最近ダンゴウオやスナビクニンに出会ったのですが、このアカドンコもそれらの魚に近い感じの魚。ダンゴウオの仲間やクサウオの仲間、そしてこのアカドンコが含まれるウラナイカジカの仲間は、可愛い系のものが多いです。
アカドンコは全長30cmを超える種類。体は茶褐色とあまり派手ではありませんが、顔が可愛いです。丸みのある鼻(のようなもの)も。しかしながらこの個体はかなり怒っているようです。この個体は千葉県で水揚げされ、京都へと旅立っていったのですが、結局千葉の横の茨城県に戻らなければならなかったのです。京都の神社・仏閣など訪れることなく帰ることになってしまったのですから・・・。分布域は千葉県銚子以北に多く、熊野灘からも知られています。
今回アカドンコは2個体入手できました。2匹とも全長30cmを超える雌で卵をもっていました。
アカドンコ属は日本近海に2種が分布しています。もう1種、よく似たボウズカジカという種は鹿島灘から足摺岬沖の深海、水深300m以深に生息していて沖合底曳網で漁獲されることがありますが、アカドンコに比べてやや小型、アカドンコは頭部に皮弁があるのに対しボウズカジカではそれがないこと、胸鰭軟条数はアカドンコが22~23前後であるのに対しボウズカジカはやや少なく17~19軟条である点が本種と異なります。
アカドンコは今回から揚げと鍋物にして美味しくいただきました。肉は白身でかなり美味しいです。肝臓は鍋の中に入れると美味です。アンコウの肝の代用品としても使えるでしょう。またほかに胃や皮なども食することができ、捨てる場所も少ないです。