今日、市の防災訓練があったことはツイッターにちらっと書いた。
わたしは班長をやっている関係で義務的に出席したのだが、
これがなかなか興味深かった。
夏の防災訓練では、炊き出しとか、照明や飲料水の確保などを行ったが、
今回は心肺蘇生法がメインだった。心肺蘇生法は小中学校のPTAでも習ったが、
そのころとはちょっと手順が変わっていた。なんでも心肺蘇生法は5年ごとに
見直されるそうで、今日のやり方は2005年のものだった。
つまり最新の2010年的方法はまた少し変更されているってこと。
昔と違っていて驚いたのは、人工呼吸はやりたくなかったらやらなくていいと言われた点。
人工呼吸をしなかったら、血液中の酸素がなくならないかと質問したら、
心臓マッサージで肺もいくらか動くから大丈夫なんだそう。
(あとでネットで調べてみたら、人工呼吸をしなくても、蘇生率は同じか、
むしろ高いという研究結果まであった)
心臓マッサージこそが大事なのだ。
実のところAEDよりも重要だそう。
AEDは心室細動を起こした心臓に電気ショックを与えて細動を止める機械。
電気ショックで心電図の波形は真っ平らになる。
そのあと心臓マッサージを続けると心拍が戻ってくるのだそうだ。
電気ショックを与えた直後に心拍が戻ることはまずないと言われた。
え、でも、ドラマや映画では電気ショックを与えたとたんに心拍が戻ってるよ。
するとテレビドラマでやっているのは間違いですか?と聞いてみた。
「間違いだとはっきりとは言い切れないんですが……」と歯切れの悪い返答。
けっきょくこれについては、よくわからなかったが、
現実問題として、AEDを使ったあとも、心臓マッサージは続ける。
そして2分経つと、AEDがもう一度波形のチェックをしてくれる。
もうひとつドラマや映画での描写と食い違う点があった。
電気ショックを与えていいのは心室細動を起こしている心臓だけ。
AEDの手順ではちゃんとそれを確認するプロセスがある。
フラットラインはだめなのだ。それじゃ「フラットライナーズ」は?
「アビス」でも、たしか心臓は完璧に止まってたよね。
映画じゃなくて現実でも、心臓移植手術で新しい心臓をつなぎ終えたあと
ふたたび鼓動させるため、心臓に直接電極を当てていた。
あの心臓もやはり細動なんかしていなくて、止まっていた。
けっきょくのところ、簡単な救命講習程度では、
数々の疑問に答えなど出ないのだった。
でも、疑問を感じたことに意義がある気がした日だった。
そうそう、もうひとつ、おもしろい話を思い出した。
AEDを使うときは、ネックレス等の金属製品をはずしたほうがいい。
でないと、金属が焼けて、やけどをしてしまうんだそう。
ところが、ある急患の胸をはだけてみると、へそピアスをはじめ
たくさんのピアスがつけてあったのだ。
でも、はずし方がわからないし、あまりにも数が多い。
それで、やけどをしたとしても、命を救う方がより重要だと判断して、
そのままAEDを使ったんだって。