「このあたりでビーバーを見ませんでしたか?」
私達の船が嵐山の千鳥ヶ淵付近に差し掛かった時である。
川岸から突然、大きな声で問い掛ける女性の声が。
手には手書きで書いたような「ビーバー」の絵を持っている。
女性の後ろには大きなテレビカメラを抱えている男性の姿も。
どうやらどこかのテレビ局の取材らしい。
ビーバー???
年間400回近くこの嵐山・大堰川を通過している私達船頭でも
「ビーバー」という生き物には遭遇したことがない。
私達は手を横に振り「見たことはない」との合図を送る。
「そうですか・・・」とその女性は残念そうに会釈をして上流へと歩いて行かれた。
それから2日後の昨日、夕方の情報番組「ムーブ」を見ていると
「嵐山でビーバーを目撃?」という字幕がテレビ画面いっぱいに
映し出された。
どうやらあの日の取材は、この番組の企画だったのか。
番組では視聴者から送られてくる疑問を追跡し、謎解きをするコーナーが
あるらしく、今回は最近嵐山でよく目撃されると噂があるビーバーを
探して、その存在を確認するというものらしい。
丸一日張り付いてやっとカメラは噂のビーバー?を撮影する事に成功した。
その生き物はこげ茶色の体毛に小さく丸い目、前歯が口から出て泳ぐ
姿はまさにビーバーにそっくり。だが、ビーバーと呼ぶには少し小さすぎる。
そう、ビーバーと噂されていた生き物の正体はヌートリアだったのだ。
ヌートリアについてはこのブログでも数回紹介したことがあるが、
愛くるしく泳ぐ姿が人気の「保津川下りのアイドル」だ。
ヌートリアは本来、南米に生息する生き物だったが、その毛皮が防水防寒性に
優れていた為、1930年頃から軍用服の毛皮獣として輸入され
飼育されるようになったが、、第二次世界大戦後は毛皮の需要が減少し、
やがて飼育家からも見捨てられ河川に放されたのだ。
保津川上流や嵐山には10年前頃からよく目撃するようになった。
保津川のヌートリアについては以前、私がこのブログに書いた記事のことで
某大手新聞の記者から電話が掛かってきたことがある。
その記者さん「あなたの記事では『ヌートリアが保津川にも生息している』と
書かれておられますが本当ですか?学会では『保津川峡谷には生息していない』
と先生方は仰られてますが・・・」とその存在について質問してきた。
といわれても、何回もこの目で見ているので否定されてもどうしようもない。
「疑われるのなら一度、調べに来て下さい」と言って電話を切った。
後日またその記者さんから電話があり「学会ではヌートリアは生態系を乱し、
災害を引き起こす原因となるので全て駆除べし!という意見が支配的なのですが、
あなたはどう様に思われますか?」という質問を受けた。
強い繁殖力を持ち、爆発的に繁殖を続け生態系と災害を起こすヌートリア。
「ムーブ」でもその問題に焦点が当てられていた。
また、京都府では昨年施行された「特定外来生物被害防止法」を受け、指定された
ヌートリアなど害獣についての本格的な生息状況調査に乗り出し、今後の対策
を検討するという。
人間の生命・安全に悪い影響を及ぼす外来生物について
ただ単純に「駆除には反対!」とは言い切れない私ではあるが、
あの可愛い愛嬌を振りまくヌートリアの姿を見るたびに
なんともやり切れない気持ちになる。
今後、ヌートリアの背負わされるであろう悲しい運命を
思うたびに、人間が行ってきた罪の深さを感じずにはいられない。
私達の船が嵐山の千鳥ヶ淵付近に差し掛かった時である。
川岸から突然、大きな声で問い掛ける女性の声が。
手には手書きで書いたような「ビーバー」の絵を持っている。
女性の後ろには大きなテレビカメラを抱えている男性の姿も。
どうやらどこかのテレビ局の取材らしい。
ビーバー???
年間400回近くこの嵐山・大堰川を通過している私達船頭でも
「ビーバー」という生き物には遭遇したことがない。
私達は手を横に振り「見たことはない」との合図を送る。
「そうですか・・・」とその女性は残念そうに会釈をして上流へと歩いて行かれた。
それから2日後の昨日、夕方の情報番組「ムーブ」を見ていると
「嵐山でビーバーを目撃?」という字幕がテレビ画面いっぱいに
映し出された。
どうやらあの日の取材は、この番組の企画だったのか。
番組では視聴者から送られてくる疑問を追跡し、謎解きをするコーナーが
あるらしく、今回は最近嵐山でよく目撃されると噂があるビーバーを
探して、その存在を確認するというものらしい。
丸一日張り付いてやっとカメラは噂のビーバー?を撮影する事に成功した。
その生き物はこげ茶色の体毛に小さく丸い目、前歯が口から出て泳ぐ
姿はまさにビーバーにそっくり。だが、ビーバーと呼ぶには少し小さすぎる。
そう、ビーバーと噂されていた生き物の正体はヌートリアだったのだ。
ヌートリアについてはこのブログでも数回紹介したことがあるが、
愛くるしく泳ぐ姿が人気の「保津川下りのアイドル」だ。
ヌートリアは本来、南米に生息する生き物だったが、その毛皮が防水防寒性に
優れていた為、1930年頃から軍用服の毛皮獣として輸入され
飼育されるようになったが、、第二次世界大戦後は毛皮の需要が減少し、
やがて飼育家からも見捨てられ河川に放されたのだ。
保津川上流や嵐山には10年前頃からよく目撃するようになった。
保津川のヌートリアについては以前、私がこのブログに書いた記事のことで
某大手新聞の記者から電話が掛かってきたことがある。
その記者さん「あなたの記事では『ヌートリアが保津川にも生息している』と
書かれておられますが本当ですか?学会では『保津川峡谷には生息していない』
と先生方は仰られてますが・・・」とその存在について質問してきた。
といわれても、何回もこの目で見ているので否定されてもどうしようもない。
「疑われるのなら一度、調べに来て下さい」と言って電話を切った。
後日またその記者さんから電話があり「学会ではヌートリアは生態系を乱し、
災害を引き起こす原因となるので全て駆除べし!という意見が支配的なのですが、
あなたはどう様に思われますか?」という質問を受けた。
強い繁殖力を持ち、爆発的に繁殖を続け生態系と災害を起こすヌートリア。
「ムーブ」でもその問題に焦点が当てられていた。
また、京都府では昨年施行された「特定外来生物被害防止法」を受け、指定された
ヌートリアなど害獣についての本格的な生息状況調査に乗り出し、今後の対策
を検討するという。
人間の生命・安全に悪い影響を及ぼす外来生物について
ただ単純に「駆除には反対!」とは言い切れない私ではあるが、
あの可愛い愛嬌を振りまくヌートリアの姿を見るたびに
なんともやり切れない気持ちになる。
今後、ヌートリアの背負わされるであろう悲しい運命を
思うたびに、人間が行ってきた罪の深さを感じずにはいられない。