保津川下りの船頭さん

うわさの船頭「はっちん」が保津川下りの最新情報や、京都・亀岡の観光案内など、とっておきの情報をお届けします。

保津川を豪雨が襲う!

2006-07-16 18:12:39 | 船頭
昨夜の雷雨で船の出られる最高水量にまで増水していた今日の保津川。

濃い黄土色をした川の水がうねりを巻き流れる様は
まさに日本一の激流下りと呼ぶ相応しいものです。

そして!「夕立ち、三日!」やはりきました!雷雨が!

峡谷に広がり出す黒灰色の雲であたりは夕方の様に暗くなり、
川面がまくりあがるほどの強風が吹いていました。
すると!「ピカッ!」と大きいストロボをたいた様な稲光がしたと
思うと、「ベリべりベリ!ゴロゴロ!」と峡谷を揺らすくらいの
雷が鳴りました!
「ポタ、ポタ、ポタ」と大きな雨の粒が落ちてきたかと思うと、
一気に雨足が強くなりました。
瞬間!突風が吹き乱れ横殴りの激しい雨が私の船を直撃します。

私は操船の最高責任場所である舵を任されていましたが、
あまりにも激しい雨で視界を確保するのもままならない状態です。

最高水量時での嵐を思わす集中豪雨。
このような天候は船頭になって経験したことがない最悪の条件です。
こんな時の大自然は容赦がありません!

この条件下で安全に操船するには、船頭として持てる全筋力、全五感を
フル活動させ、気合を抜かず集中力を研ぎ澄ませることが必要です。。

そして決して自然に逆らわず、こちらが合わせて流させてもらうという
謙虚な気持ちが大事なのです。

正直、嵐山に着いた時は、一気に全身の力が抜けるほど安堵しました。

嵐山の着船場に着いた時、私達の後の船から運航中止なったことを聞きました。

どうやら私達の船が操船できるギリギリのラインで下っていたということか。
とりあえず無事に嵐山に着いてよかったです。


*今日の京都は祇園祭の宵山の日という事で、大勢のお客さんが
 保津川下りにお越し頂き、長時間お待ち頂いたにもかかわらず、
 急激な天候悪化の為、運航を途中運休しましたこと、
 営業サイドになり代わり心よりお詫び申し上げます。