保津川下りの船頭さん

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嵐山大悲閣・千光寺で400周年記念法要を開催中

2006-07-14 21:02:36 | 京都情報
‘花の山 二町のぼれば 大悲閣’
と俳人・松尾芭蕉の句にも登場する「嵐山大悲閣・千光寺」は
保津川下りの生みの親・角倉了以翁が保津川開削工事で
犠牲になった人達の菩提を弔うために建立した禅寺です。

この大悲閣はもともと嵯峨釈迦堂で有名な清涼寺の西にあった
千光寺を了以が渡月橋約1キロ先の嵐山中腹に移して創建したものです。

先の松尾芭蕉のほか夏目漱石や谷崎潤一郎も訪れ、最近では
司馬遼太郎が「街道をゆく」でも紹介している嵐山の隠れた名所です。

その大悲閣で、角倉了以翁の命日7月12日から16日まで
保津川開削400周年を記念した特別法要と展示会を開催されている。

私達保津川遊船企業組合(400年委員会主催)も船頭を対象に、
13、14日の二日にわたり400年記念参拝企画し、
法要を含めた展示見学をさせていただきました。


渡月橋から大悲閣までは、嵐山温泉・嵐峡館さんのご好意により
同館送迎船に乗船させて頂いて、参道入り口まで送って頂きました。

しばし旅行気分の参拝者たち。


入り口には「角倉了以・保津川開通400周年」の垂れ幕が。
左へ行けば「大悲閣」への参道、右に行けば嵐峡館です。

大悲閣は山の中腹に建っている寺なので、しばらく
つづら折りの石段を登って行かねばなりません。

キツイ坂を登りきり、大悲閣千光字に辿り着く。了以像が見守る客殿(月見台)。
今は本堂が暴風雨の時に全壊し、ここが本堂代わりです。

法衣姿の木像の了以像の手には保津川を開削した象徴としてツルハシが
しっかりと握り絞められています。

眼光鋭く口を「への字」に絞めいる了以像から、悲願であった
保津川水運事業への激しい情熱と開削工事に協力し命を落とした
多くの名も無き人たちへの真剣な追悼の意志が強く感じられる。

改めてそのような多くの名も無き人達の尊い犠牲の上に、
今の保津川下りが誕生し、私達の生活を今も支えていると
思うと心を突き刺す様な感慨がこみ上げる。


大悲閣という名は、観世音菩薩を安置する山の上の観音堂のことで、
「大悲」とは仏教の慈悲の「悲」から取られているそうです。
「全ての苦しみを抜いてやりたい」という、やさしい慈悲の
心が右に左にと別れて、痛く悲しくどうにかしてやりたい
と思う心だと和尚さんから教えてもらいました。
本尊は千手観世音菩薩で、了以の念持仏だった。
今ではその千手観世音菩薩を守る本堂は、暴風雨によって全壊し
横に仮本堂が建てられているのみです。

観光地・嵐山にありあまりにも観光とかけ離れた静寂感漂う山寺・大悲閣。
比叡山、大文字東山三十六峰を向こうに望み京都市内を一望できる絶景な景色と
自然の静寂に包まれた環境を求められる方には最高の穴場かもしれないです。

大悲閣 千光寺 (だいひかく せんこうじ)
住所 京都市西京区嵐山中尾下町62
電話番号 075-861-2913
交通案内 JR「嵯峨嵐山」駅 徒歩40分
阪急「嵐山]駅 徒歩30分
嵐山通船の渡し舟右岸着から徒歩10分
駐車場情報 なし
拝観・開館時間 9:00 - 17:00
休日・休館 年中無休
料金 大人 400円
予約方法 坐禅(含・法話)電話にて