スズキ目サバ亜目クロタチカマス科のクロシビカマスPromethichthys prometheus (Cuvier, 1832)です。千葉勝浦産クロシビカマスはクロタチカマスの仲間では中型種で、全長50cmほどになります。本種の特徴としては側線は1本で胸鰭の上方で曲がること、側線は1本であること、腹鰭は退化していること、などがあげられます。
腹鰭は外見では殆ど確認できず、1棘のみ。軟条はあっても1軟条。このほかフウライカマスや、カゴカマス属の魚も腹鰭が退化していて、カゴカマスの場合全くないものも多いです。
体側には1本の側線があり、それは胸鰭の上方で曲がります。この特徴でカゴカマスと区別することができます。カゴカマスでは、側線は上にも走り、それが第2背鰭後端に達します。オオメカゴカマスは、カゴカマスに似ていますが、体側の中央を通る側線が波打ちます。
クロシビカマス属は世界中で本種1種のみが知られ、東部太平洋を除く全世界の深海に生息しています。日本では太平洋側に見られます。
クロシビカマスは刺身にして食べました。この魚は「肉の中に骨」という感じで食べにくい場合があります。今回もかなり食するのに苦労しました。肉は脂が多くやや白っぽい感じ。さしみ醤油で食べると脂が皿に・・・。でも、なかなか美味しい種類です。