散日拾遺

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いみじくもヤバし・・・

2015-01-21 22:49:17 | 日記

2015年1月21日(水)

 朝は東京あたりで珍しい粉雪、1968年の冬の山形の朝を思い出す。猛る風にあおられてトタン屋根やガラス戸を叩く雪粒が、ぱらぱら、ざわざわと乾いた音を立てる。一瞬、これが霰(あられ)というものかと思った。山形の前は山陰・松江、その前は上州・前橋、いずれも当時はそこそこ雪が降ったが、湿った牡丹雪が相場で、こんなに固く締まった雪は見たことがなかった。

 北国のそれには比すべくもないが、東京にしては珍しく硬い芯をもった雪が、北千住の駅前を舞っている。不思議なもので、同じ気温ならば雪の降った方が温かく感じられる。9時間後、帰途にはむろん跡形もない。午後からは陰気なばかりの氷雨になっていたらしい。

 駅ビルから吐き出されてきた若いカップルが、「きょう、寒くね?」「うん、ヤッバい、今日の寒さ!」

 「やばい」が肯定的な意味で使われるのを初めて聞いたときは魂消(タマゲ)たが、慣れてしまうと「寒さがヤバい」が新鮮に聞こえる。良いのも悪いのも「ヤバい」って、少々発想が怠惰ではないかと思ったが、ふと気づいた。由緒正しい古語の中にも、同類がちゃんとあるではないか。

 

 「いみじ」

 

 これがそれだ。小西甚一先生の『古文研究法』にこの語の解説が詳しいんだが・・・やば、手許にない!

 まただよ、どこ行ったの~?