体力のない私には山歩きはムリだろうと、はなからあきらめていました。 ・・が、ある時突然ひらめきました。 「誰かに合わせて急いで登るのでなく、自分のペースで普通の人の2倍、3倍の時間をかければ登ることもできるのではないだろうか」 と。
そこで、一番距離が短かそうでラクそうなところを選んで体験してみることにしました。
目標はダンプス。
ここならばトレッキングシューズでなく普通のスニーカーでも大丈夫ということでした。
登り始めのフェディが1220m、ダンプスが1799mということなので 高さにして約580m登ることになります。 アンナプルナ地域のトレッキング地図を見るとたったの100分の1くらいの距離です。 ちゃんとしたトレッキングをする人からみたら笑われてしまいそうです。
早い人で1時間半、普通の人で3時間くらいということなので私は5~6時間みてもらうことにしました。
ホテルを8:30分に出発。 登り始めのフェディまで車で40分くらいということでしたが30分足らずで着いてしまいました。
9:00スタート。 最初の1段目からきつい登りです。 でも普段5階に住む私はこれくらいは全然平気。 最初の15分、20分は楽々でした。
ところが30分も登りが続くとだんだん怪しくなってきました。 それからもひたすら登るばかりです。 ちょっと登っては休み、ちょっと登っては休みの繰り返し。
振り返ればこんな景色も見られたはずですが、登りでは写真を撮る余裕などありません。 これは下りに撮ったものです。
大汗をかいて1時間ほど登ったところに休憩ポイントがありました。 ザムネというところ。 事前に頼んでおけばここで作りたての昼食が食べられるようです。 私はダンプスに着いてから昼食予定なのでここでは休憩だけ。
ポカラのチベット難民キャンプから通ってくるというアクセサリーを売る人が二人、こんなところにも店を広げていました。 私は何も買わないので気の毒に思ってしまいますが。
このすぐ上では稲刈りをしていました。 ドレスで・・・ね!
ここからも登り、登りとただ登るだけ・・・ 何だ坂、こんな坂、 何だ坂、こんな坂と掛け声をかけたり、えんやーこらやー、どっこいじゃんじゃんこーらやと歌ってみたり・・・
辛い登り道だけれど、救いは時々会うこんな人と挨拶がかわせることです。 ネパール語が話せるようになったらおしゃべりしちゃうぞ・・なんて思いながらこの時はまだ挨拶だけ。
2時間ほど登ったところで二回目の休憩をとりました。
EVER GREEN RESTAURANNT と書かれていました。 建物はごく普通の家のようです。 通り沿いに四角いテーブルとベンチが用意されており、ほんの少し手を加えて売店風にしてあるので休憩所とわかります。 お茶を頼むと奥の方で作ってきてくれます。
いまはポカラの大学に通っているというお嬢さんが休暇を利用して里帰り中で手伝いをしていました。 彼女がいるところが売店になっています。
登山道はきれいに整備されており、登り始めからずっと石が敷き詰められています。 どれほどの歳月をかけてここまで出来たのだろうかと考えながらがんばりました。
この先もひたすらエンヤーコラヤー♪ ドッコイジャンジャンコーラヤー♪ の掛け声とともに登りました。
さらに上のレストランの近くで会った姉妹。 ここでは休憩はしませんでしたが・・
到着した時間から逆算して目的地まであと30分というところで、この近くに住む子供たちがこんなプレゼントをしてくれました。 マリーゴールドの花びらをつなげて作った花輪です。
ここまでほんとに苦労して登ってきましたので、うれしくて、うれしくてしおれないうちにと写真をとりました。
午後1時近くようやくゴールとなりました。 約4時間がかりでした。 ディネシュさんは5時間はかかると思っていたけれど思ったより早く着いたと言っていました。
このあと、どこが痛いということもなかったのですが疲れてしまって一休みのつもりがずっと休むことになってしまいました。
4時ころディネシュさんが散歩に行きませんかと声をかけてくれましたがそのまま休憩状態が夕食時間まで続いてしまいました。 笑って下さい。
今晩の宿はこの 「ホテル・ヤマサクラ」 です。 このあたりでは「サクラ」の方が通りがいいということです。 名前からして日本通とわかりますが、オーナーは日本で6年も働いていたことがある方なので、日本語OKです。 ビールの看板がやけに目立ちます。
ヤマサクラのオーナーご夫妻。 オーナーの名はブッディマンさんです。