この日記は、4月17日の日記のその②(後半)である。前半については、その①を参照されたい。その①は、この日記の上方に掲載されている。
グルメタイムを終え、巡礼を再開する。第6番の卜雲寺は、一見すると普通の大きな家のようなお寺である。納経場の方はとても気さくで、「ちょっと早いけど、羊山公園の芝桜を見に行ってみたら」とアドバイスを下さった。
7番の法長寺では、団体さんと一緒になる。見たところ先達さんもいらっしゃるようで、集団で唱える般若心経が印象的だった。正直、お寺で団体さんと一緒になるのは好きではない。理由は、単純にうるさいから。しかし、団体巡礼というのも巡礼方法のひとつとして確立されているので、いつまでも忌み嫌っていても仕方ない。
第8番の西善寺は、これまた秩父にしては立派なお寺である。境内には樹齢600年といわれる紅葉の木があり、その存在感たるや本堂が霞むほどで、根元の苔も風情がある。このお寺には、もう一度秋に来たい。
第9番の明智寺の駐車場を探して辺りを走っていると、突然目の前の家から犬が飛び出してきて、車の前に立ちはだかる。車から降りていくと、最初こそ警戒して吠えられていたのだが、ゆっくり近づいて撫でてあげるとすぐに慣れてくれた。後から家の方が出てきたので、ついでに駐車場の場所を尋ねると、「あそこは境内に止めて大丈夫ですよ」とのこと。どうりでいくら探しても見つからなかったわけだ。お礼を言ってから、すぐに境内へ。ここのお寺は、敷地こそ狭いものの、観音堂の造りが独特なのが印象的だった。また、すぐ近くには三菱マテリアルのセメント工場があり、お寺の前を頻繁にタンクローリーが行き来していた。
宇部のじゃなくてごめんなさい。
続いては、一旦巡礼を中断して、先ほど教えて頂いた羊山公園の芝桜を見に行く。園内は、若いカップルから中高年の団体まで、幅広い年代の観光客で賑わっていた。しかし、そもそも芝桜がまだ5分咲きぐらいであることに加えて雪が積もってしまったので、景色はあまり良くない。おそらく、ピークは月末から来月頭ぐらいだろう。だが、芝桜以外にも見所が多く、立ち寄って正解だった。
雪も白いし、花も白い。
普通の桜は満開だ。
羊山公園だけに。
体が痒いの。
出店で買った苺シャーベット。
苺を丸ごと潰して作ったようで、そのものを食べているようだ。
続いては、第10番の大慈寺へ。ここは、最近仁王門や本堂の塗り替えを行ったのか、建物に使われている木材の色が特徴的だった。
続いて、第11番の常楽寺へ。ここの納経場には立て看板があって、巡礼の作法や納経の意味についての注意が書かれていた。巡礼のレジャー化が進む昨今では、その宗教的意義が軽視されつつある。それは、私たち巡礼者側だけでなく、それを迎えるお寺側にも責任があるといえる。儲かるからと何でも受け入れるのではなく、ここのお寺のように、巡礼の本来のあり方を指導するという姿勢が必要なのではないだろうか(ちなみに、私は巡礼のレジャー化そのものを否定するつもりはありません)。
中でも一番重要なのは、御朱印は本尊を書き入れることだということ。
次は、第12番の野坂寺。ここは、敷地こそ狭いものの、見所の多いお寺である。そのためか、一般の参拝者も多く、巡礼に限らず観光地として認識されているようだった。私が行った時には、ちょうど小さい子ども向けの法話が行われており、本堂の入り口には小さい靴が所狭しと並んでいた。小さい頃からお寺が身近な存在としてあるというのは羨ましい。
山門の裏側
名前を忘れてしまったが、左側の仏像の柔和な笑顔が印象的だった。
あずかり観音(右側)は、怒りや痛み、悩みを預かってくれるらしい。
第13番の慈眼寺は街中にあり、西武秩父駅からも歩いて5分ほどで行ける。境内には経堂(輪堂)もあって、その中にも数多くの仏像が祭られており、本堂はまた一味違う雰囲気が味わえる。
輪堂
紐を持って右回りに1回(場所によっては3回?)まわすと、
お経を読んだのと同じ功徳が得られる。
14番と15番へは、13番に車を停めて徒歩で向かう。まずは、第14番の今宮坊へ。ここは本当に質素なお寺である。個人的には、こういう雰囲気は好きだ。ちなみに、ここも納経所は境内にはなく、斜め向かいの建物なので注意。
この案内板は、秩父巡礼のお寺に共通して置かれている。
第15番少林寺。本日最後のお寺である。このお寺は線路のすぐ近くにあるので、般若心経を唱えているうちに踏み切りの音が聞こえてきたりする。それもなかなか風情があって良い。他にも、本堂が白いのが印象的だった。なぜ白にしたのだろうか。
今日の巡礼を終え、西武秩父駅近くにある豚みそ丼の専門店「野さか」で夕食。名物の「豚みそ丼(大盛)」を注文したのだが、思っていた以上に量が多くてお腹がいっぱいになった。よっぽどガッツリ食べたい時以外は、並盛で十分だろう。肝心の味のほうはというと、豚肉を炭火で焼いているため、とても香ばしい。ただ、「豚みそ丼」と謳っている割には味噌の味が薄かったように思う。しかし、おいしいことはおいしい。
お肉がお椀からはみ出している。
夕食を終え、帰りに日帰り温泉「星音の湯」へ寄る。時間がまだ早かった(18時過ぎ)ために星は見えなかったが、温泉の泉質が良く、肌がツルツルになった。何となくだが、普通の温泉よりも成分が濃いように思う。お風呂にゆっくり浸かった後、併設の食事処でハロハロパフェ(アイスクリームとかき氷のパフェ)とわらび餅を食べてから帰路に着く。帰りの高速は順調に流れていたが、途中で眠くなったために三芳PAで仮眠を取ったので、帰宅は22時半になってしまった。