一韶の俳句ブログ

俳句を詠うのは自然・私・家族・夢や希望・社会など。読む時はどんな解釈が浮かぶか読み手の経験や生活によって様々

1301   墓のある限り故郷蕎麦の花   伝助

2014年08月23日 | 

(はかのある かぎりふるさと そばのはな) 

 この句には、謎が多い。例えば、

 故郷である根拠が「墓」というのが異様である。父母や兄弟、実家の建物、幼友達、海や山、田や畑、映画館や喫茶店・・・・故郷の根拠は、他にいくらでもあるではないか。しかし、作者は墓以外を一切否定している(とは限らないが)

 ということは、作者が故郷に帰った時、墓以外に昔を思い出させるものがない、ということになる。父母兄弟は死に、実家の建物は取り壊され新しい建物になり、田畑は住宅街に変わり、町を歩いても全て近代的建物になり・・・・・

 しかし、故郷の根拠がもう一つあるではないか。蕎麦の花が。いづれにしても、おかしな句ではある。

コマツナギ(駒繋ぎ)

コメント
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