今日(7/12)、鹿児島の田中水産さんからシマアオダイが届いた。シマアオダイはスズキ目・フエダイ科・アオダイ属の魚で、やや深海性の魚である。このぶろぐでは2013年の6月と9月にそれぞれ1回だけ紹介してきた。およそ6年ぶりに食することになる。身の色はほのかなピンク色で、脂もほどよくのり美味であった。田中水産 田中積さん、ありがとうございました。
シマアオダイといえば、鹿児島県以南の海に「そっくりさん」がいる。それがヤンバルシマアオダイである。
ヤンバルシマアオダイという名前の通り、沖縄諸島以南に生息するとされたが、最近は薩南諸島からも記録されたし、標本はないものの、高知県宿毛湾でも獲れている。分布域は狭く、薩南諸島からサモア、オーストラリアまでの西太平洋である。ヤンバルシマアオダイはなかなか入手できず私にとっては幻の魚であったが、ついに今年の6月、那覇の泊いゆまちでゲット。
シマアオダイ頭部
シマアオダイとヤンバルシマアオダイの確実な見分け方は頭部にある。シマアオダイは眼の上、頭部の輪郭が直線的なのである。また主上顎骨に鱗があることも特徴である。また老成すると後頭部が膨らみ出る。
ヤンバルシマアオダイの頭部
一方、ヤンバルシマアオダイは頭部、とくに眼の上の輪郭は丸みを帯びている。また主上顎骨には鱗がない。体形もシマアオダイと比べて丸っこいが、これは同定に使えるかどうかはわからない。
今回のシマアオダイは尾鰭の後方、上端と下端が白っぽかった。一方ヤンバルシマアオダイは尾鰭後方上端は白っぽかったものの、下端は白っぽくはなかった。ただしこれで種を見分けられるかというと難しそうである。最後にシマアオダイとヤンバルシマアオダイをもう一度見比べてみたい。
シマアオダイ
ヤンバルシマアオダイ