一韶の俳句ブログ

俳句を詠うのは自然・私・家族・夢や希望・社会など。読む時はどんな解釈が浮かぶか読み手の経験や生活によって様々

1914   陶雛の見つめる宇宙兜太死す

2018年02月27日 | 

(とうひなの みつめるうちゅう とうたしす) 

 現代俳句協会名誉会長・日本芸術院会員、文化功労者の俳人金子兜太氏が逝った。俳句界の「巨星墜つ」と言うべきか。有名な人で句集や著作も多いから、多くを語る必要はないだろう。

「梅咲いて庭中に青鮫が来ている」など難解な句も多い。兜太氏は私の師匠多留男先生と同年代で、戦争体験がその後の人生と俳句に大きな影響を与えていたのは間違いない。以下、代表句として知られている10句。

 曼珠沙華どれも腹出し秩父の子

水脈の果炎天の墓碑を置きて去る

銀行員等朝より蛍光す烏賊のごとく

彎曲し火傷し爆心地のマラソン

人体冷えて東北白い花盛り

霧の村石を投らば父母散らん

暗黒や関東平野に火事一つ

梅咲いて庭中に青鮫が来ている

おおかみに蛍が一つ付いていた

夏の山国母いてわれを与太という

唯今5分咲きの梅

 

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする