珍作あらため呆作になりましたことの由来はコメントで述べさせていただ
ましたので、ここでは触れません。 それにしても有難いことです、こうしてコ
メントからいろいろ知識をいただき、直ちに「つぶやき」になるというのは。
どうやら小泉ショー劇場の第2回公演は予想外だったようで、お客さんも銭
を払って観る以上、本物を観たいですよ。 これから「コメント小劇場」の時代開
幕の予感あり、です。
さて、九さんの「蟻が鯛なら……」のしゃべりを受けまして、
八「なんだいそのアリがタイ、とかいうのは」
九「これが分からないの、無学な男は困るね。 有難いだよ、そうくりゃ芋虫は鯨
位になるだろう、て言うわけ、分かった? 未だ分からん顔だな、自分で考えな。
それより隠居が小遣くれるちゃ話はどうした」
八「小遣まで出すかは分からんよ、でも徳利の一本くらい出るだろう」
九「いーね、この雪空に熱燗でいっぱいはうれしいね、行こう、行こう」
八「おいおい、引っ張るなって。どこへ行くんだ」
九「隠居のとこだろ」
八「何しに」
九「え? 酒飲みだよ、お前が言ったばかりだろ」
八「どうして」
九「え? これもお前が言ったんだぜ、隠居が飲ませるって」
八「俺は、今行けば酒が飲めるなんぞ、言っちやいないよ」
九「なんだ、来年の話か」
八「馬鹿、年変えて二つ月も経たないのに、来年の飲む話をする奴はいねえ。
お前も知っている通り、隠居が風邪から肺炎になりかっかって寝込んだろ」
九「うんうん、これはしめた、と思ったあれだね」
八「お前、そんなことを言うから罰が当たると言うんだ。雪に滑ってあやふく腕を
折るところだったろ」
九「あれは、受け身を試しただけさ。いやね、隠居が亡くなれば俺の借金も無くなる、
と思ったね、あさましい話だがね。ところで、その隠居がどうした」
八「そん時、長屋でみんなで包んで行ったろ」
九「香典、じゃない見舞いだな」
八「床上げをしたんで、みんなに礼をしたいと言うんだ。今月の当番が八ちゃんだか
ら俺から声をかけてくれというんだ、それでね一ちゃんから七まで声をかけ終わって
お前に会えたというわけだ。そんなことで今夜だ。ああ、ふたり欠けるな、四郎と六さ
んだ。 四郎だろ、あいつ誰も気にしちゃいないっていうのに自分で俺は四郎だ、四の
つく俺が病気見舞いは勿論、快気祝いにも顔は出せねえ、てこの前の見舞いの包み
にも名前を書かせなかったくれえだ。六さんは六な理由じゃない、隠居の所の酒は不
味いとか、いうが本当はあそこの犬が恐いんだ、それで近づかない。うん、そう一度か
みつかれたからな、え、そうなんだよ、犬の方からいえば噛みついたのではなく、取り
返したんだ、たしかに最初の持ち主は六だ、だが一度犬の前の皿にのせたものをだよ、
5分も経ってから取り上げれば犬は噛みつくわ、当然のことだ。酔った六にそれが分か
らなかった故の悲劇だ。 まあな、それでだ、ただ飲ませてもらって御馳走さまでは面白
くねえ、なにか趣向をこらそうと、行く前に相談することになって、そう一時間まえに俺の
家に、九さん、何かかんげえてきてくれ、みんなそれぞれ無い頭をあつめる、頼んだぜ」
という会話がありまして、相談の場となりますが、こちらも先の話をすすめるのに考え
なければなりません、ので今夜はここまでに。