ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2012.8.7 当世共働き事情

2012-08-07 22:59:40 | 日記
 ベトナム旅行中、現地で3人のガイドさんとご一緒したが、1人は女性で、2人が男性だった。
 女性はとても気が利いていて、日本語を大学で学び、日本に何度も来ていると言うだけあって、なかなか達者なものだった。が、男性の方はかなり聞きとり難い日本語だったし、こちらの受けを狙って喋っているのかどうか、やけに結婚生活に否定的なコメントが多かった。

 それはともかく、彼らの話によると、民族衣装のアオザイを美しく着こなすために、若い女性たちはダイエットに励むそうだ(確かにあのスタイルで脇から贅肉がはみ出していたら、ちょっと興ざめだろう。)。エレベーター、エスカレーターの設備があまりないので、階段の上り下りが大変で、太っている暇がないらしい。だが、結婚したら最後、とたんに太り始めるという。

 結婚しても共働きが殆どで(男性一人の給料では生活していけないようだ。平均給与は月1万5千円から2万円程度だという。)朝は忙しいので、妻(あるいは母)が朝食の支度をすることはなく、朝も屋台等で外食してから出勤するとのこと。
 そして、昼にはお昼寝込みで1時間半から2時間のお休みがあり、これも外食。夕食は基本的には作るようだが、女性が残業になればまた外食、ということのようだ。

 思えばこれはベトナムに限ったことではなく、随分前に訪れたシンガポールやマレーシア等のアジア諸国でも同じ状況だった。朝は屋台で外食が普通だ、と。女性も働いているのだから当然だ、と。

 顧みれば、日本の女性は実によくやっているな、と思う(決して「自分が」というわけではない。)。私なんぞは炊事が得意でないので手抜きも甚だしいけれど、それでも毎日の朝食、学校がある時のお弁当、平日の夕食は、基本的に作る(エンドレスの抗がん剤治療になるまでは土日も作っていた。)。少なくとも平日の朝に外食、ということはない。

 仕事をしていて急に残業、ということになれば、頭の中はすぐ夕食の心配になる。予め判っていれば用意しておくけれど、何もない中、夫に一から頼むというのもなかなかハードルが高い。結局、2人で外で食べて(あるいはお弁当を買ってきて)、と連絡することになる(息子が外食よりお家ご飯が好き、というのもネックだった。)。
 息子が小さかった頃は保育園のお迎えもあったので、基本的には“平日の残業はなし、土日で帳尻合わせに出勤”というパターンだった。今ではさすがの彼も、空腹になってどうしようもなければ冷凍食品やカップ麺なら自分で作れるから、気分的には本当に楽になった。

 四半世紀以上働いてきて、何度思ったことかしれない。 家に帰って食事が出来上がっているなら、もっともっと仕事出来るよな~と。
 それほど、夕食が出来ているということのメリットは大きいように、私は思う(お料理が得意な方はそんなことないのでしょうか。)。疲れて帰宅して、少しでも座ってしまえばもう嫌になるので、着替えてすぐに台所に立って夕食の支度を始める。もちろん、男性も疲れて帰ってくるのは同じだけれど、帰宅すれば食事が出来ているというのが大きな違いだろう。少なくとも残業をしながら妻に代わって夕飯を作らなければ、という心配はしないのではないか。

 働いていることで、専業主婦のようには夫や子供に全面的なサポートが出来ない、という後ろめたさを感じながら、限られた時間で出来るだけあれもこれもやろうとすれば、当然オーバーワークで身体も壊すことにもなろう。
 女性も、働くことで相応の収入があるのだから、自分だけが一手に家事を引き受けなければ・・・というかつての規範に縛られることはないのだけれど、真面目な日本人女性は、どうも自分で自分を縛っているのかもしれない(最近の若い人は大分違ってきているのでしょうか。)。

 そんなわけで、ベトナム人の男性ガイドさんに言わせると、「自分の家では妻の方が給料が高いし、強いので、明るい夢も希望もあまりなく、そうそう長生きはしたくない。」そうだ。

 ベトナムの男性の平均寿命は65歳、女性で70歳だという。日本より男女とも15年も短い一生である。
 なんだかんだ言っても、日本人は世界有数の長寿国でいられるだけ幸せなのかもしれない。

 今日は暦の上では立秋。だが、朝からいかにも気温が上がりそうな空だった。案の定予想気温は33度。それでも今年の職場事務室は昨年に比べてそれなりに空調が入っているので、随分楽だ。
 暑中見舞い状をろくに書かないうちに残暑見舞いの時季になってしまった。息子の夏季自宅学習期間(“夏休み”ではない。)もあと20日である。
コメント
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