マルコ・ダンドロが装いも新たにヴェネツィアに帰って来た。
朝日新聞社から随分昔に出版された塩野七生によるヴェネツィア・フィレンツェ・ローマの三都を主題にした殺人事件シリーズは既に読んでいたのだが、今回、新潮文庫から新たに「小説 イタリア・ルネサンス1~3」として改題・改装出版されたのまでは良いのだが、なんと!驚いたことに、書下ろし最新作として「小説 イタリア・ルネサンス4 再び、ヴェネツィア」まで出版されたのだ。
内容は、あのマルコ・ダンドロが40代でヴェネツィア共和国に戻り、ノービレ(貴族)として政治中枢で働きながらの物語であり、ヴェネツィア(&神聖同盟)とトルコとのレパントの海戦を後半ハイライトとし、マルコの死に至るまでのルネサンス期ヴェネツィアの物語である。ある意味「海の都の物語」や「レパントの海戦」と重なる部分はあるものの、ヴェネツィア共和国栄光の時代の残照がマルコの「佇まいの美しさ(gentile aspetto)」を際立たせているように思えた。
今回、特に注目に値するのは、文庫に綴じ込まれたカラー口絵であり、小説内にも登場する当時のヴェネツィア派絵画が興を呼ぶ。ティツィアーノ、ヴェロネーゼ、ティントレット、そして何よりも意外だったのは、マルコ・ダンドロが青年期にロレンツォ・ロットに肖像画を描かせているのだから!! 故に、表紙がロットの《若い紳士の肖像》(通称:Il Giovane malato)というのも頷ける。
ロレンツォ・ロット《若い紳士の肖像》(1530年頃)アカデミア美術館
塩野七生さんって、もしかしてロレンツォ・ロット好きなのかな??
まだ読んでないですけど…(^_^;)
ついでに1〜3巻も買ってしまいました。
やっぱりリニューアルで全巻欲しい…久々のミーハー発揮(笑)
ちなみに以前の本はブックオフ…
確かに、花さまおっしゃる様に、カラー口絵にテンション上がりました(笑)
新潮社さんの新装リニューアル戦略にしっかり乗せられたような?(;'∀')
momoさんにも豪華(?)カラー口絵の効果があったようですし(^_-)-☆
でも、塩野さんの第4巻書下ろしは嬉しかったですよね(#^.^#)