ハタ科の魚、とくにアカハタ属の魚は美味しい、そして大型になるものも多く、日本においては小型のアカハタから2mをこえるタマカイまでほとんどの種が食用になっている(ただし稀少なものやアカマダラハタなどのようなシガテラ毒魚はのぞく)。椎名さんもたくさんのアカハタ属を食してきたが、その中でもまだ入手していないものもいる。そのうちのひとつがこのツチホゼリである。
写真のツチホゼリは幼魚で普通ならリリースサイズのようであるが、弱っていたため我が家にやってきてくれた。体は灰色っぽく、全身に黒い斑点があるのが本種の特徴。成魚は地味なハタなのだが、幼魚のうちは鰭が明瞭に黄色で美しい。
インド洋に生息するものに近縁種の「キビレハタ」というのがいる。これはインド洋のアンダマンやチャゴス諸島に生息している個体をもとに「インド洋の魚類」という書籍のなかで和名がつけられたものである。この種は青と黄色でルリハタのごとく毒々しい色彩なのであるが、体長(BL)570mmでもこの色彩なのはすごい。インド洋産の個体をもとにつけられた和名であっても標準和名として扱われる種もいるのだが(ちなみにアンダマンアジやチャイロマルハタなどもインド洋産のものに和名がつけられている)、この「キビレハタ」という名前は現在は別のハタ科の魚の標準和名として使用されているために、このツチホゼリに似た種の標準和名としては使うことができない。
ツチホゼリは刺身で食したが残念ながら写真が行方不明に・・・。今回のツチホゼリはHN「魚のげぼ」さんより。ありがとうございます。ということで今年も色々な魚を食べたり、触ったりすることができた。ありがとうございました。なお、明日か明後日に今年のまとめ記事をアップする予定。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます