いか@ 筑豊境 寓 『看猫録』

Across a Death Valley with my own Distilled Resentment

新しい街でもぶどう記録;第420週

2022年12月03日 19時25分58秒 | 武相境

▲ 今週のみけちゃん
▼ 新しい街でもぶどう記録;第420週

■ 今週の武相境斜面

■ 今週の草木花実

■ 今週の東京

三軒茶屋駅のキャロットタワー(wiki)の26階展望台から北(東)の方を眺める

■ 今週の多摩川

■ 今週の言葉:「補完」、あるいは、属領の役割

元米国務副長官のリチャード・アーミテージ氏が1日、東京・内幸町の日本記者クラブで開かれた講演会に登壇した。軍事的覇権拡大を進める中国や、ウクライナ侵攻を続けるロシアを念頭に、「日本は安全保障などの面で米国を補完できる」と主張し、各分野のリーダーとして存在感を発揮すべきだと訴えた。引用元

1986年の本、江藤淳、『日米戦争は終わっていない』に「いま改めて問われる自衛隊の役割ー米軍の補完にすぎないのか?」とある。江藤は自衛隊を「米衛隊」と称している。

さて、今週のアーミテッジさまの言によると、「補完」で充分とこのとらしい。

なお、1986年頃は、北海道の自衛隊のソ連軍の通信傍受基地で得られた情報は、幕僚長や防衛庁長官に報告されず、現場から直接米軍に渡されていたとのこと。小谷賢、『日本インテリジェンス史』(2022年刊)に書いてあった。これが自衛隊の実像に違いない。

■ 今週のコロッケ

松陰コロッケ: 東京都世田谷区若林4丁目 染谷食肉フーズ

じゃがいも主体、ひき肉加味。なぜ、松陰なのかは、不明。

■ 今週のお貴族さまの蕩尽:「シルクハットに嘔吐」

飲食店に行くと新聞があったので、見た。近衛忠輝。当世の近衛家の主だ。皇室と違って、この当主さまは近衛家にとって男系男子ではない。細川家から養子に来たのだ。忠輝の母親が近衛文麿の娘。

それにしても、この記事、近衛文麿については、「第3次(近衛)内閣が進めた日米開戦を回避する交渉が行き詰まり41年10月の総辞職 」、一方、「1941 年12月8日東条英機内閣の下で日米が開戦しました」とある。一見、間違いはないが、これは巧妙な、いつもこの人たちがやる、プロパガンダである。

プロパガンダの目的は、大日本帝国が亡びた原因のかなりが近衛文麿にあるのに、戦争は軍部が起こしたという印象を民にもたせることである。歴史的現実は、近衛文麿は下記のことを実施した;

・国家総動員法成立
・大政翼賛会成立
・日独伊三国同盟
・支那事変&暴支膺懲&国民政府を相手とせず
・仏印進駐;対米戦を不可避にする

そもそも、日米交渉で戦争回避に努力したと、細川ー近衛プロパガンダ喧伝者は主張するが、交渉相手のローズベルト(政権)は松岡洋右を忌避したばかりか、そもそも支那事変を始めた近衛文麿を信用せず、近衛が勝手に希望をもって試みた日米首脳会談は拒否された。つまり、近衛が首相でいるかぎり日米交渉が成り立たなかったのだ。近衛の存在そのものが日米交渉を破談させたのだ。一方、日米交渉が失敗した場合開戦するという決定、1941年9月6日の御前会議は近衛内閣の下で行われたのである。東条内閣は、端から(近衛の存在ゆえ)現実味がなかった日米交渉の失敗と外交交渉失敗時は開戦という条件をもつ状況を与えられた。近衛が内閣を放り投げたからである。もし、近衛が内閣を放り投げていなかったら、上記の予定通り(現実にもそうなった)ように開戦となった。東条は組閣後2か月だけの時間を日米交渉に使うことを昭和天皇に命じられた。しかし、現実は近衛が荒廃させた日米外交交渉はいかんともできず、1941年9月6日の御前会議に従い、開戦。こういう事情を、近衛忠輝は「1941 年12月8日東条英機内閣の下で日米が開戦しました。」と書くのだ。

 この帽子にゲロ

■ 今週のショコラ

むさしの森珈琲(世田谷オークランド店) ピスタチオショコラケーキ 

■ 今週の海外からの購書

『現代中国がわかる最強の45冊』、中川コージで知った。『中国キーワード』。チャイナのネットショッピングサイト、タオバオから買えとあったので、従う。本は1000円、輸送料が1500円、計2500円。

内山書店 で6100円。


梱包。新華書店は知っていた。行ったことがある(上海  大連)。この「新華書店」の毛筆のロゴはマオさんの書であると初めて知った(wikipedia)。

台湾問題;

■ 今週(積読本の中から)読んだ本

とぼけるわけではないが、三島由紀夫についてゴシップ以上をそんなに知らない。作品そのものも10代に、金閣寺、仮面の告白、禁色など読んで以来、30年あまり読んでいない。つまり、あまり趣味ではない。でも、ゴシップ的関心はある。森田必勝については全く知らなかった。今回、以前に購入した、中村彰彦の『三島事件もう一人の主役』を読む。森田の生い立ちからの物語が書いてある。思想的背景とは別に三島が実際に自決を実行できたのは森田がいたせいだと思わせる。悪く言えば、森田は三島の心中相手、あるいは、三島は森田の心中相手というところか。本を持たない男(おそらく、本なんか読まない男)森田必勝というのが三島の心中相手にふさわしいといったところか。大昔に古本として買った事件直後の『諸君』を見直すと、宮崎正弘の森田必勝についての話が書いてあった。中村彰彦の『三島事件もう一人の主役』の主力情報源なのだとわかる。奥野健夫の『三島由紀夫伝説』は、積読であり、これまでとっつきにくかったが、今回、ぐいぐい読めた。境遇が同じ(戦前からの山手階級)でありそれ故友人であった奥野の三島についての話。奥野健夫は、森田必勝とは全く違った立場の人物。三島の生い立ちから作家・三島の形成論が、わかりやすく、わかりやすすぎるように、語られている。ただし、作品論については、おいらが、三島の作品そのものを読み込んでいないので、奥野の論をよく読めるように、三島の作品そのものを読むことにしようと思った。

■ 今週の購書

三島の「豊穣の海」を第1巻目しかもっていなかったので、残りを買う。ブックオフで100円で買えるだろうと思っていたら、すべて500円。定価の7割。根強い需要があるらしい。