私にはきっと輝く未来が待っている。自分は確実に玉の輿に乗れるだろう。彼女はそう確信すると、自分の未来への明るい展望や夢を延々と瞼の裏に描いてみるのでした。彼女の目の前には広大な映画の映像の様な世界が広がって見えていました。自分にはこんなに幸福で明るい未来が待ち受けているんだわ。なんて幸せな人生を送る事が出来るんだろう。彼女は自らの夢に酔いしれていました。そして、ふと年下の従姉妹のことを思い出しました。従妹には…、
彼女は思いました。そんな幸福な私に比べて従妹には、あの自分とは雲泥の差の年下の従姉妹には、そう考えが及んで来ると、にこり、と彼女は微笑みました。そこで彼女は頬に靨を携えたまま、再び振り返って後ろにいる年下の従姉妹の顔を見やりました。と、その時です。
今迄曇っていた空の下、施設の広場を包みくすんだ陰を落としていた雲が晴れて、雲の端から長塀の付近一帯に夕刻の赤みを帯び始めた日差しが、くすんだ大気をさっと吹き払い、広場の一角が明るく熱を帯びて金色に輝くと、その光が辺り一面に弾ける様にぱぁっと広がりました。
「眩しい」
思わず私は叫びました。それまで大気がくすんだ世界に目が慣れていたせいです。私は、急に広場に差し込んで来た輝く日の光を瞳にまともに受けて、目に痛い程の眩しさを感じると閉口しました。くらくらと目が眩んで開けていられ無くなり、一瞬光から顔を背けてみたものの、その後は、何が起こったのかと目をぱちぱち瞬きながら自分のいる世界を眺めてみます。私は自分の周りの世界を見回してみました。が、目に映るのはカメラのフラッシュの直後の様に、溢れ返る金糸銀糸の光彩の塊ばかりです。私の視界は全く利きませんでした。