一韶の俳句ブログ

俳句を詠うのは自然・私・家族・夢や希望・社会など。読む時はどんな解釈が浮かぶか読み手の経験や生活によって様々

2198   第296回 4月 岩戸句会

2021年05月02日 | 

落椿三々五々に黄泉の道       薪   

紋黄蝶下りゆく井戸は穴生積み

 

青空を吹く風もあり散る花も     沙会

バッサリと髪切り上げて入学す

 

爺と婆スマホタピオカ山笑う     豊春

髭剃りの鏡横切る初燕

  

二月堂化身の椿のりこぼし      鞠

鉄線花割りし蕾はまきまきに    

 

風に揺れ瀬音に揺れる若楓      凛

蜥蜴の子電光石火の雲隠れ

 

僧堂の読経さながら花吹雪      炎火

出陣の学徒の列やチュウリップ    

 

俎板に億の切り傷若布汁       さくら

一重八重濃淡多彩肥後椿

 

ポケットに櫻の花あり目黒川     歩智 

連休に炬燵どけるか外そうか

 

落椿ふつうの今が現在はなく     光子

春キャベツ虫喰いあとのない不思議

 

春ショール半年降りのJR      パピ

三校で百人満たない入学児

          

春濤や砂浜走るロングトーン      鯨兕

落ち椿水に浮かばせ華の余生  

 

茹でこぼす灰汁のあぶくや春惜しむ   裕

緊急も回を重ねて蛙鳴く

 

ふくらみてふくらみ過ぎて白木蓮    洋子

剪定や光と風を通りゃんせ

 

囀りをあしらいにもして茶懐石     稱子

もみじ蕊払うて山の茶会かな

 

土日毎雨降り続き若竹煮        余白

老夫婦手取り杖持ち花見かな

 

咲くも赤散りゆくも赤山椿       イヨ

夕暮を散る音静か竹の秋

 

熊野(ゆや)の藤母の優しき髪に触れ   黄玉

椿落ち一渓春水香る山笑

 

拠りどころなくぶら下がる花木通    雲水

人呼んだつもりで犬を四月馬鹿 

ハコベ(繁縷)

コメント (2)
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