ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2021.10.28 エンハーツ21クール目 さらに6割に減量17回目投与翌日のこと ブログ開設12周年を迎えて思うことと日々雑感

2021-10-28 20:54:42 | 日記

 昨夜は時間が経てば経つほどお腹がモタモタ、グルングルンして気持ちが悪くなった。日中眠かったのに、本に夢中で病院ではうたた寝しなかったし、帰宅後、耐えきれずに小一時間ほどウトウトしたけれど、全然すっきりしなかったから、眠いし、疲れている。
 それなのになにやら頭がざわざわしている。ステロイドハイである。あまり早くベッドに入っても延々と眠れないのはわかっているし、何度も失敗しているので、ぎりぎりまでリビングで過ごしてから入浴した。お風呂あがりに赤いヨーグルトドリンクをお腹に入れたら、やっぱりムカムカと気持ち悪く、火照りも出てきた。いつものパターンだ。

 明日(つまり今日)は、夫は休務日、私は出勤。マッサージサロンのWさんから分けて頂いた吐き気対策アロマオイルで、ふくらはぎから足の甲まで丁寧にマッサージする。ほんのり香ってくるアロマの香りに癒される。
 マントラCDをBGMにして、ミントのスプレーを枕と部屋にシュッシュと撒く。それでも、どちらに寝返りを打ってみても気持ちが悪い。よせばいいのについついベッドで押川先生のYou Tube等を見てしまう。結局マントラCDを2回かけ、午前2時まで目はギンギン。
 息子は高校時代の同級生で大阪赴任組の2人と卒業以来初めて、つまり8年ぶりに会った(飲んだ)そうだ。久しぶりで随分盛り上がった様子。3人一緒に地下鉄駅ホームで撮影したという自撮り写真がLINEで送られて来たけれど、大きなマスクをしているから顔は半分隠れているし、顔も名前もわからなかった。
 息子と同じ社会人3年生が1人、4年生が1人。皆随分おじさんになったものである。1人は先日婚約し、春には入籍予定だという。そのお祝いということで、そういうお相手がまだいない(?)2人でご馳走したらしい。

 今朝はアラームが鳴る一時間前に、お手洗いで目が覚めてしまい、それ以降は眠れなかった。合計3時間眠れたかどうか。起きた途端に気持ちが悪い。往生際悪くベッドでだらだら。
 アラームが鳴り、新聞を取ってリビングに行ったら、休務日の夫が既に起きて朝食の支度にとりかかろうとしてくれていた。有難い。けれど殆ど空腹は感じない。

 昨夜の息子からのLINEに反応して、殆ど開くことのなかった息子の高校卒業アルバムを開いてみた。まあ、高校3年生、男子だけで色気も何もあったものではない。可愛いというかなんというか。息子は今以上にまるまるちゃんの幼いお顔である。

 お腹はグルングルン、火照って熱っぽくて(測れば36℃もないのだけれど)気持ち悪い。まずはヤクルトちょっぴりでとにかくナウゼリンを流し込む。青汁もバナナスムージーもなし。冷凍していたチョコクロワッサンをなんとか1つお腹に入れる。胃痛防止の青いヨーグルトは頑張って頂く。
 夫が剥いて剥いてくれたシナノスイーツと種なし柿を2かけずつ、ぶどう2粒でおしまい。極上はちみつ紅茶をマグカップに半分。これでは水分が足りないと思う。案の定今朝はお通じも催さずじまい。

 食後は今日、明日限定の吐き気止めイメンド80㎎、デカドロン4㎎が加わる。いつもの整腸剤ミヤBM錠、痛み止めのコデインと胃薬タケプロン。気分が悪いから、これらをヤクルトと紅茶で飲み下すのだけで一苦労である。職場にはミニマグ(150ml)の紅茶を持参する。

 今日は気持ちが悪い日用の楽々服装で。気温は22度まで上がるというので、ウエストのないマタニティのようなジャンバースカートと浮腫み防止の着圧ストッキングに秋用のトレンチコートを羽織った。
 家を出て歩いていてもやっぱり気持ち悪い。不織布のマスクにアロマリフレッシュスプレーをシュッシュとしても、自分の吐息でモワ~んと熱がこもって気分が滅入る。顔は火照っているし身体は熱っぽいので、とにかく暑苦しくて息苦しくて鬱陶しい。
 坂道ではより息苦しさが酷く、酸欠状態だ。いつの間にか口呼吸になって呼吸が浅くなっているのも毎度のこと。

 周りに人の姿が見えない時にはマスクを外して歩くことにしたいと思う反面、つけたり外したりもいささか面倒だ。吐き気止めのイメンドは効いてくるまで小一時間はかかるので、職場に到着して気持ちを切り替えるまでが結構しんどい。

 自席に着き、昨日届いた書類やメールに対応。あれこれ処理しながらもやっぱり吐き気は辛いし、生唾も出る。そして、残念ながら今日もきつ~く漂ってくる香害ともいえる香水臭。
 今日は午前中のWeb会議、昼休み途中からのリアル会議とも、月末最終週ということで開催なしなのがせめてもの救いだ。

 昼食は気分転換方々一番近いカフェまで出向いた。外はポカポカと暖かい。コートは不要だった。夫はクリーニング屋さんに出向き、ついでにサイクリングしたようで、すっかり進んだ紅葉の写真を送ってくれた。赤や黄色が美しく、これなら遠くまで紅葉狩りに出かけずとも十分だ、と毎年のように思う。
 まずは苦く感じる少量の水でナウゼリンを飲む。ピクルス多めのホットドッグを何とか半分、はちみつトッピングのホットカフェラテを頂いてほっとする。食後はミヤBM錠。カフェラテは飲み切れず、手持ちで席に戻った。

 午後もなんとかやり過ごし、這う這うの体で帰宅の準備。気が張っているから治療翌日はこうしてなんとか乗り切れるが、疲労困憊は否めない。帰路も気持ち悪さは収まらず、とぼとぼと帰宅。足が浮腫んで重いしステロイドのせいで相変わらず火照って熱っぽい。今日の歩数は職場往復プラスカフェの往復で7,000歩に満たなかった。

 夫は甲斐甲斐しく夕食を用意していたけれど、ナウゼリンを飲んでから朝食べきれなかったりんごとぶどうを頂いておしまい。いつもの食後の薬一式を飲んでダウン。
 明日は在宅勤務だ。資料は色々持ち帰ってきたので、マイペースで過ごせればと思う。

 さて、自分で「祝!」もないものだが・・・、の書き出しで毎年書いてきた10月27日の記事だが、昨日は治療日記と重なったため、書く気力も体力もなく1日遅れになった。
 昨日で12周年。一口に12年といっても干支1周である。4回目の年女の年にスタートし、5回目の年女、還暦になった。よくもしぶとく書き続けている、と我ながら思う。今日は新たな干支、二巡目のスタート日だ。きちんと調べたわけではないが、再発治療を切れ目なく続けながら、12年休まず更新をしているブログはそれほど多くはないのではないだろうか。

 初発でホルモン治療のみとか、経過観察だけになってしまえば、日々そうそう書くこともないだろうからなんとなくフェイドアウトになりそうだし、きつい再発治療を続けながら書き続けることは体力的にも精神的にもそれなりに負担になるかもしれない。

 開設からの日数は4,000日を超え、4,389日。12年の間、もがきつつも日々の愉しみを精一杯大切にしながら生きてきた日数である。その間、3,000を超える記事を書いた。今日で3,220番目の記事になる。
 これまでに見て頂いた頁は5,877,424頁、訪れてくださった方は延べ1,940,731人である。600万頁、200万人も夢物語ではなくなりそうである。

 昨年の記事によると、記事の数は2,959だったので、この1年で書き加えた記事は261ということになる。更新ペースはせいぜい週に5つ程度で、毎日というわけにはいかない。何ら特別なネタもなく、治療を続けながら平凡な暮らしをしている還暦女性だと考えれば、まあまあだろうと思う。

 13年半を超える通院・化学療法を続け、仕事も趣味も諦めることもなく、もちろん治療後の体調不良はあるけれど、私にとってQOLを保ちながらほぼ普通の生活を送ることが叶っている。
 定年まであと半年。再発当初、このブログを綴り始めた頃には到底叶うことのない希望だろうと思っていた。けれど、この大きな目標が、ゴールテープが、目に見える距離に入ってきた。
 思いのほか頑張ってくれている私の身体の底力と環境に、家族、友人、職場の方たちを初め沢山の方たちに支えられてこれまで命を繋いでこられたことに、今年も感謝したい。

 ブログを綴ってきたこの12年の間には、言葉には尽くせないこと、ブログには書けないことも多々あった。今は最大限減量し、かつ4週に1度にしたエンハーツがなんとか奏功してくれているようだけれど、その後について冷静に考えれば、まだ使ったことのない、使える可能性のある薬はタキソールだけ。

 現在も軽快しない手足の痺れがあって、果たしてタキソールを使えるのかわからない。文字通り後がなくなってきている。そして、ようやく地毛に戻ったというのに、タキソールを使えば5回目の脱毛が必至である。やはり棺にはかつらをつけて入るという哀しい事態になるのだろうか。

 さらに、同じ病の友人を今年もまた見送った。不謹慎な言い方と承知で誤解を恐れずに言えば、いよいよ“そして誰もいなくなった”という状況だ。
 深く付き合えば付き合うほど無情にもやってくる別れが辛すぎて、もう新しい再発仲間は作りたくない、と思った時期もあった。今なおその気持ちは続いている。

 けれど、再発治療を始めた頃のような「何が何でも今はまだ死ねない」という切羽詰まった悲壮感は不思議となくなっている。息子が自立してくれたことによる安堵と、ヨーガの智慧、そして私なりに私らしく日々を精一杯生き切れていると体感出来ているからだろう。心は不思議なほど穏やかで、凪いでいる。有難いことである。

 人生にはいくら努力しても叶わないことが多々あることは承知している。けれど、それでも、今、自分が出来ることを精一杯やったら、最善の結果が世界から用意されるというヨーガの智慧を思い出すだけで救われている。
 あらゆることはなるべくしてなる。結果をどうこうするのは自分自身の範疇ではない。自分をジャッジする必要もないし、人と比べる必要もない。肩の力はふっと抜け、とても楽になっていく。

 今年もコロナ禍のため、再発以来10年にわたり参加してきた母校の校友会音楽祭が、昨年に引き続き2年連続の中止となった。
 関西在住で社会人合唱団に所属する息子も同じ状況のようだ。それでも彼の団体のTwitterを覗いたら、今年のコンクール動画がアップされており、少人数の舞台で大きなマスクをつけて歌っているメンバーの姿を拝見出来た。
 マスク越しという大きなハンディキャップを抱えながら、言葉を正確に発音して会場に声を載せて届けること、ピアニシモからフォルテシモまで出すことの大変さは想像に難くない。

 我が身を振り返れば、今のエンハーツの治療後の不調を抱えながら月2回程度コンスタントに都心に練習に通うのは体力的にも難しかったと思う。来年こそは・・・と思うけれど、果たして復活出来るだろうか。

 上皇様ご夫妻の初孫でおられるプリンセスが一昨日結婚された。
 プリンセス誕生の朗報を聞いたのは30年前、平成3年10月23日、異動して半年ほど経過した頃、新しい職場の生え抜きの先輩と2人、担当する業務の全国大会に出席するため、新潟県に滞在していた時のこと。
 30年前のこととはいえ、海沿いの夕暮れの空がとても美しかったこととともによく覚えている。

 新聞の雑誌広告で、毎号毎号よくもまあ、と呆れるほどセンセーショナルな見出しやSNSの書き込みに接し続け、お心を保つのがどれだけお辛かったのだろうと胸が痛む。
 4年近くも直接お会いになることも叶わず、それでも揺るがずご自身のお気持ちを成就させた若いお二人の行く手に幸あれと、どうか心穏やかに新天地でお過ごしになれますように、と願ってやまない。

 思えば、このブログを始めてまだ日が浅かった頃、コメント欄を通じて「あなたのブログがある掲示板で話題に上がっていますよ」と教えて頂いたことがあった。
 患者会のご縁で始めた地味で写真もない字だけのブログは少しずつ訪問者が増えてはいたことで、どなたかのお役に立てているなら嬉しいなと思っていた。

 けれど、自分のことがそうした掲示板で話題にされるようになっているとは思いもよらなかった。内容を見れば、あることないことどころか、いわれもないネガティヴな誹謗中傷があり、すっかり落ち込んだ。それに対しては反論することもせず、沈黙を続けるしかなかったけれど、時折りどなたかがポジティヴなことを書いてくださると、待ってましたとばかりネガティヴサイドの書き手から「本人が書いている!」等と書かれ、どうしてそういう発想になるのか理解に苦しんだ。

 「いちいち落ち込むならそんなものを見なければよい。色々言われるのが嫌ならブログなんかやめればよい。」と夫には再三言われた手前、夫の前でも愚痴れなかった。けれど、実際、明らかに自分のことが書かれていることがわかっていて、それを全く見ないでいることは難しかった。

 冷静に考えれば、IPアドレス等を自由に変えながら、数多くの別人が言っているようになりすますこともそれほど難しくないから、ネガティヴなことを書いている人は、実はそれほど沢山の人ではないということが分かる。けれど、そういう人ほど何度も何度も執拗にレスを上げ続けるので、あたかも多数派のように感じられ、沢山の人がそういうふうに思っているんだ、私はそう受け止められているんだ・・・、と不安を煽られた。

 今や、こういうネット上の誹謗中傷で自殺者も出ることになって、明確な犯罪として認識され、処罰さえもある時代になったけれど、私のことが話題に上った頃は、それほどのことでもなかった。
 ヨーガの智慧を学んでからは、こういう所にはあえて近づかないようになったし、そういうことを言われても動じなくなった。発した言葉は種となって蒔かれ、必ずや発した本人が自分で刈り取らなければならない。だから、悪意ある言葉を浴びせられた方は、それをどうこうせずそのままにしておけばよい。これも有難いヨーガの智慧である。

 ともあれ、今年もこうしてこの日が迎えられたことの喜びを噛み締めている。12周年。ここまで続けてこられるとはゆめゆめ思わなかった。
 昨年も書いているが、10年一区切りとすれば、今日から2度目の3年目が始まった。そして干支が1周したことを考えれば2度目の干支が始まったばかりだ。頑張りすぎずに頑張って、丑年の私らしく我慢強く地道に生きていきたいと改めて心に誓い、昨日10月27日に予定通りの治療が出来たことにも感謝するばかりである。
コメント
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