保津川下りの船頭さん

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「京懐石・門」の店主西田氏、包丁道儀式にデビュー!

2006-07-01 12:00:33 | 素晴らしき仲間たち~
伝統を重んじる「日本料理」の世界には、古式ゆかりの
「料理型」を今に伝える奉納儀式がいくつかある。

皇室系の神宮などで、平安貴族の衣装を纏い包丁や獲物をさばく流儀型
は、TVニュースなどで紹介されることも多いので、ご覧になられた方も
多いのではないだろうか。

この度、我ら「男組」のメンバーである「京懐石・門」の店主
西田浩二氏が奈良市の漢国神社で行われた「日本包丁道・清和四条流」
の伝統儀式の一つ「鎮華三枝祭(はなしずめさきぐさまつり)式包丁奉納」
で儀式執行人の一人「添衣人(そいにん)」として伝統作法を披露した。

西田氏が門下に名をつらねる「日本包丁道・清和四条流」は
源頼朝や義経の先祖にあたる清和源氏の祖・清和天皇ゆかりの
流派で、平安の昔、代々天皇に料理を献上していた由緒正しき流派。

作法は素手を一切使わず、包丁と箸だけでまな板の大きな鯉をさばいていく。

儀式というものは、決められた型を一寸違わず演じなければならない。
しかも、平安の昔から伝わる古式ゆかしい儀式の上、
神の御前という厳かな空気が張り詰めるなかでの作法儀式だ。
演ずる者には相当のプレッシャーがかかるもの。

料理は一流でも演技となると初めての経験。

西田氏は京都太秦撮影所に足を運び直接、演技者に話を聞き、
時代劇の撮影現場を見学することでプロの演技を勉強した。

日本映画の発祥の地という伝統と誇りを持つ、太秦撮影所の演技は半端ではない。
間違ってもNG大賞なんて浮ついた雰囲気は一切ない。
演技者も撮影スタッフも真剣そのものだ。

その緊張感と集中力を肌で学んだ西田氏。
見学後、西田氏は
「水戸黄門の撮影に立ちあわせていただいて、助さん、格さんの
切れ味鋭いプロの演技を見せて頂いた。
その鋭い演技を見せる為、何度も何度も同じ動きを時間を掛けて
リハーサルされる姿に、演技も基本が大事なのだなと感じた。
また本番のブザーが鳴った瞬間の集中力は凄い!目が明らかに違う!
基本を大事にしその一瞬にかける集中力は料理の世界にも通ずるものがある。」
と演技と料理の共通点を見抜き、熱く語っていた。

「プロはプロを知る!」俳優でも料理人でも一芸を極めた人達だから
わかる世界がそこにあった。

この見学で儀式でのヒントを掴み奉納儀式の本番に臨んだ西田氏。

取材した亀岡市民新聞の竹内記者の記事によると
『ピーンと張り詰めた空気のなか、ダイナミックで切れのある丁寧な動き」
を披露し、関係者から高い評価を受けていた』(平成18年7月1日付)

何事にも真剣に取り組む西田氏の研究と努力は見事に花開く結果となった。

自らが生きる道「料理道・包丁道」を生涯賭けて極めんとする
若き本物の料理人・西田浩二。

この男の‘生きざま’がたまらなく好きだ!

我々「押忍!男組」はそんな彼をこれからも全面的に応援していく!

*西田氏は地元「保津川」の流れをイメージした料理を目下、構想中とか。
 「保津川」の流れ、船を意識した料理が亀岡から発信されるのは京料理界では
 初めての試みだ。発想力豊かな彼のプロデュースでどの様な料理が出来るか
 保津川で生きる者としてとても楽しみだ。