昨日は会議や履修ガイダンス等で残業。その後、都心の健診センターが同居しているホテルに宿泊した。これまで30年間、毎年職場の健康診断を受診するだけで、人間ドックを利用したことはなかった。勤続○年節目の年には是非受診を、とお知らせが来ていたが、臨海部まで行くのはちょっと・・・と尻込みしていた。
今回一旦退職し、共済組合から助成金も出るということで思い切って予約してみた。再発治療中で何をいまさら人間ドック?と言われればそれもそうなのだけれど、実際経過観察をしているのは乳がん関連のみ。消化器系検査は何もフォローしていないので、やはりこういう機会は大切にした方がよいだろう。
まぁ、この齢で初体験もあったものではないが、言ってみればこれほど長くお付き合いすることになった乳がん(そして、それに付随する副作用等での二次的な不調)以外、特に不健康な要因がなかったということだから、それはそれでとても有難いことだったのだけれど。
栞には、前日午後8時までに夕食を済ませることとあったが、ホテルにチェックイン出来たのが既に9時近く。結局、カフェでサンドイッチとカフェオレという、夫曰く“ランチのような”夕食を済ませた。部屋からは桟橋に停泊する客船やレインボーブリッジ等が一望でき、なかなかどうしてリゾート気分。部屋のユニットバスは思ったより小さかったのでガッカリしていたら、高層階にあるスカイビュー浴場のチケットがおまけで付いてきて、思わぬところでサウナやジャグシーを、殆ど貸切状態で愉しむことが出来た。窓の外にはライトアップされた東京タワーが臨め、すっかり観光気分の前夜祭である。
そして今朝。夫にモーニングコールした後、カーテンを開ければ朝日に煌めく東京湾。絶景である。検便、採尿と浴槽足湯を済ませたら、朝は絶食だからもう何もすることがない。BSで朝の連続テレビ小説を視終わってすぐにチェックアウト。予約時間8時の10分前に上階の健診センターに到着したのだが、既に12人目。いやはや先輩方は朝にお強いのである。
時間キッカリに受付開始。更衣室ロッカーの鍵と検査番号を頂き、検査着に着替えていよいよスタートである。まずは身体計測。身長と体重のほか、体脂肪率、腹囲等の測定。続いて採血。いつも通っている病院で使っている針より大分太いと見えて、3本採取の間、ずーっとしかめ面だった。次に血圧測定と言われたが、採血後すぐ同じ右手に圧をかけるのも、ということで心電図に案内された。ハーセプチンもカドサイラ(T-DM1)も心臓に負担のかかる薬だけれど、問題なさそうだ。戻って血圧測定。相変わらず低値安定している。
今日は終日朝頂いた番号で呼ばれ、待合席も自分の番号で固定なので、実にシステマティック。15分間隔で受付の人達が増えていく。見渡す限りロマンスグレーのオジサマたちで、女性はごくごく少数。そして私のような50代早期退職組は殆どいない。中にはご主人の退職で、奥様が一緒に付いてこられたという夫婦ペア参加もちらほら。また「いつもありがとうございます」とあちこちで挨拶され、すっかり主のような常連と思しき“かつての”オジサマもおられる。勝手知ったる隣の我が家、という感じの振る舞いに苦笑である。
続いて胸部X線。毎月病院で撮影してはいるが、今日はさすがにパスも出来ず、正面からとサイドからの2枚撮影。続いて、オプションで追加した骨密度検査。長いケース状の器具に左腕を入れて固定し、X線が舐めていく感じだ。以前、足で簡易計測したことはあるが、今回の検査は初めての体験。長くホルモン剤を使っていたし、多発骨転移をしているし、どんなことになるやら、とちょっと心配しながら、待合席に戻る。
その間にも、初めての胃カメラが気になって仕方ない。腹部超音波では胆のう、肝臓、腎臓、脾臓、膵臓の結石や腫瘍をチェック。特に何もなさそうである。
続いてこれもオプションで追加した内臓脂肪検査。ベッドに寝て、お腹の幅を測り、ベルトを巻いてじっとしておしまい。計測の結果を聞くと、面積は26㎠とのこと。皮下脂肪も内臓脂肪も一番少ない部類だそうだ。看護師さんから筋肉を付けて代謝を上げてヨガも続けて、というご指導もある。続いて医師の問診、視触診。心臓も問題なしとのこと。
席に戻ると胃カメラのお呼びがかかる。つい緊張してお手洗に行き直す。初めてバリウムを飲んだ時も本当にびっくりしたけれど、今回も覚悟はしていたもののやはりびっくり。緊張すればますます辛くなると聞いていたので、リラックスを努めてみるものの、朝から白湯をちょこっと飲んだだけで、緊張のあまり喉はカラカラ。
先生から出された胃を綺麗にするというほのかに甘い薬を飲み、氷状の苦い麻酔薬をゆっくり喉の奥で溶かし、だんだん喉の奥が麻痺してくる。ベッドに横になり、ヨガの安らぎのポーズの後に行う胎児のポーズのようだなあ、と思いつつ、あぁ、もはやまな板の上の鯉である。「まったく初めてです」ということで先生が念のため、とスプレーの麻酔を追加してくださったのだが、それですっかりむせてしまい、のた打ち回る。ゴクンと呑み込んでみましょうと言われても、それが苦しくて出来ない。マウスピースを加えながら涙涙である。
「さあ、始めましょう」とドクター。「もし余裕があれば目の前に画像が出ますから見てくださいね」と看護師さんに言われるが、涙と鼻水と涎でそれどころではない感じ。「ちょっと違和感はあるんですけれどね」とついにカメラが入っていく。少しずつ落ち着いてきて涙目で画面を見る。「順調ですよ、食道問題ないですね…胃に入りました、軽い胃炎がありますが、問題ありませんね、十二指腸に入ります…」などなどリアルタイムで説明があるが、いやはや本当に最初にこんなものを考えた人は凄い。
とはいえ、消化器系の病気になったら本当に検査が辛くて大変なことだ、と改めて思う。職場の皆さんが「バリウムじゃどうせ2次検査になるから、最初から胃カメラで検査するんだ」などとさらりとおっしゃっていたが、こんなに大変なことだったとは。乳がんで良かった…と迄は思わないけれど。
5分ほどだったろうか、もっとずっと長く感じたけれど、何とか終了。いやはや憔悴。席に戻ってすぐに先生から、PC画像を見ながらリアルタイムに聞いた説明が繰り返される。薬も長期間にわたって色々飲んでいるし、ロキソニンも切れることなく飲んでいるから、最近胃の重さも気になっているのはいつかも書いたとおり。乳がんは胃転移もないわけではないと聞いていたので、軽い胃炎で心配なし、ピロリ菌もいなさそうだし、生検も必要なし、と言われてとてもほっとする。
診察室を出てがっくりしていると、看護師さんからは「1時間は水も飲めません」という注意書きを頂く。「今回、最初は経鼻胃カメラをリクエストしたのだが、『女性は骨格が華奢だと入らないことがあり、経口の方が確実です』と言われて経口にしたのです」と言うと、「先生も言っていた通り、次回は経鼻でトライしてみてください。鼻から出来れば(口に比べて)こんなに楽だったんだ、と思いますよ」と慰められる。とりあえず口の中は痺れているし、なんとなく痛みがあるような感じだが、大きな山を越えて、残るは眼科系検査(視力、眼圧検査、眼底撮影)と聴力検査。どちらも問題なしで、最後は肺機能検査だ。両肺多発転移とはいえ、歌ったりヨガをしたり、と普通に過ごせているのだけれど、坂道や階段では息切れが酷いし、結果はいかに、とマウスピースを加えて肺活量を測る。基準値内と言われ、これまた胸をなでおろす。
ここまでで受付から僅か3時間弱。受付でランチ券を頂くと、午後の結果説明時間が番号順に貼り出されていた。レストランがオープンするまでにまだ30分ほどある。着替えてホテルロビーで新聞を読んで時間調整。オープンとともに高層のフレンチレストランへ移動。右も左も皆さん健診センターのオジサマたちである。
内臓脂肪測定の看護師さんから「パスタランチで炭水化物を摂るよりも、お肉やお魚で良質のたんぱく質を摂ってくださいね」と言われたので、定食型にしたが、魚をチョイスしているのは私だけ、年配のオジサマたちは皆、ステーキを選んでいる。元気である。
レストランからは真正面に東京タワーが見える。金曜日の昼下がり、なんて贅沢な時間だろう。ご夫妻で来ている方たちを見ながらちょっと羨ましくなって、夫にLINEで来年は一緒に来ようか、と話を持ちかけてみた。
まぁ、今回は助成があったけれど、実際に負担する額は5万弱だから、夫婦で受けてお泊り付きにすれば結構な出費ではある。とはいえ、それを高いと思うか安いと思うか。実際に病気になってしまったら、とんでもない治療費がかかるのを考えれば、これは決して高くない投資なのかもしれない。カドサイラ(T-DM1)1回分にもならないとすれば、我が家流のお愉しみに替えてしまうのも大事かも、と思う。
そして結果説明。人間ドックの良いところはこうして午前中に検査、午後にすぐに結果が聞けるということなのだろう。診察をしてくださった若いドクターに呼ばれる。「初ドックですか」と言われ、「はい」と応える。まずは大きく胸部レントゲンの画像が出ていて、ドクターは両方にハッキリ映った影を見ながらうーんと黙っているので、「あ、肺は転移しているので(わかっています)」と言っておく。
採血の結果は先週カドサイラ(T-DM1)投与後なので、やはり肝臓の酵素の数値が軒並み高い。コレステロールが高くなったのも初めてだし、糖代謝も高めだという。やはり長いこと色々な薬を使っているので、何が出ても不思議はないのだそうだ。その他、正常値から外れているのは好中球とカリウムが「低」。白血球は不思議なことに4,900もあり、腎機能は異常なしだった。便潜血も陰性、お腹の超音波、胃カメラ、心電図等内科的にはとりあえず心配なことはなさそうとのこと。
先生からは手術と再発治療歴等も聞かれ、「乳がんはそういう病気とはいえ、長いこと大変ですね」と言われたけれど、「今はこうして普通に暮らし、仕事も出来ているし、これから治療を続けていくうえで、他にも力を注がなくてはいけなくなったらそれは大変なので、とにかく良かったです。」と御礼を言って部屋を出た。
会計を済ませて健診センターを後にした。正式な結果が送付されるのは概ね2週間後とのこと。
初体験満載な、実にエキサイティングな1日であった。
今回一旦退職し、共済組合から助成金も出るということで思い切って予約してみた。再発治療中で何をいまさら人間ドック?と言われればそれもそうなのだけれど、実際経過観察をしているのは乳がん関連のみ。消化器系検査は何もフォローしていないので、やはりこういう機会は大切にした方がよいだろう。
まぁ、この齢で初体験もあったものではないが、言ってみればこれほど長くお付き合いすることになった乳がん(そして、それに付随する副作用等での二次的な不調)以外、特に不健康な要因がなかったということだから、それはそれでとても有難いことだったのだけれど。
栞には、前日午後8時までに夕食を済ませることとあったが、ホテルにチェックイン出来たのが既に9時近く。結局、カフェでサンドイッチとカフェオレという、夫曰く“ランチのような”夕食を済ませた。部屋からは桟橋に停泊する客船やレインボーブリッジ等が一望でき、なかなかどうしてリゾート気分。部屋のユニットバスは思ったより小さかったのでガッカリしていたら、高層階にあるスカイビュー浴場のチケットがおまけで付いてきて、思わぬところでサウナやジャグシーを、殆ど貸切状態で愉しむことが出来た。窓の外にはライトアップされた東京タワーが臨め、すっかり観光気分の前夜祭である。
そして今朝。夫にモーニングコールした後、カーテンを開ければ朝日に煌めく東京湾。絶景である。検便、採尿と浴槽足湯を済ませたら、朝は絶食だからもう何もすることがない。BSで朝の連続テレビ小説を視終わってすぐにチェックアウト。予約時間8時の10分前に上階の健診センターに到着したのだが、既に12人目。いやはや先輩方は朝にお強いのである。
時間キッカリに受付開始。更衣室ロッカーの鍵と検査番号を頂き、検査着に着替えていよいよスタートである。まずは身体計測。身長と体重のほか、体脂肪率、腹囲等の測定。続いて採血。いつも通っている病院で使っている針より大分太いと見えて、3本採取の間、ずーっとしかめ面だった。次に血圧測定と言われたが、採血後すぐ同じ右手に圧をかけるのも、ということで心電図に案内された。ハーセプチンもカドサイラ(T-DM1)も心臓に負担のかかる薬だけれど、問題なさそうだ。戻って血圧測定。相変わらず低値安定している。
今日は終日朝頂いた番号で呼ばれ、待合席も自分の番号で固定なので、実にシステマティック。15分間隔で受付の人達が増えていく。見渡す限りロマンスグレーのオジサマたちで、女性はごくごく少数。そして私のような50代早期退職組は殆どいない。中にはご主人の退職で、奥様が一緒に付いてこられたという夫婦ペア参加もちらほら。また「いつもありがとうございます」とあちこちで挨拶され、すっかり主のような常連と思しき“かつての”オジサマもおられる。勝手知ったる隣の我が家、という感じの振る舞いに苦笑である。
続いて胸部X線。毎月病院で撮影してはいるが、今日はさすがにパスも出来ず、正面からとサイドからの2枚撮影。続いて、オプションで追加した骨密度検査。長いケース状の器具に左腕を入れて固定し、X線が舐めていく感じだ。以前、足で簡易計測したことはあるが、今回の検査は初めての体験。長くホルモン剤を使っていたし、多発骨転移をしているし、どんなことになるやら、とちょっと心配しながら、待合席に戻る。
その間にも、初めての胃カメラが気になって仕方ない。腹部超音波では胆のう、肝臓、腎臓、脾臓、膵臓の結石や腫瘍をチェック。特に何もなさそうである。
続いてこれもオプションで追加した内臓脂肪検査。ベッドに寝て、お腹の幅を測り、ベルトを巻いてじっとしておしまい。計測の結果を聞くと、面積は26㎠とのこと。皮下脂肪も内臓脂肪も一番少ない部類だそうだ。看護師さんから筋肉を付けて代謝を上げてヨガも続けて、というご指導もある。続いて医師の問診、視触診。心臓も問題なしとのこと。
席に戻ると胃カメラのお呼びがかかる。つい緊張してお手洗に行き直す。初めてバリウムを飲んだ時も本当にびっくりしたけれど、今回も覚悟はしていたもののやはりびっくり。緊張すればますます辛くなると聞いていたので、リラックスを努めてみるものの、朝から白湯をちょこっと飲んだだけで、緊張のあまり喉はカラカラ。
先生から出された胃を綺麗にするというほのかに甘い薬を飲み、氷状の苦い麻酔薬をゆっくり喉の奥で溶かし、だんだん喉の奥が麻痺してくる。ベッドに横になり、ヨガの安らぎのポーズの後に行う胎児のポーズのようだなあ、と思いつつ、あぁ、もはやまな板の上の鯉である。「まったく初めてです」ということで先生が念のため、とスプレーの麻酔を追加してくださったのだが、それですっかりむせてしまい、のた打ち回る。ゴクンと呑み込んでみましょうと言われても、それが苦しくて出来ない。マウスピースを加えながら涙涙である。
「さあ、始めましょう」とドクター。「もし余裕があれば目の前に画像が出ますから見てくださいね」と看護師さんに言われるが、涙と鼻水と涎でそれどころではない感じ。「ちょっと違和感はあるんですけれどね」とついにカメラが入っていく。少しずつ落ち着いてきて涙目で画面を見る。「順調ですよ、食道問題ないですね…胃に入りました、軽い胃炎がありますが、問題ありませんね、十二指腸に入ります…」などなどリアルタイムで説明があるが、いやはや本当に最初にこんなものを考えた人は凄い。
とはいえ、消化器系の病気になったら本当に検査が辛くて大変なことだ、と改めて思う。職場の皆さんが「バリウムじゃどうせ2次検査になるから、最初から胃カメラで検査するんだ」などとさらりとおっしゃっていたが、こんなに大変なことだったとは。乳がんで良かった…と迄は思わないけれど。
5分ほどだったろうか、もっとずっと長く感じたけれど、何とか終了。いやはや憔悴。席に戻ってすぐに先生から、PC画像を見ながらリアルタイムに聞いた説明が繰り返される。薬も長期間にわたって色々飲んでいるし、ロキソニンも切れることなく飲んでいるから、最近胃の重さも気になっているのはいつかも書いたとおり。乳がんは胃転移もないわけではないと聞いていたので、軽い胃炎で心配なし、ピロリ菌もいなさそうだし、生検も必要なし、と言われてとてもほっとする。
診察室を出てがっくりしていると、看護師さんからは「1時間は水も飲めません」という注意書きを頂く。「今回、最初は経鼻胃カメラをリクエストしたのだが、『女性は骨格が華奢だと入らないことがあり、経口の方が確実です』と言われて経口にしたのです」と言うと、「先生も言っていた通り、次回は経鼻でトライしてみてください。鼻から出来れば(口に比べて)こんなに楽だったんだ、と思いますよ」と慰められる。とりあえず口の中は痺れているし、なんとなく痛みがあるような感じだが、大きな山を越えて、残るは眼科系検査(視力、眼圧検査、眼底撮影)と聴力検査。どちらも問題なしで、最後は肺機能検査だ。両肺多発転移とはいえ、歌ったりヨガをしたり、と普通に過ごせているのだけれど、坂道や階段では息切れが酷いし、結果はいかに、とマウスピースを加えて肺活量を測る。基準値内と言われ、これまた胸をなでおろす。
ここまでで受付から僅か3時間弱。受付でランチ券を頂くと、午後の結果説明時間が番号順に貼り出されていた。レストランがオープンするまでにまだ30分ほどある。着替えてホテルロビーで新聞を読んで時間調整。オープンとともに高層のフレンチレストランへ移動。右も左も皆さん健診センターのオジサマたちである。
内臓脂肪測定の看護師さんから「パスタランチで炭水化物を摂るよりも、お肉やお魚で良質のたんぱく質を摂ってくださいね」と言われたので、定食型にしたが、魚をチョイスしているのは私だけ、年配のオジサマたちは皆、ステーキを選んでいる。元気である。
レストランからは真正面に東京タワーが見える。金曜日の昼下がり、なんて贅沢な時間だろう。ご夫妻で来ている方たちを見ながらちょっと羨ましくなって、夫にLINEで来年は一緒に来ようか、と話を持ちかけてみた。
まぁ、今回は助成があったけれど、実際に負担する額は5万弱だから、夫婦で受けてお泊り付きにすれば結構な出費ではある。とはいえ、それを高いと思うか安いと思うか。実際に病気になってしまったら、とんでもない治療費がかかるのを考えれば、これは決して高くない投資なのかもしれない。カドサイラ(T-DM1)1回分にもならないとすれば、我が家流のお愉しみに替えてしまうのも大事かも、と思う。
そして結果説明。人間ドックの良いところはこうして午前中に検査、午後にすぐに結果が聞けるということなのだろう。診察をしてくださった若いドクターに呼ばれる。「初ドックですか」と言われ、「はい」と応える。まずは大きく胸部レントゲンの画像が出ていて、ドクターは両方にハッキリ映った影を見ながらうーんと黙っているので、「あ、肺は転移しているので(わかっています)」と言っておく。
採血の結果は先週カドサイラ(T-DM1)投与後なので、やはり肝臓の酵素の数値が軒並み高い。コレステロールが高くなったのも初めてだし、糖代謝も高めだという。やはり長いこと色々な薬を使っているので、何が出ても不思議はないのだそうだ。その他、正常値から外れているのは好中球とカリウムが「低」。白血球は不思議なことに4,900もあり、腎機能は異常なしだった。便潜血も陰性、お腹の超音波、胃カメラ、心電図等内科的にはとりあえず心配なことはなさそうとのこと。
先生からは手術と再発治療歴等も聞かれ、「乳がんはそういう病気とはいえ、長いこと大変ですね」と言われたけれど、「今はこうして普通に暮らし、仕事も出来ているし、これから治療を続けていくうえで、他にも力を注がなくてはいけなくなったらそれは大変なので、とにかく良かったです。」と御礼を言って部屋を出た。
会計を済ませて健診センターを後にした。正式な結果が送付されるのは概ね2週間後とのこと。
初体験満載な、実にエキサイティングな1日であった。