ぶつぶつと呟き聞こゆ紅葉川 薪
コロナ不況の保護猫貰う小春かな
畑道を静かに揺るる草紅葉 イヨ
雪富士を背負い夕べのかの山よ
障子張る祖母のまねして母まねて 洋子
テレワーク息子は別人おでん煮る
朝時雨軒に二連の柿すだれ 裕
昼時雨冬芽を硬く暖かく
見習いの剪刀のリズム松手入れ 稱子
労りの二人の暮し鳳仙花
風水の幸せ色の大銀杏 凛
時雨駅傘をさす人ささぬ人
冬の朝株式欄と新コロナ 炎火
富士壺と同じ遺伝子雪の富士
二千キロ飛行する蝶密を吸う パピ
時雨るや俊寛僧都流刑の地
風水の幸せ色の大銀杏 凛
時雨駅傘をさす人ささぬ人
秋灯火頁繰る指眠り入る さくら
夜長し多くなりゆく生返事
赤い橋人の恋しい時雨傘 一煌
舞うほどの花をもたざる冬桜
半日で障子張り替え大欠伸 豊春
夕時雨取り残されし庭草履
空になき都民憧れの天の川 余白
朝時雨継ぎはぎ補修の舗装道
秋深し一番星のお湯の中 沙 会
冬浅し水かけ論も会話中 〃
来年の手帳ぼちぼち買わなくちゃ 貴 美
胸に抱く焼き芋温し帰り道 〃
冬木立朝日大きく呑み込みぬ 鞠
いろいろの冬のヤモリと出会いけり
野の花を挿して勤労感謝の日 雲水
鬱蒼と猪のぬた場の濁り水