魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中です。ご容赦願います。 ぶろぐの写真はオリジナルです。無断転載はお断りします。

ヤフオクのレッドリスト生物の出品禁止について

2022年08月30日 01時10分34秒 | 環境問題

 

ヤフオクが、レッドリストに選定されている生物の出品を禁止するのだという。実際にニホンザリガニやら、サンショウウオの卵塊やらがヤフオクでたくさん販売されている時点で多くの愛好家から批判的な声が上がっていたので、喜びの声というか、やっと改善されたか、というTwitter上でのコメントが多くみられる。

ただ、これは手放しで喜べる問題ではない。まず、売れなくなったら生物はどこへいってしまうのか。多くの場合、野外へ逸出されることになるだろう。昆虫類やマイマイ、サンショウウオの類は地理的な分布を狂わせ、異なる群の交配による不稔から減少に拍車がかかり絶滅も心配される。またレッドリストに選定されていない種を販売するのは問題ないというが、それでも選定されていないものを大量に販売するのはどうなのかという問題が出てくる(もっともそれについても手を打っているようであるが)。

私は実は以前、ヤフオクで希少な生物が大量に出品されることに対して問題があるため、ヤフオクで生物を販売する規制案を考えていた。大体が以下のようなものである。

●ヤフオクで個人で出品できるものは以下の生物に限定される—キンギョ、ニシキゴイ、変種のメダカ、自家繁殖の(国産)昆虫類(繁殖との証明ができることが必須)、フラグサンゴの類

●国外の生物類であっても、チョウザメやイェンツーユイ、温帯性のコイ・ドジョウ等類など逸脱して日本の生物多様性に影響を与えるような種は扱わない

●外来生物は特定外来生物でなくても、日本の生物多様性に悪影響を与える可能性があるため扱わないようにする

レッドリストの選定種だけでなく、野生生物すべてが扱われないようにしているが、これはたとえ現在はレッドリストの対象とされていなくても、乱獲され大量にオークションに並べばそれは生物に悪影響をおよぼすためである。日本の生物の減少の最大の原因は環境破壊であるが、さらに追い打ちをかけるようなことがないように考えていかなければならない。(もっとも採集されなければ増えるだろうなんて考えている環境行政や自治体もどうかしているが)。ただ今回の件については、もちろん公式発表がなく自主的な発表にとどまっているが、環境省が裏で根回しした可能性が高い。今回は私たちよりも、環境省のスピード戦略にやられたという感じか。愛好家がヤフオクを変えれればもっと生物多様性保全についてうまく進めることができたと思うので、残念なところである。

 

コメント
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