2014年8月27日(水)
I先生:
札幌観光への御助言、ありがとうございました。3時間の散歩を、おかげさまで大いに堪能できました。
実は札幌、事実上はじめてだったんです。なので「時計台」が何なのかも分かっちゃいませんでしたから、拝観料200円で内部をゆっくり拝見し、決して失望しなかったです。
北大のキャンパスは特に素晴らしい!ましてポプラ並木が台風で傷む前は、どんな眺めだったことでしょうか。父方の祖父が大正年間に北大で学んだはず、そのことを散策中にふと思い出したりしました。北海道は良いところですね。
それだけに、なんですが・・・
いい年して子供みたいな物言いで恥ずかしいんですけれど、先生、「アイヌ」って何なんでしょうね?
「アイヌ」と呼ばれる人々がどういう存在か、という意味ではなくて(むろんそれもありますけれど)、この人々を過去においてこんな風に遇し、 そして現在に至っているということ、今の「アイヌ」を作りだした私ら日本人て何なんだろう、ってことです。
先生なんか、その問いとずうっと対峙してこられたことでしょう。
今年は4月に面接授業で沖縄を久々に訪問し、琉球/沖縄と「日本」についていろいろ考えさせられたのでしたが、沖縄とアイヌでは、疎外と取り込みの次元がまただいぶ違ったりして、そしていずれにしても「日本人って何だ?」というところに来てしまうわけです。
浦河訪問でそれに直接触れる体験があったわけではないんですが、例えば浦河はべてる以前からアル中の多いところだったそうで、当然そこにアイヌの問題が透けて見えるのは、向谷地さんも書いていたし僕などにも容易に想像できます。そのことひとつとってもね。
明治以降の日本人入植者の刻苦勉励と創意工夫は賞賛すべきもので、しかしそれがアイヌを滅亡に至らせるプロセスと連動してるというか共役してるというか、ひとつ事の裏表なわけですから・・・
あの有名な祈りにあるような「変える勇気」と「見分ける知恵」が、どうしても必要なのだと思います。「彼ら」の問題ではなくて「我々」の問題なのですから。祈りそのものは「受けいれるおちつき」によって、より鮮やかに記憶されているようですけれども。
I先生:
札幌観光への御助言、ありがとうございました。3時間の散歩を、おかげさまで大いに堪能できました。
実は札幌、事実上はじめてだったんです。なので「時計台」が何なのかも分かっちゃいませんでしたから、拝観料200円で内部をゆっくり拝見し、決して失望しなかったです。
北大のキャンパスは特に素晴らしい!ましてポプラ並木が台風で傷む前は、どんな眺めだったことでしょうか。父方の祖父が大正年間に北大で学んだはず、そのことを散策中にふと思い出したりしました。北海道は良いところですね。
それだけに、なんですが・・・
いい年して子供みたいな物言いで恥ずかしいんですけれど、先生、「アイヌ」って何なんでしょうね?
「アイヌ」と呼ばれる人々がどういう存在か、という意味ではなくて(むろんそれもありますけれど)、この人々を過去においてこんな風に遇し、 そして現在に至っているということ、今の「アイヌ」を作りだした私ら日本人て何なんだろう、ってことです。
先生なんか、その問いとずうっと対峙してこられたことでしょう。
今年は4月に面接授業で沖縄を久々に訪問し、琉球/沖縄と「日本」についていろいろ考えさせられたのでしたが、沖縄とアイヌでは、疎外と取り込みの次元がまただいぶ違ったりして、そしていずれにしても「日本人って何だ?」というところに来てしまうわけです。
浦河訪問でそれに直接触れる体験があったわけではないんですが、例えば浦河はべてる以前からアル中の多いところだったそうで、当然そこにアイヌの問題が透けて見えるのは、向谷地さんも書いていたし僕などにも容易に想像できます。そのことひとつとってもね。
明治以降の日本人入植者の刻苦勉励と創意工夫は賞賛すべきもので、しかしそれがアイヌを滅亡に至らせるプロセスと連動してるというか共役してるというか、ひとつ事の裏表なわけですから・・・
あの有名な祈りにあるような「変える勇気」と「見分ける知恵」が、どうしても必要なのだと思います。「彼ら」の問題ではなくて「我々」の問題なのですから。祈りそのものは「受けいれるおちつき」によって、より鮮やかに記憶されているようですけれども。