八「おーい、聞いたかい?」
九「おー、聞いたよ」
八「おいおい俺は未だ何にも言っちゃいないぜ。」
九「だからね、お前がおーい聞いたかい、ていうのを、聞いたよ、って言うんだ」
八「馬鹿、そんなこといちいち返事されてちゃ、日が暮れちゃうわ」
九「そうでもねえだろう、いつも隠居が話は丁寧に、て言ってるぜ」
八「その丁寧とは話が違う、その話はもういい。イヤな、その隠居のことだ」
九「とうとう死んだか」
八「そうじゃねえ、でえいち二月に死なれてたまんないよ。暮れと正月に金は
あるだけ使ったあとだよ、香典だって大変だよ。普段から大家と長屋の店子
(たなご)は親子のようなものだ、と言っている積りの隠居だよ。こちらの懐
具合を考えてあの世へ行くよ」
九「そりゃそうだ、こちらの懐もあるが、本音は実入りの計算だろう。金のない
今より懐が温かければ、つい二三枚多く入れちゃうからね。それじゃ隠居
俺たちに小遣いでもくれるのかい、そりゃ蟻が鯛なら芋虫クジラだ」
突然ですが、14日にならんとしています。あとは明日に……。
ひと言、本日本格的に「普段の暮らし」に戻りまして、何かと整理をして
気分一転の「語り的つぶやき」を書こうと思っていました所、茶千さんの
コメントに「床上げ」とありまして、これをタイトルおよび内容に頂戴した
次第でございます。
茶千様ご了承のほどを、そして皆々様にはお付き合いを頂ければ有難
いことでございます。