魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中です。ご容赦願います。 ぶろぐの写真はオリジナルです。無断転載はお断りします。

ヘリダラまたはハナソコダラ

2015年10月23日 20時42分32秒 | 魚紹介

この間お友達の魚屋さんから貴重な魚を購入。それがこのソコダラ科の魚である。

この個体は駿河湾で漁獲されたもので、腹鰭鰭条数からヘリダラと思われた。しかしかながら頭部を背面から見た感じはハナソコダラのよう。また「日本の海水魚」の本を見た限りではハナソコダラのようであった。ただしこの個体はその魚屋さんいよればおよそ水深300m前後の場所で漁獲されたとのこと。ヘリダラは水深300m前後の場所で漁獲されたとのこと。ヘリダラは水深300~900mほど、ハナソコダラはもっと深く水深500m~1000mを超える場所に生息。どちらも本州の太平洋岸~沖縄舟状海盆にまでいるとされるが、ハナソコダラは北海道でも見られる。逆にヘリダラは台湾南部まで生息。ただし深海は安定した冷たく暗い環境であり、どちらも冷たい場所を好むようだ。

この個体の頭部背面。頭部の形状はハナソコダラのほうに似ている感じ。吻の先端には丸みを帯びた突起がある。頭頂部にある直線の切れ込みはおそらく神経抜きをしたときに開けた穴であろう。

この個体の頭部側面。茶色い体であまり派手な色彩ではないが、背鰭の棘がぴん、と伸びていて格好いい。ちなみにヘリダラもハナソコダラもこの特徴を有しているよう。ヘリダラもハナソコダラもホカケダラ属に含まれる。ホカケダラ属は日本には少なくとも13種が分布しているが、この2種類はその中でも口が小さなタイプ。上顎長は頭長の1/3未満となっている。

こちらはイバラヒゲという種。イバラヒゲは北海道から土佐湾までの太平洋岸、北米の西岸にも分布し、北太平洋の広い範囲に見られるソコダラである。水深3700mまでの深海に生息している。イバラヒゲの上顎長はヘリダラやハナソコダラよりも長めなのが特徴、なのであるが、この写真からはわかりにくいかもしれない。

いずれにせよヘリダラとハナソコダラは同定が難しいのであるが、今回いただいた個体は鍋で美味しくいただいた。送っていただき、ありがとうございました。

コメント
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