一韶の俳句ブログ

俳句を詠うのは自然・私・家族・夢や希望・社会など。読む時はどんな解釈が浮かぶか読み手の経験や生活によって様々

2171  障子張る祖母のまねして母まねて  洋子

2020年12月04日 | 

 明治維新以後140年、「日本は西洋に追いつけ」とばかりに西洋化していった。軍隊しかり、汽車、自動車、教育、住宅、洋服、音楽、食事・・・まあ全てが変わったと言っても過言ではないだろう。

 能、狂言、歌舞伎、琵琶、長唄、日本画、茶道、剣道、柔道、染物、漆器、陶磁器、日本刀など、西洋化に押されながらも、細々と生き残っているものもある。跡継ぎがいなくなり、絶滅を危惧されている職種も多々あるだろう。

   純和風住宅はほぼ滅んだが、洋風住宅の中にわずかに和室が残り、床の間、畳、障子、土壁、などが残されている。

   さて、この句の「障子張る」は秋の季語。冬に備えて張り替えるからである。障子だけなら冬の季語である。障子は、平安時代後期が起源とされ、障子張りは、千年にわたり受け継がれてきた伝統行事である。

 障子張りは、結構面倒な作業である。子供の頃の我が家は、大掃除と共に年末に行っていて、よく手伝わされた。

 まずは敷居から外して屋外で洗う。近くに小川があればいいし、なければバケツ、ホースがあれば尚良い。

 障子を付け置いてから、こびりついた糊や紙をたわしできれいに落とし、乾かす。糊は、米を煮て作る。障子は下から貼る。最後に霧を吹いて皺を取る。

 現在、我が家には和室がないから障子がない。喜んでいいのか、悲しむべきか。実際私は、喜んでいる怠け者である。

サザンカ(山茶花)

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