2014年4月8日(火)・・・振り返り日記
父親が仕事を休んで入学式に出るなんてのはカッコ悪い、たかだか中学生までと思っていたら、「そうでもないと思うよ」と家人の一言。
定時に終われば昼休みには職場に着けるかと、ふと思い直して出かけてみたら、なるほど夫婦同伴の方が多数派だった。世の中は変わっているのだ。
型通りの進行が、いかにも都立校らしい。野球部入りを宣言して長髪をばっさり6分に刈り込んだ三男、DNAがどう間違ったものか両親に似ない長身で、遠目にもすぐ見つかる。
入学式だから新入生の事前練習もないのに、起立・礼・着席の動作が8クラス321名全員そろって一糸乱れず、たいへん行儀がよろしい。長男の学校も次男の学校もこうではなかった、らしい。次男の方は実は僕も見ている。PTA会長だったのだ、信じがたいことに。
吹奏楽の『威風堂々』、合唱部の校歌紹介、受付の手伝い、役の当たっていない上級生もすれ違うと「こんにちは」と明朗な挨拶、指導の賜物にしても、高校生になってこれほど大人の指示をよく守れること自体、相当な驚きである。もちろん自分はそうではなかった。だって高校だよ、小学校でもなければ、中学校でもないのだ。・・・やっぱりヘンかな。
校長先生の式辞は、「リーダーとしての自覚」と「そのために必要な教養」を身につけること。
次の「教育委員会」代表は、自身の高校時代に大好きな野球を断念して、勉強と生徒会活動に専念した体験を語り、それはそれで結構なんだが後がマズかった。「とはいえ」「けれども」「しかしまあ」と、逆接的話題転換語彙を駆使しながら、意味不明の話の終わりなく続くこと。
隣に座ったお父さんが、僕と反対隣の奥さんに向かって小声でぼやきだした。
「何が言いたいんだ?」「意味ないだろ」「さっきの繰り返しだよ」「いつ終わるのかな」
いちいち同感で苦笑していたら、家内に膝を押さえられた。ビンボー揺すりしていたのだ。父親たちの多くは僕と同じく次の予定への移動が気になる訳で、会場のそこここからこもった怒気が湯気のように立ち上っている。式の後でお隣さんに「参りましたね」と声をかけると、「教育委員会があんなふうだから、日本の教育が良くならんのです」ときっぱり断言した。
与えられた時間を超えて平気で長話する非常識は、医者と教師に多いような気がする。僕は医者で教師だから、二倍気をつけないといけない。
同窓会長は話しなれた様子で、「3つのC」が大切と切り出した。思わず身を乗り出したのは、次男の通った中高にも3Cで表せる校訓があったから。ただそちらは、ことさら英語で表すことはしていなかった。何かな、いくつ重なるかなと、一瞬楽しくなる。
本日の3Cは curiousity, challenge, そして communication だった。最後は「やっぱり」とコケた。先日の区立中学卒業式でも校長先生が強調したところで、コミュニケーション力が「流行りなんだよ」と後で次男に諭された。
次男の方のは「挑戦/創造/貢献」、英語なら challenge, create, contribute だから、challenge だけが重なっている。
c で始まるキャッチフレーズは無数に作れるが、特に印象に残っているのはテニスで大切な4C、これは control, combination, concentration, confidence。技術的なこととメンタルなこと、二つずつの組み合わせなのが面白い。
CCCはキリスト教カウンセリングセンターで、以前ここで話をしたときには、compassion, community, christianity とまとめてみたのだった。
この同窓会長さんは世界に冠たるX商事の会長さんであるらしい。同窓会副会長さんはもういっぽうのW商事の会長さんだと。次男の学校で長らく同窓会長を務めるFさんのことを思わず懐かしんだ。大した見識家だったが、現役一線を引いてからは特に有名でもない小さな会社を、仲間と一緒に楽しみに経営する穏和な人だった。
(続く)
父親が仕事を休んで入学式に出るなんてのはカッコ悪い、たかだか中学生までと思っていたら、「そうでもないと思うよ」と家人の一言。
定時に終われば昼休みには職場に着けるかと、ふと思い直して出かけてみたら、なるほど夫婦同伴の方が多数派だった。世の中は変わっているのだ。
型通りの進行が、いかにも都立校らしい。野球部入りを宣言して長髪をばっさり6分に刈り込んだ三男、DNAがどう間違ったものか両親に似ない長身で、遠目にもすぐ見つかる。
入学式だから新入生の事前練習もないのに、起立・礼・着席の動作が8クラス321名全員そろって一糸乱れず、たいへん行儀がよろしい。長男の学校も次男の学校もこうではなかった、らしい。次男の方は実は僕も見ている。PTA会長だったのだ、信じがたいことに。
吹奏楽の『威風堂々』、合唱部の校歌紹介、受付の手伝い、役の当たっていない上級生もすれ違うと「こんにちは」と明朗な挨拶、指導の賜物にしても、高校生になってこれほど大人の指示をよく守れること自体、相当な驚きである。もちろん自分はそうではなかった。だって高校だよ、小学校でもなければ、中学校でもないのだ。・・・やっぱりヘンかな。
校長先生の式辞は、「リーダーとしての自覚」と「そのために必要な教養」を身につけること。
次の「教育委員会」代表は、自身の高校時代に大好きな野球を断念して、勉強と生徒会活動に専念した体験を語り、それはそれで結構なんだが後がマズかった。「とはいえ」「けれども」「しかしまあ」と、逆接的話題転換語彙を駆使しながら、意味不明の話の終わりなく続くこと。
隣に座ったお父さんが、僕と反対隣の奥さんに向かって小声でぼやきだした。
「何が言いたいんだ?」「意味ないだろ」「さっきの繰り返しだよ」「いつ終わるのかな」
いちいち同感で苦笑していたら、家内に膝を押さえられた。ビンボー揺すりしていたのだ。父親たちの多くは僕と同じく次の予定への移動が気になる訳で、会場のそこここからこもった怒気が湯気のように立ち上っている。式の後でお隣さんに「参りましたね」と声をかけると、「教育委員会があんなふうだから、日本の教育が良くならんのです」ときっぱり断言した。
与えられた時間を超えて平気で長話する非常識は、医者と教師に多いような気がする。僕は医者で教師だから、二倍気をつけないといけない。
同窓会長は話しなれた様子で、「3つのC」が大切と切り出した。思わず身を乗り出したのは、次男の通った中高にも3Cで表せる校訓があったから。ただそちらは、ことさら英語で表すことはしていなかった。何かな、いくつ重なるかなと、一瞬楽しくなる。
本日の3Cは curiousity, challenge, そして communication だった。最後は「やっぱり」とコケた。先日の区立中学卒業式でも校長先生が強調したところで、コミュニケーション力が「流行りなんだよ」と後で次男に諭された。
次男の方のは「挑戦/創造/貢献」、英語なら challenge, create, contribute だから、challenge だけが重なっている。
c で始まるキャッチフレーズは無数に作れるが、特に印象に残っているのはテニスで大切な4C、これは control, combination, concentration, confidence。技術的なこととメンタルなこと、二つずつの組み合わせなのが面白い。
CCCはキリスト教カウンセリングセンターで、以前ここで話をしたときには、compassion, community, christianity とまとめてみたのだった。
この同窓会長さんは世界に冠たるX商事の会長さんであるらしい。同窓会副会長さんはもういっぽうのW商事の会長さんだと。次男の学校で長らく同窓会長を務めるFさんのことを思わず懐かしんだ。大した見識家だったが、現役一線を引いてからは特に有名でもない小さな会社を、仲間と一緒に楽しみに経営する穏和な人だった。
(続く)