久しぶりに新しい魚との出会いがあった。カレイ目・ウシノシタ科のオオシタビラメである。
オオシタビラメは名前に「オオ」とあるが、日本近海に生息しているウシノシタの仲間では最大種というわけではないようである。全長は40cmほどであるが、イヌノシタなども40cmを超えるくらいにまで育つ。一方カラアカシタビラメという種は70cmくらいにまで育つらしいが、これは東シナ海や黄海、渤海の産であり、以西底曳網漁業でなければまず入手できないような種類といえるだろう。
本種の特徴は無眼側に有孔側線があるというものなのだが、体側のものは確認できたものの、頭部のものの方はうまく見えなかった。これがそうなのかな、というくらいのレベルであった。
分布域は三浦半島以南の太平洋岸、広島県尾道、福岡県津屋崎、東シナ海。~インド‐西太平洋域であり、やや南方系のウシノシタ科魚類といえる。生息場所は水深120m以浅の海底で、定置網などでよく漁獲され、底曳網漁業で漁獲されたのを見たことがないということを考えると、浅瀬を好む種類といえるかもしれない。
なお、本種の属については魚類検索ではオオシタビラメ属とされているが、Fishbaseではイヌノシタ属に含めている。ただしいくつかの形質は本種をイヌノシタ属とは異なる属とすべきともされている。ただし確実なことはいえず、さらなる標本の確保が必要である。
今回はムニエルにして食した。今回の個体は全長488mm(体長455mm)もあり、4人家族みな身を多く食べることができた。今回も鹿児島県の田中水産 田中 積さんにお世話になりました。ありがとうございました。