散歩日記X

札幌を中心に活動しています。食べ歩き・飲み歩き・ギャラリー巡り・読書の記録など

新春小樽へ(5)

2016年01月10日 20時06分20秒 | 飲み歩き・北海道内
小樽の締めは、もうこの店しか考えられなくなっているバー「A」へ。途中の小路の階段が雪に埋もれていて危ない。



店に入ると今日は(も)一番目の客になってしまった。早速、マスターにご挨拶して、ジンフィズをいただく。通しはちょっと控えめにチーズを出してもらった。

 

2杯目は今年のテーマ酒、ミントリキュールを使ったモッキンバード。すっきりした味。



3杯目はカクテルブックからパリジャン。カシスリキュールが飲みたくなったのか?



最後はガツンとくるレディーズカクテル。これでもうふらふら。



この店、カウンターの奥(右側)が少し出っ張っているのだが、何と昔は地下にも店があり、そこへの階段があるらしい。確かにあとで外から見ると、入り口(シャッターが閉まっていたが)があるようだった。

また、テーブル席の奥も少し出ているのだが、ここは地下の店のトイレ空間につながっているのだそうだ。昔、改築しようと大工さんが穴をあけてしまったら、地下のトイレにつながり、大変なことになったらしい(見ようと思えば見えたのだとか)。

まだまだ知らないことが沢山あるのだろうな。この店も50周年まで、後3カ月を切ったところである。



4杯飲んで、意外と時間が早かったが、そろそろ札幌に帰ろう。店を出ると、ちょうどママが来店したところで、年始の挨拶をした。バスはさほど待たずにやってきたので、助かった。


新春小樽へ(4)

2016年01月10日 18時33分26秒 | 飲み歩き・北海道内
再び、花園方面へ。アーケードの下とは言え、小樽は寒い。但し、次に見かけた温度計では-2℃だったので、適当かも。



今回は久しぶりに郷土料理の「O」へ。店に入ると時間が早いせいか、最初の客になってしまった。

1品目はガラスケースの中の品ぞろえを見ると食べたくなる、刺身盛り合わせ。今日はカンパチ、マグロ、ホタテ、赤貝、ホッキ、イカ、ゲソ、ボタンエビの8品盛り。いずれも新鮮、なかなか良かった。



続いて銀鱈かま焼きを注文。「少し時間がかかります」ということで、店の人が「観光ですか?」と話しかけてきた。さすがに無言の男にカウンターに座られると不気味なのだろう。「札幌の西のほうに住んでいるので、バスであっという間です」と時々小樽に来ることなどを話した。これで、少しは私の怪しい度合いも減ったであろう。

ここで銀鱈登場。「今日は少しサイズが小さくて」と店主は申し訳なさそうだったが、小食の私にはこれがいい。



いい味がしみ込んでいる上に、骨ぎわとあってやたらに旨い。あっという間にしゃぶりつくすように食べてしまった。今日のおすすめは鰤かま焼きだったが、以前に食べたことがある(煮付けだったが)ので、こちらで正解だったと思う。

最後は締めの鉄火巻。マグロがはみ出んばかりで素晴らしい。



燗酒を2本飲み、ほろ酔いな感じになる。2階で宴会も始まるようだし、ちょうどよいところではあるまいか。


閉店216

2016年01月10日 16時42分16秒 | 写真館
小樽の閉店シリーズ。

まず最初は、驚異のハードル高さ、私も入ったことがない「MST」。噂通り、閉店の模様。



小樽駅前通りにあったしゃぶしゃぶ・鍋物・すき焼きの「S」が閉店。



店は移転しつつ、花園で42年。昨年の4月末に閉店した模様。マスターが深夜営業が辛くなったそうである。



同じく花園のスナック「K」。こちらも閉店。閉店のお知らせを撮影し忘れたので、詳細は不明。


新春小樽へ(2)

2016年01月10日 15時54分00秒 | ART
小樽の商店街。日曜日とはいえ、3連休の中日なのである。あちらこちらで海外から来たらしい人たちの声は聞こえるものの、このアーケード街は閑散とした感じがする。



まずは小樽美術館・文学館へ。



1階の中村善策記念ホール「中村善策と小樽」から見る。多分、今回の展示は見ているような気がするのだが、「小樽風景」という初期作品が面白かった。植物の形を単純化して描き、何となくセザンヌの味わいがある作品なのだ。ここに中村善策と小林多喜二の交友についての記載があった。貧乏だった中村に、多喜二が心配して妹にパンを届けさせていたのだとか。イメージとしては多喜二のほうが貧乏なので、意外な感じがした。

3階の「幻視者・一原有徳の世界6」(これも多分見ている)を経由し、小樽文学館へ。「暮らしと文学〈あのころの小樽〉展1 夜更かしする文学青年の時代」が開催中なのである。



そもそも文学青年というのが生まれ、一晩中作品を書いたり悩んだりできるようになったのも、電燈が一般に普及してからの事というのが「ごあいさつ」の文章に書かれていた。確かに今でこそ当たり前だが、電燈というのは画期的な発明であるのだろう。

そしてまた、夜汽車というものも生まれ、汽車は読書空間になっていき、そのニーズのために文庫本が生まれたというのも興味深い話だ。私は割と電車でスマホなどを見ている人に対して文句を言わないのだが(歩きスマホなど他人に迷惑をかける場合は別だ)、電車内の読書は割と最近の習慣であり、おそらく昔は「こんな所で本を読むとは!」と、知識人がお怒りだった時代もあるのではないかと想像していたからだ。

文学館内の汽車再現コーナーでも車窓は夜の状態になっている。



次の展示は左が灯油ランプ(を再現した電気のランプ)、右がカーボン電球による照明再現である。



これは「文明キター!」という感じがしたのだと思う。

ここで、コーヒー休憩。比較的最近の本「学校内カースト」を読む。

 

続いて、小樽美術館「水彩画家 白江正夫遺作展 さいはての風景へ」を見る。



「波止場風景」:船と空と雲を見上げるように描いた作品。色彩が明るく、ラテン系の味わいがある。
「翔」:湿原のトドワラを描いた作品なのだが、緑の炎のようにも、回転するつむじ風のようにも見える、心象風景作品。
「稲穂1丁目」:稲穂湯、床屋、鳥獣店と店が並んだ、昔をほうふつとさせる作品。

「赤い木」:岬を訪れた男の前には、赤い木とデフォルメされた赤い太陽があった。
「緑陽」「赤陽」:彼の作品には小さな太陽が描かれていることが多い。北国だからこそ、光の弱い太陽であっても、それを求めるのだろう。

小樽の雪はやはり札幌よりは多いようだ。


新春小樽へ(1)

2016年01月10日 13時18分09秒 | 食べ歩き
昨日の酒のダメージが意外と深く、7時半に目覚めたものの、出かける気力が湧かない。何とか多少の用事を済ませて、昼過ぎに外出。昨日、札幌のギャラリーは概ね巡ったので、今日は小樽にでも行くとするか。

西区役所前から高速バスに乗り込むと、ほんの少し西に移動した時点で、雪が降ってきた。この先大丈夫なのだろうか?



バスの中では多少うとうとしているうちに、小樽到着。高速は速度規制がかかっていたそうだが、いずれにせよ小樽は近い。早速、昼食ということで、長崎屋ビルの地下、「RB」に入る。

ニシン蕎麦、カレー南などに心惹かれつつも、天南とじ蕎麦を選択。海老天1本とネギが入り、それを卵とじにしたという蕎麦である。



衣が溶けすぎないうちにまずは天ぷらから。おお、揚げたてかな? カリッとした食感が残っていて、エビもプリッとしている。卵とじの部分はもう少しゆるめでもいい気がするが、次第にはがれる天ぷらの衣とともに、そば汁の受け皿としてはいい感じだ。蕎麦自体は白く細いもので、温かい汁に入っていると、もうなすがままという感じ。あまり蕎麦らしい感じはしない。

途中で一味唐辛子を投入し、汗を少しかきながら食べ終えた。

まさに昔ながらの蕎麦屋さん。振り返ると、さっきまでいた客は誰もいなくなっていた。


20160109ギャラリー巡り

2016年01月10日 09時25分36秒 | ART
今年初めてのちゃんとしたギャラリー巡りに出る。近美→資料館→市民→クラーク→ARTスペース201→三越→アリアンス→富士フイルム→道新→たぴお→大同→大丸→ミヤシタ→レタラの14か所。

■北海道立近代美術館「アートで発見HOKKAIDO」。近美所蔵作品だけの出品だったが、見たことのない作品もあり、それなりに楽しめた。
菅原翠洲「定山渓」:何となく、「定山渓」の風景が掛け軸になっていることの不思議さを感じる。
川上澄生「樽前山秋景」:小さい木版画なのに、そこには雄大な光景がある。
国松登「阿寒帯-浮沈」:「浮沈」しているのはマリモのこと。初めて見る作品かも。

田辺三重松「雪の狩勝峠」:手前の景色をぐっと近く、遠景は小さく描かれており、白が主体の色彩は田辺にしては珍しい。どちらかというと、小川原修の作品を思い出した。
北窯「手宮古代文字茶器セット」:現在では古代文字ではなく、「絵」だというのが一般的な説らしい。この作品には「蝦夷古代文字」と文字が入れられている。

北岡文雄「サイロのある農家」:緑に近い空に雲が浮かんでいる。赤いレンガのサイロが対比されるように描かれ、実にいい作品。
北岡文雄「海の見える農場」:海は主題ではなく、海に面した雄大な丘がメインで描かれている。やっぱり北岡文雄、いいわ。



■同「『さとぽろ』とその時代」。挿絵をのんびりとみていくと、結構楽しいかと。



■札幌市民ギャラリー「第46回北海道教職員美術展」。
村上こずえ「輪廻」:細かい点と線による、面白い絵画。
伊藤貴美子「MOKU-ひかり-」:絵の前に来るまで気が付いていなかったので驚いた。「特選」おめでとうございます!! 作品は光と影の対比、泡やベールのような質感。志(こころざし)と技術が結集した作品だと思う。
山本敏雄「寸景」:繁華街に3億円事件の犯人のモンタージュ写真パネルを立てたところを撮影。昭和は遠くなりにけり…

■クラークギャラリー「WHITE COLLECTION3 澁谷俊彦インスタレーション2016」。タンポポの綿毛などを小さな箱に閉じ込めた、冬の植物図鑑という感じの展覧会。作者得意の色を塗った面からの自然な反射による色彩の変化も見どころ。

■ART-SPACE201「札幌国際情報高等学校 美術部展」。大したことないだろうなあ、と軽い気持ちで行ったら、かなり上手い人が多かった。失礼。
吉田夢生「verdure」:森の奥を描いた作品。油彩でありながら、どこか日本画を思わせる技巧がある。
斎藤和奏「閑散」:小さな中庭をコンパクトに切り取ったのだが、落ちているのはタバコだろうか。現実感があったほうが良かったのか?
坂本芽衣「登竜門」:夕暮れの波打ち際。「トプリ」と波が揺蕩う表現が上手い。

田中歩波「散歩」:近景の歩道の縁から、遠くまでの景色の対比がいい。
首藤愉珍「暖炉にあたるどさんこ」:緑色を使った炎が効果的。

■富士フイルムフォトサロン「松本紀生写真展「アラスカ原野行」」。蚊をよけるために雪原に集まるカリブーの集団、3m先で鮭をくわえた熊、紅葉と地平線から地平線まで半円状に見える虹。いずれも素晴らしい作品である。

■大同ギャラリー「モリケンイチ個展2016新春「裏」」。期待通りの素晴らしい作品が多かった。
「恐るべき手」:音楽を聴く女性の上に伸びる、巨大な緑の手。いったい何の象徴か、意味などないのか。
「砂の時間」:海岸の砂浜にテーブルを出し、酒を飲むオジサン。
「砂上の夜」:同じくテーブルでお茶を入れる女性。その前にあるテレビには何が写っているのか。

深く考えるといろいろなことが想像できるが、表面的なシニカルな感じを楽しむのもいいと思う。

■同「Nの家族展」。こちらもなかなか上手な作品がそろっていた。
美乃里「大楽生」:海を見る友達3人の背中。青春の味わい。

■ギャラリーレタラ「札幌のアーティスト50+2人展」。
杉吉篤「スパイラル」:一番のお気に入りがこの作品。白い人型の後ろに後光のように円形(スパイラル?)が描かれ、どこか宗教的な味わいのある作品。