散日拾遺

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4月4日(金)出勤前/宮殿盤鬱 樓觀飛驚 ~ 千字文 054

2014-04-04 07:07:51 | 日記
2014年4月4日(金)

 かつての卒論生Kさんが、デイケアの利用者さんたちとお花見に行った。
 
 老木のこずえを満たし若桜

 メンバーさんの作品だそうである。
 デイケアの利用者が年々減っており、Kさんは「デイケアが全てでなく、通過地点で社会資源も多くなり自分で選択できるようになった」と分析している。
 人が減るのは寂しいだろうけれど、そういう事情なら喜ぶべきことというわけだ。

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 南海代さんの絵について、
 「どんなのが入っているのですか?(がぞう)としか出ないのです」とMさん。
 そうだよねえ、自動的に解説をつけてくれるソフトとか、そのうちできそうだけど、まだないよね。

 説明なしの画像でごめんなさい。
 パンフレットは全16頁、南海代さん御自身の生活風景が描かれています。
 メガネをかけたおてんばらしい女性が、スキー板を抱えて歩いていたり、子ども達と一緒にクジラの壁画の手入れをしたり、スカーフを巻い てスクーターに乗り込んだり、映画や歌舞伎を見たり、プールで水泳したり、雪と戯れたり・・・という具合です。
 子どもの絵日記みたいで、 気どらない感じでとても良いのです。

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 朝刊にダウン症の特集記事、新型出生前診断開始1周年を意識して、親たちの発信に焦点をあわせている。さまざまな声が混じるが、「生まれてこないほうがいい」のでは「ない」という点は、はっきりしている。
 ダウン症の人々はおしなべて音楽好きで協調性に富み、穏和でつきあいやすい。ほくほくした気持ちとともに、何人もの顔が浮かんでくる。

 同じページの下に目を移して、笑いこけた。
 神奈川県の75歳女性の投稿で、夫婦で「改名」しようと試みた話である。そのきっかけが、観光旅行先の雑踏で「お父さーん」と呼びかけたら、大勢のお父さんたちが一斉に振り返ったことだそうで、かといって実名を曝すのも気が引けると考え、
「これから、あなたはロバート、私はキャサリンね。」
 ぶっ!
「あほらしい」と取り合わない御主人に、奥さんは計画を強行。ところがすぐに問題発生。
 御主人は「ロバート」と呼んでも、気づかず振り返らない。(気づかないふり、じゃないの?)
 奥さんは自分が何と改名したのか思い出せない。
「私って、ダイアナだっけ、エリザベスだっけ?」
「覚えてるわけないだろ」
 で、めでたく「お父さん」「お母さん」に戻りましたとさ。
 転記すると興ざめだ。投稿者の原文が、とても面白く書けていたのだ。

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 4月4日はいろんなことがあったらしい。
 琉球藩廃止・沖縄県設置(1879)、ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)来日(1890)、NATO発足(1949)、キング牧師暗殺(1968)、キャンディーズ解散(1978)、『おしん』放送開始(1983)、沖縄尚学高校、同県勢として初のセンバツ優勝(1999)、などなど。
 「カマの日」などとは、悪ガキの言うことだった。
  
 ところで、今朝のラジオでも聞こえてきた「加速化」は妙な言葉だね。「加速」自体に「速度を上げる」意味があるから、大概それで足りるはずで「化」は要らない、「速度を上げ続けることが恒常化する」というメタ表現でことさら使うなら別だけど。

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○ 宮殿盤鬱 樓觀飛驚(キュウデン・ハンウツ ロウカン・ヒケイ)

 宮殿は、建物が盤(めぐ)って、茂った林のようにびっしり並び、
 高楼は空を飛ぶかに見えて、人を驚かす。

 「鬱」については項を改める。

 昨夜届いた夜桜の写真を載せておこう。この春、卒論を提出して放送大学を卒業したFさんからだ。
 場所がどこかは説明不要、Mさんには後で種明かししましょうね。