Jun日記(さと さとみの世界)

趣味の日記&作品のブログ

うの華3 37

2020-09-11 10:21:55 | 日記
 この歳になると、孫も何人か目になると、祖母はおずおずという様な感じで語り出した。

「何でも考えてみるようになるんだよ。」

この身代もあるしね。どの子とか、その孫のどの子に如何とか…。

 そう言いながら、俯いた祖母の私を見る目がしばしばと、瞬きを重ねる様な上目遣いとなった。私は未だ坐した儘だった。その為、私はこの祖母の下からという様な目線を奇異に感じた。私の方が偉い立場にある感じがして妙に思えたのだ。私もまた祖母の真似をするように目を瞬いた。

 一旦途切らせた話を、祖母は続け始めた。

「お父さんと私には、」

このお父さんはお前のお祖父ちゃんだが、お祖父さんとこの私の事だよ、私達には大した蓄えが有ってね、それは相当に大きいんだよ。膨大というんだが。それを…、祖母は口ごもった。狙うとか、取られるとか、…そういった事だよ、私やあの人が恐れている事は。

「子どもはいいんだよ。私達2人の血筋なんだからね。如何使おうが、その結果如何なろうが。」

「問題はその連れ合いやその先の何某かだよ。その血を分けた細かいのとか…。ね。」

 そこ迄言った祖母は妙に目を見開いて私を見詰めて来た。そうしてねめねめとした目付きになり、ふんと、何だか意地の悪そうな表情で私を見詰めると、そこで彼女はプイっと横を向き、再び私の方へ顔を戻そうとして戻し切らずにいた。

 見詰めている私に、彼女は顔だけやや斜に構えた様な格好で正面を見せると、手を先程からと同じ様に前掛けの前に組んだ儘で立っていたが、その顔だけをしげしげと私が見詰めてみると、申し訳の様にちらりとだけ私に視線を投げ掛けてよこした。が、その後もやはり祖母は私から顔だけ背けていた。

 「騙されたくは無いんだよ。私もお父さんも。」

このお父さんは祖父の事だな。咄嗟にだが私は思った。

今日の思い出を振り返ってみる

2020-09-11 09:25:53 | 日記

うの華 46

 母の出奔先はと言うと、今回は直ぐに実家という訳にも行かなかったようだ。我が家へ戻って来たのも思ったより遅く、家から姿を消して4、5日経ってからの事だった。「日数が経つとそれだけ敷......

 暫く1日の天気が曇りから雨と、連日続く予報です。なので今朝のお天気はよく、ここ数日がそうだった様に晴れた空が覗いています。これが午後には雷雨等有り、今日も雨の確立は60パーセントなので、ここ数日暑さにも一息吐ける感じで今週後半が来ています。
 今週を振り返って、庭に蔓延ってきて困っている山の芋蔓に、庭の整理も兼ねて除草剤を掛けた時の事です。古いプラ鉢の、材質が脆く変質した物で、以前壊して壊れ切れなくて、底だけ残っていた物が有りましたが、その底の部分に、ぺったりとプラスチックの様な二筋の模様が有るのを見つけました。長さ30㎝程、幅は4㎝程でしょうか。乾燥してきれいに模様がざらざらと見えるものでした。この抜け殻本体の後半部分でしょうか。1つの先は細く尖った感じでしたから。
 と、私に取っては思い出したくも無い物を発見しました。一般的な人が嫌いなように私も嫌いな動物です。それが庭にいて、縁から庭に降りる踏み台の上に置いてあった、プラ鉢の残骸で脱皮した訳です。嫌だわ、でした。しかも、そのプラ底をゴミ袋に入れる時に、とても生臭い匂いが漂いました。それでそこを住処にしていたのかもしれないと思うと、困った物だ!でした。嫌ですよね。
 庭は家族が殆ど出る事が無く、毎日廊下から草木の様子を見ては、時折殺虫、除草剪定と管理しているだけでした。ここは6畳か8畳ほども有るでしょうか。小さな庭というような大きさです。こんな狭い場所に、来るんですね。嫌な動物。
 嫌な物は嫌な物なので、即、庭や玄関先の鉢周辺に木酢など撒いておきましたが、効果があるかどうか。玄関先にも十数年前に小さな物が忍んでいて、鉢を移動した時に足元にポタリ、にょろりと。相当ビックリでした。
 市街地が過疎化して、私の幼い頃には見なかった動植物を実際に見聞するようになったのが2000年前後からです。鳥は物珍しく可愛いですが、雨蛙が住むようになり、こういった爬虫類の大小の物が目に付くようになる回数も近年は増えて来ました。思い返すと、近所に所々の空き家が増えて確実に過疎化が進んでいます。家の近辺や地域が、人より自然の動植物の勢いが勝るような環境になって来ているのを、近年は益々感じます。

うの華3 36

2020-09-08 13:52:43 | 日記
 そんな祖母の顔や様子を、私は文机の前に座しながら、やや横から斜めに見上げるという様な面差しで眺めてみた。沈黙したままの彼女は酷く気落ちしているように見える。その姿は恥ずかしそうに見え、何がしかの反省をしているように私には思われた。

 それから私は、そんな沈んだ様子の祖母を見つめる事が酷く悪く思われて来た。私は彼女から目を離すと、再び鞭に目を移してみた。やはりこれは不気味だ。微細な煤が細棒から噴き出て来そうな漆黒の闇を感じる。私は身震いした。

    これはムチという物?、そして、『そんな母親』…か。ふむ、ということは、…。祖母が自身を卑下したように言った最後の言葉が私の心に引っ掛かった。『お祖母ちゃんは、自分が悪い人だと言っているのだ。』、ハッとして私は思った。

 「お祖母ちゃんは、悪くないよ。」

反射的に、祖母に向き直った私はきっぱりと言った。「お祖母ちゃんは良い人だよ。」。そう言うと祖母は緊張した面持ちの中に煩悶するような表情を覗かせた。彼女はその後やや寂しそうな表情で私の顔を見ると、お前と言い掛けたが再び黙った。

    その後の祖母は、彼女を見守る私の目の前で複雑な変化の表情を覗かせた。その中には怒りの感情も有り、それと分かると私はドギマギした。

「お祖母ちゃん、怒っているの。」

そうっと、私は祖母に尋ねてみるのだった。

 祖母はやはり沈黙して暫く静かな儘でいたが、両手を着物に着けた前掛けの前で組み合わせると、否と、

「否、お祖母ちゃんは怒ってなどいないよ。」

と、答えた。

今日の思い出を振り返ってみる

2020-09-08 08:01:48 | 日記

うの華 45

 そんな私の密かな有様を、二階の窓からこっそりと父が垣間見ていた。私は全く気付かなかったが、父にすると痛く気に障る行動であったらしい。ムッとしたのだろう、後日改めて面と向かって注意......

 良いお天気です。青い空。

 街灯の方は夜点いていました。家の前の物は半分くらいの灯りでした。暫くして窓を覗くと、付いていなかった半分の方にも光が見えてホッとしました。全体的にやや少なめの光方でしたが、まぁよいかと、家の方に反射シールを取りつける事にしました。こちらでも、何かしら事故防止の努力をしなければね。と、思います。

街灯復活❗️

2020-09-07 11:18:45 | 日記
    街灯が直ったようです。先程修理中でした。良かったです、とても嬉しいです。
    暖かな、オレンジ色に点る明かりが、覗いた窓から見えました。配線や電球等、あれこれ点検されていた様子です。家の近辺は、駐車場の入口横に立つ街灯が、数ヶ所消えていました。車の出入りが原因なのかもしれません。この辺りは地盤が弱いと聞いたことがあります。家の辺りは小高い丘の中腹になります。ミニチュアの山のような地形。小規模な崖や沢の様な場所も在りそうです。
    ここ何十年かの市街地の過疎化で、益々ドーナツ化現象が進み、空き家が増え、人が住まなくなると、本来の植物や地形の特性が復活して、地域の環境が元の自然に帰って行きそうです。
    ここはこの地形を生かして造られた城下町なのでしょうが、今後のこの地域の取り扱いは難しそうですね。そうでもないのでしょうか?、専門家ではない私には分かりません。