おととい届いたPSBのアルバム、すっごくいい!
ふたつ前のアルバムにして、三部作の一作目『エレクトリック』は、
エレクトロニック・サウンドが勝ちすぎていて、肝心のニールのヴォーカルが
陰に隠れている感じで、大好きとはいかなかった。
三部作の三作目に当たるこのニューアルバムでは、ニールのヴォーカルが
存分に楽しめるメロディアスな曲ばかり。
ポップではあるんだけど、マイナーなメロディーラインに心惹かれる
『ホーピング・フォー・ア・ミラクル』と『ドリームランド』がとりわけ好き。
ここで唐突に話が変わるが、アルバムを聴きながら読んでいたのが、湊かなえの『未来』だった。
この小説で全編をつなぐモチーフとなるのが、偶然にもドリームランドなのだ。
ドリームランドというのは、小説世界でのディズニーランド相当。
すべての登場人物にとって、あこがれの場所、行きたい場所、行って未来への希望を持てた場所。
『未来』は互いに関わりのある4人の視点から物語られる。
それぞれの人生の重いことといったら!
湊かなえだから、それはまあ予想してはいたけど。
とりわけ主人公・章子の父母の中高生時代に遡る因縁には絶句。
まるで横溝正史じゃないか。
未来の自分から届いた手紙の種明かしがおもしろい。
SFとは無関係のこんな手があったとは!