アバタもえくぼとか申しますが、それは両頬にある場合で、60幾つもあっ
たら反対にえくぼもアバタに変わるでしょう。この60余のえくぼは一人の
ご婦人の顔ではなく、一冊の本のなかで(笑)と記されている所が68あ
るという意味です、この本の中に。
暇にまかせて数えたわけではなく、面白さに魅かれてついカウントしてし
まいました。この附箋のあるページです、見開き2ページに四つの(笑)が
あったりして、それだけでも本の内容が分かるというものでしょう。
周りを和ませ明るくするチエさんの存在を、定時制高校野球部の監督が
どうしても入部させたいと「図って」、2012年10月25日ーー
≪花巻東高校の大谷翔平くんと、大阪桐蔭高校の藤浪晋太郎くんの去就が
日本中の注目を集めていました。
そして、この日こそ、私にとっても運命の日となるのです。≫
あとは、119頁からを立ち読みも含めてご覧ください。
目次にある(笑)。
≪第六章 83歳 ・感激の初出場、そして「最後の夏」
3歳寿命が縮んだ(笑)、初出場の瞬間ーー150(頁)≫
(150ページ)
≪私たちの出場する神奈川県予選は20校によるトーナメント戦で、
わが高津高校定時制野球部の初戦は、5月19日の対日々輝学園
高校神奈川校が相手です。
(153ページ)
11対1と大量リードのまま、試合は終盤に差しかかります。
そのとき、中島先生(監督)に呼ばれました。
「チエさん、次の回からレフトについてください」
「えーっ!」
「いつか来るかもしれない」とは覚悟していました。しかし、いざ実際に
「そのとき」がくると、やはり、緊張のために足がすくみます。
しかし、もはやぐずぐずしている時間はありません。
ついに出番です。私もチームの一員としてグランドに立つのです。練
習試合ではありません。一つも負けられない公式試合に私は出場する
のです。
私は覚悟を決めました。
「さぁチエさん、頑張っていきましょう!」
「チエさん、リラックスしてね」
「みんながついているから大丈夫ですよ、チエさん!」
みんなが私に声をかけてくれます。その言葉を聞いて、私の中にも少し
ずつ勇気がわいてきました。≫ 以上153ページ。
154ページ以降は、ご自分の目で結果を確かめて下さい。
この話からまだ9ヵ月も経っていません。そして、上中別府チエさんは
神奈川県川崎市立高津高校定時制の高校四年生として最後の高校
生活を送っています。
最終下校が21時50分のようですから、21時過ぎたばかりの今も部活
動に参加していることでしょう。
野球部、書道部、華道部に参加していて、今夜はなにをやっているので
しょうか。