事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

「レジェンド・オブ・フォール/果てしなき想い」Legends of the Fall(1994 トライスター)

2024-12-14 | 洋画

「テルマ&ルイーズ」で注目され、ロバート・レッドフォード監督作「リバー・ランズ・スルー・イット」でスターになったブラッド・ピット。この作品はその演技力が認められた作品。

監督は「ラストサムライ」のエドワード・ズウィック。大自然のなかで、ちょっとすねている息子、という設定は「リバー・ランズ・スルー・イット」とほぼ同様だ。父親役はアンソニー・ホプキンス。兄はあの「E.T.」の少年、ヘンリー・トーマスです。どう考えても「エデンの東」への返歌。

よく考えれば(考えなくても)暗いお話ではあるのだが、ブラピのキャラのおかげでしみじみといい気分で見終えることができる。

「私は神と人間のルールに従ってきた。お前は何事にも従わなかったが、皆はお前を愛した」

という兄の言葉を完全に体現しています。やっぱりブラッド・ピットはいい。

いろんなことがあったようで、エドワード・ズウィックとブラッド・ピットは二度とコンビを組むことはありませんでした。

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「VIVANT」(2023 TBS)

2024-12-13 | テレビ番組

広大なモンゴルの平原からドラマがスタート。おお、金かかってるぞ。日本のパートが半沢直樹的になるので、そういうドラマなのかと思ったら……

ストーリーはいかにも海外ドラマを意識してスピード感があるし、なによりキャストがすごい。堺雅人、阿部寛、二階堂ふみ、松坂桃李、キムラ緑子、役所広司……二宮和也が出るとは事前にアナウンスもしなかったとか。おまけにナレーターに林原めぐみを起用する豪華さ。

思ったほどの視聴率はあげられなかったようだけれども、これだけぜいたくなドラマづくりをさせてもらえたのだから、演出の福澤克雄へのやっかみもあって業界の人たちはみんな見てたんじゃないかな。

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「僕たちの保存」長嶋有著 文藝春秋

2024-12-13 | 本と雑誌

遺品としてのMSXパソコンをスタートに、決して最先端とはいえないデバイスにこだわりつづける男たち……

長嶋有の文体は例によってすべて現在進行形であり、どこを切り取っても詩になっている。ためいきが出るほど美しいロードノベル。

デジタルオタクではないわたしでも堪能させていただきました。タイトルも素敵。

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光る君へ 第47回「哀しくとも」

2024-12-13 | 大河ドラマ

第46回「刀伊の入寇」はこちら

「私が気づいていないとでも思っていた?」

倫子(黒木華)の逆襲。予告編では道長(柄本佑)に向かって話しているように見せて、実はまひろ(吉高由里子)に向けての直球の発言だったのだ。本妻って怖い。

ここに来て黒木華の存在感が増している。耐える女のように演じてきたのが伏線になっていて、みごとな回収っぷり。

思えばこの人は、蒼井優のそっくりさんかと思っていたら、あの「小さいおうち」(山田洋次)の壮絶なオチに仰天させられ、「リップヴァンウィンクルの花嫁」(岩井俊二)では流されてばかりだったヒロインの強靭さをみごとに演じ、「せかいのおきく」(阪本順治)ではタイトルにこめられた世界観を体現してくれていた。すごい女優だな。しかも巨匠に使われまくり。

男優で光ったのがロバートの秋山竜次。演じた藤原実資は、このドラマでは時代の冷静な観察者という設定であり、その重要な役に秋山を抜擢したのは慧眼だ。彼の芸風は異様なテンションとシュールなギャグにあるわけで、だから意表をついたキャスティングだったわけだけれど、ドラマにきっちりはまっていた。

もうひとり、これはネットでも評判のようだけれども矢部太郎もよかった。オンエア1回目で惨殺されたまひろの母(国仲涼子)を守れなかった屈託を、この回の「(都に)帰りたい」の13連発は泣かせた。彼が帰りたい以上に、まひろをチアラップしたいわけだ。

秋山にしても、矢部にしても、コメディアンとはリズム感がいいのが絶対条件だから、いい役者になれる素質は十分。小林信彦は、コメディアンが性格俳優になるのを森繫症候群と呼んで嘆じたが、このふたりはまだまだ芸人として突っ走ってくれそうなので安心か。

そして来週はいよいよ最終回。わたしのまわりはコロナやインフルの患者でいっぱいだが、少なくとも日曜日までは感染しないようにしよう。

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明細書を見ろ!2024年12月児童手当号 12月10日

2024-12-12 | 明細書を見ろ!(事務だより)

2024年10月児童手当号はこちら

12月10日といえばボーナスの支給日。事務職員にとってもちょっとしたイベント。むかしは現金支給だったのでえらく苦労しました。まあ、そんなことでもなければ一千万円の札束を手にすることもなかったでしょうが。

てなことを考えているうちに、この日が児童手当の支給日になることをすっかり忘れていました。学校事務職員になって数十年、12月に児童手当が出るのは初の体験です。そう、偶数月支給の開始です。

うわ、額が減ってるじゃないか!

というつぶやきが聞こえてくるようですが、冷静になってください。これまでは4ヶ月分の支給を年3回でしたが、これからは2ヶ月分が6回に分けて支給されるのです。そして、これまでは支給対象外だった高校生世代の子どもにも手当が出ることになりました。

そうか、これからは毎年12月のボーナスと児童手当の支給日が一致するんだなあとしみじみ。
ということであなたへの今日の支給額は0,000円です。

画像は「こちらあみ子」(2022)
コミュニケーション能力に難がある少女あみ子。誕生日にトランシーバーをプレゼントされ、「こちらあみ子」と呼びかけるが反応がまったくないのがその象徴。一種の発達障害なのだろう。そんな彼女の“成長しない”物語。考えさせられます。キャストは、父親役が井浦新で母親役が尾野真千子という強力な布陣。

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明細書を見ろ!2024年12月期末勤勉手当号 2024年人事委員会勧告PART2&紙上初任者研修PART8

2024-12-10 | 明細書を見ろ!(事務だより)

紙上初任者研修PART7はこちら

さあボーナス。その額は、期末手当が給料の1.225月分、勤勉手当が1.000月分に“おおよそ”なっています。おおよそというのは、いろんな計算が付随しているから。

さて、人事委員会勧告をよく読むと、この期末勤勉手当を増額しようといういい話もあるのですが、おっとこれはどういうことなの、という部分もあります。

それは、寒冷地手当。庄内地方に勤務する職員のほとんどには支給されない(寒冷じゃないと判断されているわけだ)ので関係ないように見えますが、勧告にはこうあります。

寒冷地手当の月額を11.3%引き上げる。また、新たな気象データ(メッシュ平年値2020)に基づき支給地域等を改定するとともに、内閣総理大臣が定める官署に勤務する職員の寒冷地手当支給に係る職員の居住地に関する要件は廃止する。

わけわかんないでしょ。わたしが想像するに、この寒冷地手当を庄内地方でも受給している人もいて、この業界では、櫛引南小学校や鼠ヶ関小学校に勤務して、ここからがだいじなんですけど

「なおかつおおむねこの学校から1キロ以内に居住している」

職員にのみ支給されています。これはかなり高いハードルであることがわかります。実際に存在するんでしょうか。
今回、こんな勧告が出た以上、このハードルを撤廃するか、少なくとも低くする改定が行われるのではないでしょうか。ま、はっきりうちの学校に勤めている職員には関係のない話なんですけど。

画像は「不適切にもほどがある!」(TBS)
「ふてほど」が流行語大賞に選ばれる(わたしは聞いたことがないが)ほどの人気。徹底して「バック・トゥ・ザ・フューチャー」を意識したタイムスリップもの。現代にやってきた昭和野郎である阿部サダヲが、少年ジャンプを見て「あれ、シェイプアップ乱は?」というセリフに爆笑。そうか脚本の宮藤官九郎もあのギャグ漫画が好きだったのかー。

 

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今月の訃報2024年11月号PART3 火野正平 75歳没

2024-12-09 | 芸能ネタ

Ed Sheeran - Under the Tree (from “That Christmas”)

谷川俊太郎篇はこちら

新藤恵美、ホーン・ユキ、紀比呂子、りりぃ、西川峰子……プレイボーイであることは有名だけど、わたしが知っていたのは小鹿みきだけだ。

驚くべきは家族もふくめてそんな彼を(ほとんど)誰も悪く言わないでいることだ。真の遊び人とは、そんなものなのかもしれない。にしても、自転車って身体に悪いのかなあ。

谷川俊太郎については思い出すことがある。

高校1年のとき、担任の国語教師は掲載されていた哲学者の谷川徹三のことについて語った。

「(教科書の)後ろの方を見ろ。この人の息子がこっちに出てる谷川俊太郎だ」

わたしがそのときに何を感じたかといえば、うーんそれちょっとなあだった。

なんの係累ももたない人間には、文化的な部分では話にもなんにもなんないのかなと。

もちろんそれはある意味正しく、ある意味逆だったと知るのはずっとあとでした。

本日の1曲はエド・シーランのクリスマスソング「アンダー・ザ・トゥリー」

そうかもうクリスマスソングの季節なんだ、

中山美穂篇につづく

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「青姫」朝井まかて著 徳間書店

2024-12-09 | 本と雑誌

時は江戸時代初期。徳川幕府の中央集権体制がまだ盤石ではなかったころ、山あいに、住民たちの自治によって運営される郷があった。リーダーである青姫は、逃げ込んできた青年に、米の栽培を命じる。そこへある勢力が……ロシアのウクライナ侵攻以前に着手された物語。

朝井まかての新作は極めてまっとうな農業小説、米づくり小説でした。戦闘シーンと同じように農業パートも興奮させてくれる。すばらしい作品だった。わけわかんないながらやってたあの農作業に、こんな意味があったとはねえ。

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「冬季限定ボンボンショコラ事件」米澤穂信著 創元推理文庫

2024-12-08 | ミステリ

小市民シリーズ最新作。15年ぶりの長篇。これで季節はひとめぐり。「春季限定いちごタルト事件」から20年かあ。

今回は小鳩くんがクルマにひかれてしまう怒涛のオープニング。そして彼が中学生のときに、ある事情で小市民をめざすことになった経緯が語られる。

小鳩くんと小佐内さんの会話はいつものように緊張感をはらんでいてすばらしい。はたして大学生編に続くのだろうか。いずれにしても、小市民シリーズと古典部シリーズの両輪があるかぎり、米澤穂信の存在は絶対的だ。

 

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「ブラックペアン」(2018 TBS)

2024-12-06 | テレビ番組

先日オンエアされて高視聴率を獲得したシーズン2ではなく、いまごろシーズン1を見ています。

原作はチーム・バチスタの海堂尊なので、例によって架空の都市、桜宮市が舞台。東海大学医学部付属病院には「佐伯式」と呼ばれる心臓手術メソッドを持つ佐伯(内野聖陽)が君臨している。その部下に、傲慢ではあるが天才的な技術の持ち主、渡海(二宮和也)がいる。他に世良(竹内涼真)、高階(小泉孝太郎)らがいて、微妙な人間関係となっている。

ペアン(鉗子)がストーリーの中心にあって、最終話ですべての伏線が回収される。基本的に暗いお話なので、中和させるためか意外なキャストが多数用意されている。加藤綾子、加藤浩次、福澤朗……いちばん驚いたのはお天気キャスターの依田司さんの登場だ。お天気検定が始まるのかと思ってしまいました。

二宮和也の演技力に驚嘆。ふてくされた表情に終始し、恋愛要素もないのに見る側をまったく退屈させない。

演出はTBSのエース、福澤克雄など。シーズン2が作られるのも当然の出来。

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