Jun日記(さと さとみの世界)

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牧歌の郷

2017-09-21 09:56:58 | 日記

 その方は私の不信感が分かったらしく、気を利かせられたようです。道の前を行く人に順に伝言して、私の同室の女性を傍に寄こしてくれました。その同室の女性の顔を見て、漸く私は安心して招かれた道を進んでいきました。

 道は上り坂になっていました。家の別の面の方向へと回り込んでいる感じです。こちらの方行は小さな丘のようになっているようです。上り切ったところで家の側面にベリー類が実り、ハーブ、私の知った物だとディル(ディール)等の杯状に丸く黄色いぽつぽつした花が咲いている場所へ出ました。家の壁に沿って簡単な作りの柵をした花壇が長くある感じです。家庭的な花壇、家庭菜園のようだと思いました。

 パラパラパラ、細かい雨の粒が大きくなってきたようです。何時の間にか雨が降っていましたが、音が高くなってきたので私達は足を速めました。この家の傍らの菜園にも、庭ほどではありませんが盛んに蜜を集める蜂が何匹かいました。彼等に慣れた私はこの蜂達と群れ咲く花、木の実の形や色を観察しながら入口へと近づいて行きました。ラズベリーやブラックベリーなどあったように思います。降り注ぐ勢いの増した雨に、私は急き立てられるように入口へと急ぎましたが、何となく名残惜しい感じで家の戸口を潜りました。慣れてきた私はもう少し花や蜂を見ていたかったのです。

 この裏手の花壇にはキッチンハーブ、ディルかフェンネルのような目立つ大きな花がありましたが、他にも香辛料に使うハーブ類が植えられていたようです。可愛いベリー類も多く色付いて実っていました。戸口直ぐの菜園なので、料理用に取りに出る事を考えて作られているのでしょう。するとここは勝手口になるのかなと私は察しました。入ると台所があるのだろうと考えていました。

 (西洋のハーブ類の香辛料が植えられているのは勿論日本と違っていますが、ベリー類が何本も植えられているのも私には物珍しく見えました。日本の昔の民家も案外そうなのかもしれませんが、私は町育ちでしたから本当に物珍しくこの菜園を眺めたものです。)        

 (庭に植えられていたズッキーニ。)


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