いか@ 筑豊境 寓 『看猫録』

Across a Death Valley with my own Distilled Resentment

なぜ、古くから(1960年代末)から新宿で高層ビルが次々と建築されたのか?、あるいは、「武蔵国杭打ち」

2015年10月25日 17時31分26秒 | 東京・横浜


新宿副都心では,1971(昭和46)年の京王プラザホテル(左から3番目)に続き,
1974(昭和49)年,新宿住友ビル(左端),KDDビル(右端),
新宿三井ビル(左から2番目)が相次ぎ完成 (ネット上からコピペ:ソース

最近知ったこと。 この内容は、もちろん、とっくに公知で、ネット上にたくさん情報があります。

戦後、東京で高層ビル群が建てられたのは、新宿。この理由を、おいらは、淀橋浄水場跡地など敷地があったからだと、漠然と思っていた。

理由は、それだけではなかった。もっと重要な、本質的な理由があったと、知った。

それは、杭打ちの深度が比較的浅くていいからだというのである。ここで杭打ちとは、高層建築物を支えるために、安定な基盤となる固い地層に支柱を打ち込むこと。

現在、東京で建てられる高層建築は、「東京礫層」という地層まで杭を打ち込まなければならない。この「東京礫層」の都内地下での分布状況は下記のごとし;

 

出典:http://pollux.tu.chiba-u.jp/nakai/Found_Eng_2002/lec01b/Chikei_16.html 現在リンク切れ

ただし、この断面模式図は地表からの「東京礫層」の深さの情報が正確には書かれていない。「東京礫層」は西から東へ傾斜していて、新宿あたりでは比較的浅い部分にこの「東京礫層」は存在する。東京都庁の下では深さ20mあたりにある。新宿の最近の建築例では深さ10mといっているものもある;

西新宿の超高層ビル群を支える強固な地盤

非常に安定した強固な地盤(東京礫層:平均N値70以上※)を支持層としています。この東京 礫層は、西新宿超高層ビル群をはじめ、霞ヶ関ビル、サンシャイン60等の支持層となっている 地盤です。敷地周辺では、地表面から10m程度の浅いところに東京礫層が出現するため、杭 が必要なく、厚さ2.0mの剛強な直接基礎(マットスラブにより建物の重量を支えています。ま た一般的に、強固な地盤が地表面に近いところから存在する場合、地震時に地盤の増幅が 少なく、建物への影響が小さいとされています。ソース

一方、最近できた墨田区のスカイツリーの下では、深さ約50メートルに「東京礫層」は存在する。つまり、これは、この半世紀にわたる「杭打ち」技術の発展の成果により、基盤が深い位置にある真上の地上にも高層建築物が建てられるようになったのだ。参考:東京スカイツリーの施工技術。

ちなみに、東京タワーの下の「東京礫層」の深さ10メートルに位置する。この理由で1957年にできた東京タワーの建設地は港区、芝に決定されたとのこと(芝公園が選ばれた理由は、地下の地盤に隠されていました)。

 ■ もし、東京礫層が高層建築物の基盤になるという論理に従うと、新宿以西では地下で東京礫層がなくなる。新宿以西の立川などで高層建築物を建てるには別途基盤層が必要となるはず。そういう基盤層は何層なのか?今、おいらはわからない。もしかして、新宿以西に高層建築物がないことは、地下の東京礫層が無い事の結果なのだろうか?