花耀亭日記

何でもありの気まぐれ日記

「芸術新潮」6月号を立ち読みした(^^;

2020-05-26 11:12:20 | 読書

取り寄せ依頼していた本を書店で購入しついでに、「芸術新潮」6月号をサクッと立ち読みした

https://www.shinchosha.co.jp/geishin/

緊急寄稿シリーズ「新型コロナウィルスと美術の現場」の中で、国立西洋美術館「ロンドン・ナショナル・ギャラリー展」監修の川瀬佑介氏が、コロナ禍の下での苦しい状況を書いていた。特に、将来的にも、疫病流行の可能性を含めて、国内外からの作品借り出しが必要な企画展の難しさ(移動や経費面も含め)は切実で、大規模な西洋古典美術の企画展などは困難極まりないものとなりそうだ。一美術ファンとしても暗澹たる思いになってしまう。

で、別記事のなかで、コロナ禍のローマ「ラファエッロ展」について言及していたが、「ファン・エイク展」もだが、途中で中断・中止状態になってしまった展覧会も多い。

記事には扱われていないが、私的に注目していたミラノ「ジョルジュ・ド・ラトゥール展」も影響を受けた展覧会のひとつだ。サイトを確認すると、パララッツォ・レアーレは5月28日から再開し、会期も、2020年2月7日~9月27日と延長になっている。

Palazzo Reale「Georges de La Tour - L'Europa della luce」展

https://www.palazzorealemilano.it/en/mostre/leuropa-della-luce

2016年のプラド美術館「ラ・トゥール展」を観ていたので、多分あれ以上の充実した作品展示は望めないだろうという予想もあったが、今回の展覧会はホントホルストやビゴーなどの欧州テネブリズムとラ・トゥールとの関わりに焦点を当てており、興味深い展覧会であるのは確かである。

実は、私的に注目したのは企画者側のラインナップであった。

Curated by Prof.ssa Francesca Cappelletti advisory committee Pierre Rosenberg (a former director of the Louvre), Gail Feigenbaum (Director, Getty Research Institute), Annick Lemoine (Director, Musée Cognacq-Jay), and Andres Ubeda (Deputy Director, Prado Museum)。

以前、拙ブログで「The Burlington Magazine」誌におけるローゼンバーグ氏のプラド美術館「ラ・トゥール展」展評に触れたことがあるが、結構辛口な評で、特に展覧会場の照明に文句を付けていたのが印象的だった。ということは、もしかして今回のミラノ展覧会場は申し分ない照明効果が期待できるのだろうか??

https://blog.goo.ne.jp/kal1123/e/723d101fdc1818ae8f565d577f1129e4

いずれにしても、この新型コロナウィスルのお陰で、国内にしろ海外にしろ、個人的には当分(ワクチンや治療薬ができるまで)展覧会や美術館に行くことはできないだろう。本当に悔しくて悲しくて辛い。



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6 コメント

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むろさんさん (花耀亭)
2020-06-02 00:18:33
さっそく和歌山県美の学芸員さんの文書を拝読いたしました。
再開に至るまでの苦慮と葛藤、そして、なによりも再開後に見えた景色が胸を打ちますね。
コロナ禍に直面した美術館の状況がリアルに了解できました。ありがとうございました!!
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美術館・博物館関係者の思い (むろさん)
2020-05-31 23:08:25
私がよく見ている日本美術の研究者のツイッターで、数日前に和歌山県の美術館の学芸員が書かれた文章が紹介されていました。美術館・博物館関係者がこの時期、どのような思いで休館・再開などについて考え、苦労しているかが分かる文章なのでご一読を。
https://bijutsutecho.com/magazine/insight/21987#.Xs2oObPmB3A.twitter

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むろさんさん (花耀亭)
2020-05-31 00:24:17
貴重な情報をありがとうございました!!
>東京:開幕日未定~10/18まで
>大阪:11/3~1/3
むろさんさんが予想していた通り延期になりましたね(^_-)-☆ 
多分、日時予約制になるのでしょうが、前売券購入済みの場合どのようになるのか...??
でも、観に行くとしても感染状況次第になりそうです(^^;
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ロンドンNG展会期変更の発表 (むろさん)
2020-05-30 01:25:44
東京・大阪とも会期変更が発表された。
東京:開幕日未定~10/18まで
大阪:11/3~1/31
日時指定制度を含む新たな入場方法を導入予定
とのこと。
https://www.nmwa.go.jp/jp/exhibitions/2020london_gallery.html
https://artexhibition.jp/topics/news/20200529-AEJ237368/

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むろさんさん (花耀亭)
2020-05-28 01:09:49
貴重な情報をありがとうございます!!西美と美術手帖のサイトを確認しました。
>これによりロンドンNG展の会期が延長される可能性が高まった。
大いにあり得る展開で期待してしまいます。オーストラリアと大阪がどれぐらい譲歩するかが問題ですね。会期がずーっと後ろ倒しで延期してもらえると良いのですが(^^ゞ
でも、山口県美ではないですが、仙台在住の私的にも、まだ東京や大阪に行くのは怖くてたまりません。地方住民には敷居が高くなりそうです。

で、「カラヴァッジョ・キリスト埋葬展」
ですが...むろさんさんのおっしゃる通り、私も微妙だと思います(-_-;)
今年は期待の展覧会がたくさんあったのに...受難の年になっていまいましたね(涙)
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ロンドンNG展の開幕延期 そしてキリスト埋葬展の行方は? (むろさん)
2020-05-27 11:12:52
国立西洋美術館のHPでLNG展の開幕延期とスポーツ in アート展(7/11~10/ 18)の開催取り止めが公表されています。
https://www.nmwa.go.jp/jp/exhibitions/upcoming.html

そしてこれを受けて美術手帖に気になる記事が載っています。
https://bijutsutecho.com/magazine/news/headline/21994#.XszK5TfdKQs.twitter
記事は「スポーツinアート展中止は海外からの作品輸送が難しくなったためであり、これによりロンドンNG展の会期が延長される可能性が高まった」としています。

ロンドンNG展開催にあたってのご苦労は上記本文の芸術新潮・川瀬学芸員の記事(私も立ち読みしました)でよく分かるし、館側も既に展示してあるのだから可能ならば開催したいという意向は強いと思います。問題は同展の次の巡回予定との調整であり、大阪は国内なのでなんとかなるとしても、その後がオーストラリアのキャンベラ(11/13〜2/21)なので、こことの調整ができるかでしょう。7/11からのスポーツ in アート展が海外からの作品輸送を理由に中止ということなので、オーストラリアへの輸送も時期が遅くなるほどやりやすくなるでしょうから、大阪での展示期間短縮も含め、調整がうまくできることを祈るしかないですね。その場合、山口県立美術館のようなやり方になるのか(国立なのでまさか東京都民以外ご遠慮くださいとはならないと思いますが)、この点も気になります。

そしてもう一つ気になるのが、国立新美術館「カラヴァッジョ・キリスト埋葬展」(10/21~11/30)の行方です。上で書いたような海外からの輸送の問題を考えると予定通り開催できるかは微妙ですね。

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