がなされていない(労基法第15条に違反)
◆4月1日採用なのに5月の連休が終わってから辞令が渡される
◆児童・生徒数が減ったその日に任用切り(解雇予告は30日前になされなければならないので労基法第20条に違反)
◆その際に「自己都合」あつかいなので失業手当の額に影響
◆臨時教職員の代替がつかないため、一ヶ月以上休まざるを得ない場合、退職に追いこまれる
◆給料月額に上限がある。
……特にこの、いくら経験を積んでも特定の段階で昇給しなくなる問題は深刻です。山形県でも、年間の発令が11ヶ月以上の場合は1級69号。それ以下の場合は1級49号が上限。これは、いくらなんでも失礼な話です。以下次号。
本日の一曲は、人によって好みはあるだろうけれど、わたしの山下達郎ベスト「ポケット・ミュージック」。まだパソコンが88の時代にデジタルに取り組んだマニアならではの一作。歌い上げる達郎よりも、こんなミディアムバラードの方がオレは好きかな。
PART.につづく。
高速までつかって時間をつくり、山形の桂林でエビラーメン大盛り。
会議を終えて旧平田町の尾浦でこってり味噌ラーメン。
まあ、評価はいろいろあるけれど、わたしの血液は一日でドロドロになったことと思う。
むかしラーメンとん太の本部に勤めているクラスメイトから
「お前な、一日に三食ラーメンを食べることがいかにつらいか考えて見ろ」
と嘆じられたけど、二食ならオレは全然オッケーかな。
いまちょっと胸焼けするけど。
近ごろ何を書いても読者をねじふせる、怒濤の勢いのドン・ウィンズロウ。まさか覆面作家トレヴェニアンの「シブミ」の前日譚まで書いているとは。
でもトレヴェニアンって知らない人多いよね。この人はわたしの世代にとってはクリント・イーストウッドの「アイガー・サンクション」の原作者、というより宝島の「このミステリーがすごい!」一発目のベストワン「夢果つる街」の作者なんです。思えば地味な一冊からこのミスは始まったんだなあ。
で、三十年も前にベストセラーになった「シブミ」とはどんなミステリだったかというと……えーとね、やたらに洞窟をめぐっていたことしかおぼえていません。八つ墓村かよ。
やたらに日本人的な禅問答が多かったかも。
その、日本人以上に日本人的な暗殺者ニコライ・ヘルの若き頃。罠を仕掛ける方も周到だけれど、ニコライも若いのでピンチの連続。でも、囲碁の名人らしいモノローグが始まると「うん、こりゃだいじょうぶ」と安心できます。その展開で失敗はないだろうと……おおおおそうきたかあ。
キャラの一人ひとりが魅力的。特に娼婦的生き方を(あらゆる意味で)強いられたソランジュという女性がすばらしい。
ニール・ケアリーが主人公のストリート・キッズのシリーズも魅力的だったけれど、ニコライ・ヘルも負けずにいいぞ。天国でトレヴェニアンも合格点を出しているはず。もういっちょ、お願いします。
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Vol.44「攻撃命令」はこちら。
原題のTHE CONSPIRATORSは、策士とか、食わせ者という意味。複数形になっているのは、犯人と同時に、コロンボもまた食わせ者のひとりであることを強調しているのだろう。邦題に「結末」がついているのは、いわゆるコロンボの旧シリーズがここで完結しているから。
最終話だけに、やけにスケールの大きな話になっている。犯人はなんと詩人(クライブ・レビル)……とみえてその実体はアイルランドの過激派。裏切者を処刑したことで武器調達に詩人本人がかかわることになる。
アイリッシュが犯人なので、いかにもなセーターやブレザーがおしゃれ。アイリッシュパブもいい感じだ。だからおよそロスが舞台とは思えない(笑)。逆に、武器の密売人が過剰にヤンキーなのもみごとな計算。
被害者のそばに落ちていたボトルの位置、犯人のダイヤの指輪によってつけられるウィスキーボトルの傷、武器を故国に送るためにしかけたトリック……ことごとくコロンボによって謎があばかれるのだけれど、そのことに犯人は落胆しない。むしろ、好敵手の出現を喜んでいるかのよう。
そうなの。これはいわゆる名探偵VS名犯人の回。常にユーモアを失わず、しかし激情を内に秘める男ふたり。コロンボと犯人のかけあいは
「人にはふさわしき贈り物を」
「シン・フェイン(われらのみ)」
などの名セリフが楽しい。
そして最後に
「ここまで、ここを過ぎず」
これ以上飲まないようにとのボトルの傷を説明することばであると同時に、長大なシリーズの幕引きの意味もこめている。でもやっぱりアイリッシュウィスキーはおいしいので新シリーズも開始することになる。だいぶ、時間はあいたけれども。
ということで新シリーズのレンタル開始まで、「刑事コロンボを全部観る」もしばらくお休みです。お暇な方はVol.1から読み返してみてね。
ストックホルム郊外に母親と2人で暮らす12歳の少年オスカーは苦痛に満ちた毎日を送っていた。学校で陰湿な苛めにあっているのに誰も気づかない。それほど孤独だった。ある日、隣に謎めいた少女エリが越してくる。「君の友だちにはなれない」といきなり告げるエリだったが、毎晩のように中庭で顔を合わせ、寝室の壁越しにモールス信号を送り合うようになる。その頃、町では猟奇的な殺人事件が起きていた。
このスウェーデン作品のリメイクがクロエ・グレース・モレッツの「モールス」であることも知りませんでした。そちらも(せっかく鶴岡まちキネが上映してくれたのに)見逃してしまったので、作品のキモを知らないままで鑑賞。
あら。
そうだったんですか。こういう映画だったのかあ……と絶句。あのジャンルの約束事はきちんと守られているし、そのルール破りをすると、エリの……いかんいかん、どうしてもネタバレになってしまう。
主人公の少年が(北欧らしく)透きとおるような白い肌と銀髪。謎の少女エリが黒髪という対照は、この作品にちょっとしたトラップ(ある高名な作品と同様の)が仕掛けられていることと、きっと無関係ではないんだと思う。
ただし、日本では“その部分”を露骨に描写できないので、トラップが有効だったかは微妙なところ。どのような形で『継承』が行われたかを観客に納得させるためにはどうしても必要な場面だったはずだが。このあたり「モールス」は、そしてクロエ・グレース・モレッツはどう処理したのだろう。
しかしそこを抜きにしても魅力的な映画であることは確かなのでぜひレンタルを。観た人となら、ネタバレ全開で語ることができるので楽しみです。
生き残るために“星人”を殺し、次のトライアルにまた参加する……要するにこれってゲームの具現化。ゲーム以上にゲーム。自分だけは必ず生き残るという能天気な思い込みはやはりゲーマーのものか。
ヤングジャンプでたまに見かけたときは、どこまで人が死ぬマンガなのかと思っていたけれど、こんな仕掛けがあったのかと納得。とても面白かったっす。
仁王像や千手観音の動きも自然で、「大魔神」から幾星霜、日本の特撮もいい感じで発達しているんだなあ。
きついお話だし、二宮和也と松山ケンイチは向こう側へ行っちゃいそうなキャラだから、吉高由里子と夏菜の女性キャラが救いにもなっている。個人的には伊藤歩がツボです。ということで画像は彼女のものしか載せておりません(きっぱり)。
「二十世紀少年」の成功があったおかげで、荒唐無稽な設定にビッグバジェットをぶちこむ作品が成立できたわけだ。次に日テレと東宝がしかけてくるのは何かなあ。え、「進撃の巨人」?ほー。しかも中島哲也で?ほぉおおおおお。え、日テレはかんでないの?
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YouTube: 吉田美奈子- BEAUTY
今年もやってきました憂鬱な季節。扶養の確認です。同居している家族の書類をとるのもめんどくさいというのに、ましてや別居している人の分まで……とお嘆きのあなたに事務職員からひとこと。
集める方はもっとめんどくさいんだっ!
何年か前にやはり学校事務をやっていた相方は
「あの事務はねえ……ほんと嫌なんですよねぇ」
と嘆いています。なぜなら、知りたくもない職員のプライバシーにかかわらざるを得ないし、手当や医療費の返納ということになったらどうしよう、とやけに心配。
まあ、この手当は職員の側が雇用主に“申告して受け取る”ことが建前なので、どうしたってやらなければならない事務。気が重いのはお互いさまです。ご協力をお願いします。
去年まではカチッとした事務連絡で提出すべき書類を提示してきましたが、毎年毎年壮絶に書類もれが。ということで今年からは噛んで含めるような提出書類一覧を個人ごとにおあげすることにしました。学区の学校事務連携の会でみんな
「結局ね、それしかないのよ……」
とつぶやいていましたし、わたしも賛同します。
7月30日(月)まで、事務室に提出のことっ。
※先日、仙台で生まれて初めてプロ野球を観戦してきたのですが(この忙しいのにそんなことをしているから書類の提示が遅れてしまいました。すみません)、やはりライブでないとわからない楽しみってありますね。観客のヤジもそのひとつ。
「田中ぁ!がんばれよっ。ウチでまいちゃんが待ってるぞ!」
日本の正しいサラリーマンを見た思いです。
本日の一曲は吉田美奈子。CMのときは意識していなかったなあ「Beauty」
安閑としていたら畑の奥の方から
「ボタッ」
という音がする。梅の実が落ちているのだ。そういえば杏の実はそのほとんどを捨てたんだっけ。でも梅の実は今までだってそんなに有効活用は……
「なに言ってるの。梅干しをつくるわ」
へー、奥さんモチベーション高いっすね。あ、思い出した。週にいっぺんやってくる講師が
「おれ、梅酒つくりたいんだよ。あるんならくれ」
と言ってたっけ。ということでせっせと収穫。30分ほどでコンテナ一杯とれる。
学校に持って行ったら、事務室に来た同僚が
「あたしもつくるのよ!わざわざ櫛引まで買いに行ってるのよ」
相方も
「実はわたしもつくります」
ということなので配りまくり。世の中にはこんなに梅酒ガールズが多いのかと学習。わたくし、彼女たちを内心で「チョーヤ娘」と呼んでおります。
Vol.43「秒読みの殺人」はこちら。
トリックは、ドラマ的にはシンプルなもの。ペットであるドーベルマンに、ある方法で攻撃命令をくだし、妻の不倫相手をかみ殺させる。それだけ。
ひねりがあるとすれば、その命令が映画ファンにおなじみな言葉だったことか。キーとなるその言葉を被害者に話させるために、犯行現場には数多くの映画的ギミックが用意してある。
その言葉とは「バラのつぼみ」rosebud。
ご存じ「市民ケーン」における、臨終のつぶやきだ。意味するところはラストシーンでようやく明らかになる。幼少期に彼が親しんだ雪ぞりに刻まれていたのである。エディプスコンプレックスの象徴ね。
犯人の心理学者(ニコル・ウィリアムスン)は電話のベルに犬が反応するようにしつけ、受話器にむかって「バラのつぼみ」と話した人間を攻撃する。現場は犯人の自宅。その雪ぞりはもちろん、W.C.フィールズのビリヤード台などが置いてある。ひょっとしたら全部本物かも。
映画ギミックはそれにとどまらず、殺人犬の名がローレル&ハーディだし、原題のHow to Dial a Murderは、やはり浮気がキーワードの「ダイヤルMを廻せ!」Dial M for Murderのもじりなので徹底している。
にしても危うい計画だ。犬を信頼するのはいいとしても、被害者がなんらかの自衛手段をとることだって考えられたはず。また、犯行時刻に殺人現場にかかってきた電話の通話記録をLAPDはチェックしないのかしら。犬を殺人の手段として使い捨てにする犯人の非情さと、この間抜けさとの同居がどうもね。
コロンボの見せ場は、西部劇のセットを訪れるあたり。タンブルウィードが転がるなかをレインコート姿の中年刑事が歩く設定は笑えます。
犯人と同居する女性を演じたのはなんと「Sex And The City」「ゴーストライター」のキム・キャトラル。言われなきゃ絶対にわかりません。
Vol.45「策謀の結末」につづく。