サンタ・マリア・ディ・ミラーコリ教会(Santa Maria dei Miracoli)はスクオーラ・グランデ・ディ・サン・マルコからの帰り道に立ち寄った。
小さな運河にかかる橋の上から淡いピンクの色調に輝くこじんまりした教会が望めた。「珠玉の...」たしかにそう呼べるような美しい外観に引き寄せられるように近づいていった。
サンタ・マリア・ディ・ミラーコリ教会(Santa Maria dei Miracoli)
ぐるりと教会周りを歩いて観察したのだが、異なる色調の大理石の組合わせにより宝石箱のような輝きを宿している。
サンタ・マリア・ディ・ミラーコリ教会は初期ヴェネツィア・ルネサンス様式の教会である。
この教会は設計競技が行われ、ピエトロ・ロンバルド(Pietro Lombardo,1435頃-1515年)が「その模型に従って」建てるという契約を結んだ。彼の本業が彫刻家であることから、建築の設計はマウロ・コドゥッシ(Mauro Codussi,1444頃-1504年)が手掛けたという説もあるようだ。(参考:『世界の夢のルネサンス建築』)
で、教会内に入ったら、係りの人に、あと2分で教会を閉める、と言われた。えーっ!とデジカメを取り出したら、撮影は禁止、だと...。
教会内部は内陣が身廊の床面よりもかなり高い位置にあり、ヴェローナのサン・ゼーノ教会を想起した。しかし、多色大理石で装飾された内部は本当に美しく、つい見とれてしまう。なのに、シビアなことに、泣く泣く教会から追い出されてしまったのだった。
意気消沈し、陽も傾いてきたので、ホテルに戻りチェックインしようとサン・マルコ広場方面へと向かった。が、なんと道に迷い、予想以上に時間がかかってしまい焦る。なにしろ、チェックイン後も、あの教会を再訪しようと思っていたのだから...。