Jun日記(さと さとみの世界)

趣味の日記&作品のブログ

うの華3 24

2020-08-06 09:54:45 | 日記
 そんな祖母に、私は一寸頬を膨らませたが、ちょろりと悪戯っぽい色を自身の目に浮かべると、祖母と私の目と目を合わせた。そうして彼女の笑顔に応える様に、私は同じ笑顔で以って彼女に返した。

 「邪魔しないよー。」

捨て台詞の様にそう言うと、私は勢いよく台所へと向かって駆け出した。 

 たたたたた!。

…とはいっても、子供の私の事だ。気付かない内に私は母の邪魔になっていたのだろうか?。私は居間から台所へと続く廊下の途中で立ち止まった。その場所から台所を見やると、流しの方で手を動かす母の姿が見えた。思案した私は、そこで安全策を取る事にした。

 台所へ行かなければ、私は必ず母の邪魔になる事は無いのだ。そこでクルリと踵を返すと、私はさっと居間へと戻り素早く階段の方を眺めた。すると、階段下に黒い人影が見えた。祖母だ!、と私は一瞬思った。が、よくよく見ると、その地味な身なりは祖父のものだった。祖父は今日は和服姿なのだなと私は思った。

 普段外出の多い祖父は洋服を身に付けている事が多かった。が、全く在宅のみの私事だけの時は、今迄も地味な色合いの着物姿で家にいる時があった。今日はその日だったのだろう。しかし私がこうやって改めて眺めてみると、祖父と祖母の地味な着物の着合わせ方は実によく似ていた。はっ!。『流石に鴛鴦夫婦というものだ!。』、私は感じ入った。

 私の感嘆した声が聞こえたのだろう。階上に片耳を向けて耳を澄ましていた祖父の背は、ハッとした動作を行った様に私には見えた。やや肩を窄めて、祖父は彼の肩越しにそっと私を振り返った。

 その時の祖父はこちらを窺う様でいて、その実不遜な表現を浮かべていた。彼の小さくなった目の表情に、何だか祖父は機嫌が悪そうだと私は感じ取った。祖父の機嫌を損ねたのだろうか?、そう考えると私の歩む勢いは衰えた。暫し居間で立ち往生した私だった。

 そんな私に祖父は、

「私はこの家の主人だ、私のする事に何の臆する事も無い。」

と一言いった。勿論、私には意味不明だ。

「そうだろう。」

そんな事を、子供に真面目に言われても、困るんだよね、正直。と私は思った。

 眉根にシワを寄せた私を見て、祖父は厳しい顔をふいと崩すと、如何にも可笑しそうにぷぷぷと笑った。そうしてその彼の目は、悪戯っぽい輝きを帯びた。『冗談なのかい!。』、私は祖父の顔を見上げると渋い顔をした。

今日の思い出を振り返ってみる

2020-08-06 09:27:05 | 日記

うの華 28

 母は少々驚いた顔をして振り向いた。私の顔をじっと見ると、「おや驚いた。少しは物事が関連して考えられるんだね。」と言った。 母はそれでいいんだよと言うと、去りかけた足を......
                
 朝から暑いです。何を書こうかと思います。毎夏、盛夏の時期はパソコンも調子が悪くなります。

 さて、家の縁側に放置してあった母の自転車を玄関先に出してみました。2年程屋内に在ったので、タイヤがペタンコです。乗れるかしら?と、早速空気入れです。
 前後のタイヤの空気を満タンに、といってもこの炎天下、気を付けないと満タンから破裂してしまいそうです。調子良く仕上がれば、早速買い物などに使用してみます。今回の使用は試用でもあります。乗れるかしら?、自転車が?、私自身が?、何方も不安感満載です。