(とうとうとうえた こんこんとあぜのみず)
作者から伺ったところによると、この句は、旅をした長野県松本付近の句だという。青々と、そして広大な田植えの終わった田園風景。梅雨時だったこともあり、畔を流れる清冽な水が思い浮かぶ。きっと、立山連峰や穂高連峰の山々が、間近に見えたことでしょう。
「とうとう」には7種類の文字と意味の違いがありました。
蕩々―はてしなく広いさま。心のやすらかでゆったりしているさま。
滔々―水がとどまることなく流れるさま。次から次へとよどみなく話すさま
丁々―斧で木を切る音や杭を打つ音の響きわたるさま
到頭―物事が最終的にそうなるさま。ついに。結局
洞々―穴などがぽっかりとあくさま。また、黒々と奥深いさま。
幢々―炎などが揺れ動くさま
鼕々―鼓や太鼓の鳴り響くさま
「こんこん」には4種類の文字と意味の違いがありました。
滾々―水がさかんに流れるさま。又、尽きることなく涌くさま。
懇々―心を込めて丁寧に説くさま。
昏々―暗くて物の区別がつかないさま
献々―杯を何度も重ねること
シモツケ(下野)