一韶の俳句ブログ

俳句を詠うのは自然・私・家族・夢や希望・社会など。読む時はどんな解釈が浮かぶか読み手の経験や生活によって様々

2207  嫁ぐ朝ふと香水が他人めく  さくら  

2021年06月02日 | 

 今月の兼題「香水」の俳句には、大きく分けて二つのタイプがあった。日本人は欧米人と比較して、体臭が強くなく、毎日風呂に浸かり、とても清潔好きであるから、体臭を打ち消す香水を余り必要としない。つまり、香水に対して否定的な句。例えば掲句以外にも

過ぎたるは異臭となれる香水かな 光子

すれ違ふかの香水にまわれ右   凛

香水はいらぬ自然な妻がいい   裕

 

一方、肯定的な句もある。

香水と二人連れなる夜の街    沙会

香水に力得て言ふI love you   沙会

亡き人のなつかしい香水     鞠

 

  さて掲句。香水をつけたのが自分なら、嫁ぐという特別な日に、特別な香水をつけて自分が自分でないように感じたのだ。勿論、身内の誰かのことかもしれない。

 

 又、そのどちらにも当てはまらない句もある。

舶来の香水瓶のレトロ感      さくら

毒という香水に酔いしあの時代   鯨児

香水や妻の遺せし十五年      雲水

 

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