第231回 11月 岩戸句会
立冬や願を持ちて我老いむ 洋子
人肌は誰の人肌燗をする
静かなる一樹にひとり松手入れ 薪
羅漢の膝に一円光る紅葉山
滑らかな大根干さる町屋窓 豊春
風邪声に呼びとめられし朝の市
木枯しや見えないものに急かされて 稱子
繰り言を聞くもよしみや草の花
湯豆腐や爆破されたらどうするの 炎火
請求書電気にガスに冬が来た
ギンナンが公園覆い人急ぐ 余白
自転車を前かがみ乗る冬の風
余生をば冬めく雲に託しけり 章子
北窓にパッとはじけるポインセチア
次はさて誰にあげよか貰い風邪 雲水
冬日向バリカンで刈る無精髭